レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第6節 vエルチェ

久しぶりのプリメーラ復帰を果たしたエルチェのホーム、マヌエル・マルティネス・ブラーボで対戦。スタジアムの席はほぼ埋まっていて、熱気が感じられる。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:ケディラモドリッチ;ディマリア、イスコ

FW:ベンゼマロナウド

70分:イスコ→イジャラメンディ、81分:モドリッチ→カルバハル、89分:ディマリア→モラタ

コエントランが先発起用された。中盤より前は報道通り。

■エルチェの先発メンバー

GK:マヌ・エレーラ

DF:スアレス、ロンバン、ボティア、アルバカル

MF:ルベン・ペレス、サンチェス;コロ、ハビ・マルケス、マヌ・デル・モラル

FW:ヒル

59分:マヌ・デル・モラル→フィデル、62分:ハビ・マルケス→ボアキエ、81分:コロ→アーロン

久しぶりのプリメーラであるエルチェ。セビージャで活躍したマヌ・デル・モラルを加えている。

■立ち上がりは改善

エルチェは最初の15分から20分、かなり積極的にプレー。ラインを高くしてプレスをかけ、ショートカウンターでゴールに迫れるよう、運動量を割いていた。

ここ数試合のマドリーのスロースターターぶりを考えると、序盤に波乱を起こすことを狙うのは理に適っているやり方。

ただ、マドリーも徐々に改善されてきたように見える。

モドリッチが先発したこともあって、ボール運びはまずまず順調にやれていたし、低い位置で奪われることは滅多になかった。

シンプルにやるべきところと手数をかけるところが、整理されてきた印象。

そのため、エルチェのもくろみは完全には成功せず、先制点を奪うには至らなかった。しかしながら、その後リトリートし落ち着いて守る形に切り替えたのは見事。

マドリーは、立ち上がりの状況の改善にはある程度成功したものの、こちらも得点することはできず。エルチェのしっかりした守りを崩さなければならなくなった。

■あと一歩

マドリーの攻撃は、モドリッチが少し低い位置からボールを動かし、イスコがバイタルで前を向けると選択肢が広がる。モドリッチに対するサポートはまだ改善の余地があるが、それでもこの形で30分ごろからはアタッキングサードに入ることは出来ていた。

問題はその先で、なかなかシュートまで持って行くことができない。シュートは10本で、エルチェの9本とほとんど変わらない結果となっている。

以前のようにミドルレンジからどんどんシュートするスタイルよりは好きだが、最後のところの一工夫が足りないので、あと一歩というところ。

マドリーにとっては古くて新しい問題ではあるが、イスコを中心にこの壁を乗り越えなければ、今のスタイルは効果的でなくなってしまう。

ベンゼマと2列目はポジションチェンジしながらスペースを狙っており、両サイドバックも裏を狙える高さにいる。

この試合では、イスコから浮き球のスルーパスが何回か出ていたが、ああいったパスがゴールに直結する中央へもっと出てくれれば。

今は比較的スペースがある少し開いた位置に落とすことが多いので、裏をつく動きを洗練させていってもらいたい。

アタッキングサードには入れていたため、このところきちんとできている高い位置での守備は継続してやれていた。ボールを失ったところで、近いポジションにいる選手が早めに寄せる形はかなり定着してきたと言っていいかもしれない。

エルチェは後ろの8人ががっちりラインを作ってマドリーの攻撃を跳ね返し、前半はスコアレスで終了。

■先制するも・・・

後半に入り、51分にマドリーが先制。

ロナウドフリーキックが壁の低くなったあたりを抜け、キーパーも一歩届かずニアに。

いつもよりコースを狙うキックだったのが良かった。ロナウドが蹴る場合でもあわせるキックをするなど、最近は工夫が感じられる。近い距離ではいつも通りの強いキックでは枠に飛ばない。いろいろとバリエーションを増やして使い分けていってもらいたい。

先制後、マドリーは受け身になってしまった。

追いかけなければならないエルチェが序盤の積極性を取り戻してプレーし、マドリーはそれに対応することに。

ボールを持って上手くいなすこともできず撃ち合いに突入し、かといって追加点を奪うことも出来なかったことが非常に残念。

モドリッチ、イスコを中心に落ち着かせることができれば良かったのだが、エルチェのリズムに乗ってしまったことが失敗の元。終盤のドタバタに繋がってしまった。

エルチェは、守備でも見られたようにチームとしての意思統一がしっかりしている印象で、後半攻勢に出る時も実績のあるマヌ・デル・モラルなどに任せるというよりは、チームとして形を作ろうとしていることが感じられた。

■終盤のドタバタ

同点ゴールは後半ロスタイム。

キーパーのフリーキックをサイドでダイレクトで落とし、持ち込んでクロス。最後は若いボアキエがヘディングで決めた。

マドリーはサイドにボールが入った時にマークがずれた。そのままボアキエにもマークがつききれないままやられてしまった。

これで万事休すとなるはずだったが、コーナーキックの際にペペがサンチェスに掴み倒されたとしてPK。サンチェスが掴んで抑えたというよりはペペと絡み合って倒れた形で、非常に幸運だった。

得たPKはロナウドがいつもの通り向かって左に強いシュートを決め、勝ち越し。

これがほとんど最後のプレーとなって、マドリーは幸運な勝ち点3を手に入れた。

前半、セルヒオ・ラモスに2枚目のイエローが出なかったことと合わせ、主審のムニス・フェルナンデスの判定は批判に晒されている。

確かに、マドリーにとっては幸運、エルチェにとってはあまりにも酷な判定に助けられた試合だったと言える。

今節は幸運に助けられたが、次は不運に見舞われるかもしれない。長いシーズンで今日のエルチェのような立場になる日もやってくるかもしれないが、落ち着いて気持ちの整理をつけたいもの。

マドリーのようなクラブであれば、そうした判定で差がつくような内容になってしまったことを不満に思うべきだろうし、今日のような幸運が転がってくることも忘れずにいたい。

■デルビーへ

週末はアトレティコとのデルビー。

アンチェロッティ体制となってはじめての大きな試合だ。まだまだ不完全で難しい時間帯も長くなるかもしれないが、重要な試合での集中力に期待したい。