GW中、個人的にイベントもあったりして慌しく、優勝後に記事を書けていなかったが、優勝を決めたビルバオ戦を振り返る。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;カジェホン、エジル、ロナウド
FW:イグアイン
77分:イグアイン→ベンゼマ、79分:エジル→グラネロ、87分:カジェホン→マルセロ
コエントラン、イグアインが先発。出場停止のディマリアの替わりはカジェホンとなった。
■アスレティック・ビルバオの先発メンバー
GK:イライソス
MF:デマルコス、イニゴ・ペレス、スサエタ
FW:イバイ・ゴメス、ジョレンテ、トケーロ
46分:サンホセ→イラオラ
ビエルサのもと、好成績を残しているビルバオ。コパとELの2冠の可能性がある。
■試合内容を簡単に
ビルバオは今シーズン、EL決勝まで進出している。長い期間ミッドウィークの試合もこなしてきて疲労はあるはず。そのため、それほど走れないのではないかと思っていた。しかしながら、ビエルサは簡単にやり方を変えるような監督ではなかった。
今シーズン、マンツーマンの守備によってビルバオはさらに良いチームへと進化した。良く走り、相手についていく守備はバルセロナ戦でも成果をあげ、カップ戦でも結果を出してきた。
こうした守備は、マドリーにとっても非常に面倒だ。シャビ・アロンソに時間も空間もない、という状況が長く続くことは、最近彼への依存からの脱却が見られるとはいえ、やはり辛い。
この試合では、カジェホンが先発しており、繋ぎに大きく貢献できるわけではなく、エジルが1人で頑張る形といっても良かった(ディマリアもそれほどではないのだが)。
こうした状況では、どちらが速攻の回数を増やせるかということが大事になってくる。マドリーが2回もゴールという結果に結びつけることができたという点で、ビルバオを上回ったといえる。
マドリーは、遅攻がうまくいくことは少なかったが、悪い取られ方が少なかったという最低限のハードルはクリアしたため、無失点で90分を終えることができた。
そして、1点目は守備で引っ掛け、2点目は出てきた裏をついてのカウンターという理想的な試合運び。
後半にシャビ・アロンソの素晴らしいコーナーをロナウドが押し込むだけで3-0とし、勝負あり。4シーズンぶりの優勝を、非常に難しいスタジアムで決めた。
■4シーズン。
4シーズン、本当に長かった。
前回の優勝は’07~’08シーズンのことだ。そのシーズンのメンバーを見てみよう。
DF:セルヒオ・ラモス、カンナバーロ、ペペ、エインセ、マルセロ、トーレス、メッツェルダー、ドレンテ、サルガド
MF:ディアラ、グティ、スナイデル、ロビーニョ、ロッベン、バティスタ、バルボア、ガゴ
という面々。今のチームに残っているのは、カシージャスとセルヒオ・ラモス、ペペ、マルセロ、イグアインだけ。(ガゴはローマへレンタル移籍中)
こうしてみると隔世の感がある。
サラゴサ戦で優勝を決めた後に、ベルナベウでのバルセロナ戦があり、その試合では終盤にパス回しでバルセロナを翻弄するようなシーンもあった。
シュートはマドリーが12本、バルセロナ5本。ボール支配率はマドリーの51%という、今ではなかなか考えられないような数字が並んでいる。
マドリーは、この次のシーズン途中で成績不振を理由にシュスターを解任、ファンデ・ラモスを招聘。当時のカルデロン会長はソシオ集会での不正票問題をマルカがスクープしたことで2009年1月に辞任に追い込まれ、その後、ボルーダ暫定会長、そしてペレス現会長へと政権は移った。
監督はファンデ・ラモスの後、ペレス政権下のペジェグリーニ、そしてモウリーニョへと移り変わっている。
マドリディスタにとっては、監督が短命に終わることは、ここ数年ほとんど当たり前のこと、優勝したシュスターでさえ、翌シーズンひどいスタートを切ってアウトとなったのだから、モウリーニョが3シーズン目を迎えるであろうことは、安定という最低限のラインをクリアするという点では良いことだろう。彼の周りに付随する問題は今後も解消されないだろうし、そのことの是非は都度論じる必要があるのだろうが。
しかし、今はおいておこう。
今、シーズンが終わるまでは優勝の重みと喜びを感じたい。
このクラブがたどって来たここ数年は、苦しい道のりだったが、ようやく一つの結果にたどりついたのだ。
しばらくは、4年も待ったこの喜びに浸り、そして今後は、このシーズンが一つのステップだったといえるよう、新しいシーズンが良いものになるよう、準備をしていってもらいたい。