メスタージャでのスーパーカップ第一戦。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ディアラ、デラレ、VDV
FW:ラウール、VN、ロビーニョ
セルヒオ・ラモス、グティがベンチからスタートと、予想と違う構成。さらに、ロッベンではなくロビーニョが先発。
■バレンシアの先発メンバー
GK:ヒルデブラント
FW:ビジャ
クラブのトラブルを乗り越えるシーズンとなるバレンシア。監督はエメリ。移籍の報道が絶えないシルバ、ビジャも先発。
■リズムなし
バレンシアの狙いは明らかで、マドリーの最終ラインと中盤の底にプレッシャーをかけること。マドリーはそのプレッシャーを受けて、ボールが前に収めることができない。
ディアラ、デラレから前に繋いでいけないと攻撃はできないし、バレンシアにリズム良く攻撃させてしまう悪循環。最終ライン4人の連携の悪さもあって、バレンシアに決定的チャンスを何度も与えてしまう。
ロングボールが多くなって、ボールを保持して攻めることがなかなかできない序盤となったが、13分のVNの先制ゴール。デラレのパスを受けたVNがうまくファーにシュートを決めて、良くない流れながらも先制に成功。
1点リードして、落ち着ければよかったのだけれど、バレンシアのプレスにあたふたする状況は変わらず。ビジャ、マタ、シルバあたりに追われて苦しいパスを出す場面ばかり。
前線の選手が下がって受ける場面もあったが、フォローも少なく、効果的に打開はできなかった。低いポジションでボールを奪われがちなので、守備も機能せず。
VDVからロビーニョへのサイドチェンジなど、ところどころいいプレーは見られたけれど、ペースとしてはバレンシア、という前半。
よく1点取って、かつ無失点で済んだ。
■ついにバレンシアが報われた
後半開始時点で両チーム交代はなし。
前半は無失点で済んだマドリーだったが、後半ついにバタバタと失点。
56分、右サイドからのアルベルダのセンタリングを受けたマタが強烈なシュートを決めて同点。
59分、今度は左サイドからマタのセンタリング。中央でビジャが頭で合わせて3分で逆転。
中央のディフェンダーがマークを捕まえきれないままなのが致命的。サイドからのボールにうまく対応できないのか・・・プレシーズンをこのメンバーで戦ってきたといっても、やはりまだ連携不足の感は否めない。
64分、逆転を許したマドリーが先に交代。サルガドとロビーニョに替えてセルヒオ・ラモスとロッベン。
68分、早速ロッベンが左サイドを突破。クロスをVNが合わせて同点に追い付く。
パスがうまく繋がっていかないこの試合で、縦に早いロッベンは効果的。縦への推進力が少し回復。
セルヒオ・ラモスが入って、守備も少しだけ改善。
バレンシアは65分にホアキンに替えてパブロ・エルナンデス。71分にマタに替えてビセンテ。75分にバラハに替えてマヌエル・フェルナンデス。
置き換えるような形で小刻みに選手を変えていったのに対し、マドリーは75分、ラウールに替えてグティ。4-2-3-1に変更。中盤を厚くしてボールを保持しようという狙いか。アウェイで2-2なら上々ということもあったのだろう。
ところが81分、エリア内でビセンテとシルバがワンツー。ビセンテにうまくシュートを決められ、思惑もむなしくバレンシアが勝ち越し。2対4の状況で見事に崩された。
終盤、いい形になりかけた場面もあったが、3-2のまま試合終了。
■改めて
試合としてはバレンシアが勝ちに値するプレーをしたように思う。マドリーとしては幸運にも2点もぎ取ったという印象。それくらいボールが前に進まなかった。
セットプレーでは、現時点ではVDVのキックがファーストチョイス。かなり長い距離からでもゴール前に蹴りこむ場面があって、精度が信頼されているように思えた。ゴールには結びつかなかったけれど、期待できるボールが送り込まれることになるだろう。
デラレとハビ・ガルシアに関しては残念。とはいえ、センターバックにパスがうまいペペがいたり、セルヒオ・ラモスが先発したりしていればまた状況は変わっていたはず。この試合での構成は現実的ではないので、改めて主力組との組み合わせを見てみたい。第2戦でも出番があれば注目。
ラウールはいまひとつ。下がってボールを受ける場面が多くチームを助けていたが、ゴール前ではいいプレーを見せられず。
プレシーズン仕様の構成ということもあって、不安な面が出て2-3となってしまったが、サンチャゴ・ベルナベウでのいいプレーを期待したい。