レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第22節 vデポルティーボ

CL前最後のリーガ。負傷者は相変わらず多いが、ここからが正念場。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:クロース;イスコ、イジャラメンディ

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

71分:イジャラメンディ→ルーカス・シウバ、80分:イスコ→カルバハル、86分:ベンゼマ→へセ

戦前の話通りアルベロアとイジャラメンディが先発。

デポルティーボの先発メンバー

GK:ファブリシオ

DF:ラウレ、ロポ、マヌエル・パブロ、ルイジーニョ

MF:ベルガンティーニョス、ボルヘス;カバレイロ、ルーカス、クエンカ

FW:リエラ

65分:リエラ→エウデル・コスタ、79分:ルーカス→メドゥンジャニン、84分:ボルヘス→ドミンゲス

中位で粘るデポルティーボ。残留争いに巻き込まれそうな勝ち点差ではある。

■リアクション

アトレティコに大敗した後で、CL直前でもあるので、敗戦から1週間でどう立ち直ってきたかが気になった試合。

走れなければ高いレベルではやられるということを(繰り返し)教えられているアトレティコ戦を踏まえ、特に守備で前線のメンバーもきちんと参加することができるかどうかに注目していた。

まず前提として、どうボールを失うかというところから。

シュートまで至れば一番良いが、毎回シュートまで辿り着けるわけではなく、どこかでボールを失うことになる。その失い方が良ければ守備への移行はしやすくなるし、悪ければ陣形が整わないままでカウンターを受ける恐れが高まる。

アトレティコ戦では、マドリーが予期し準備できる失い方ではなく、アトレティコが奪いたいところで何度もその通りにやられていて、それが守備の悪さに繋がっていた。

往時のバルセロナドルトムントは、このボールの失い方を整理することでハイプレスからの奪い返しを実現していたが、マドリーは元々それを求めてはおらず、アンチェロッティは相手の攻撃より先に4-4-2の形を作ることで守備を計算できるものにした。積極的に奪い返すにせよブロックを作るにせよ、守備ができる時間を持てる失い方ができるかどうかは重要。

この試合のマドリーは、その点ではまだまだ。

デポルティーボが良い奪い方をしたと言うよりも、マドリーの攻撃が良くなく、ちょこちょこと引っかかっていた。

ボールを運べるのがイスコしかおらず、セルヒオ・ラモスやペペがいないのでセンターバックの大きな展開も使えないので、どうしても苦しい。

また、前線の切り替えが悪く、3人がいつも取り残されて4-3で守らざるを得ない状況が続いた。

守備を整える時間のないボールの失い方と、守備に参加する意識が希薄な前線との組み合わせで、後ろを向いて守るしかない場面が多く、デポルティーボはいくつかのチャンスを決めていればというところまで攻めることができていた。デポルティーボはリエラに当てて中盤に前を向かせることができており、マドリーの対応は後手に回った。

負傷者が多く本来やれることがやれていないという点を考慮しても、こういう守備を強いられる状態は早く改善したい。

ただ、ベイルをはじめ、前線の面々が時間はかかっても戻ってきていたのは好材料。ベイルは戻ってさえくればかなり低い位置まで顔を出して頑張っていた。

中盤より後ろのプレーヤーも、局面ごとのプレーでは集中していたし、盛り返そうという意識がところどころ見られた。

精神的なダメージが大きかったアトレティコ戦後1週間が経って、こうしたリアクションが見えたことは嬉しい。まだまだ改善すべきことは多いけれど、それぞれやれることをやろうとする意識が見られたことはとても良かった。

■イジャラメンディ、クロース、ルーカス・シウバ

イジャラメンディとクロースの併用は、徐々にスムーズになってきている。

イジャラメンディの方がアンカーの役割を多く担いつつ、クロースとは左右に分かれてプレー。ドブレピボーテのように見えることもあった。併用の場合は、この住み分けが一応の着地点なのだろう(モドリッチ復帰が近く、併用は多くなくなるだろうが)。

イジャラメンディはバランがボールを持ち上がった時にすっと最終ラインに入って穴埋めし、戻されたボールを受けるなど、後方への意識が高く、そこがクロースにはない特徴。これをやれるプレーヤーがいるかどうかで、守備の安心感はかなり違う。

クロースと2人で中盤の低い位置を担当し、その周辺でイスコが追い回す形なら、ある程度のところまでは何とかなる。これが、底にクロース1人、イスコが追ってケディラも追う、といった形になると、最終ラインはすぐにさらされそうな不安がある。

目立たないが、イジャラメンディはバランスを取る上では今でも重要なプレーヤー。まだまだやれることは増えると思うので、今後も期待したい。

そのイジャラメンディと替わって入ったルーカス・シウバはこれがデビュー戦。20分ほどの時間が与えられ、まずは慎重にプレーし、大きなミスもなく終えられた。

彼がイジャラメンディやクロースとどう違いを見せてくれるのかは今後の試合でということになるが、役割は理解しているように見受けられたので、そこは安心。今はとにかく中盤の守備の安定に努めて欲しい。

■得点、ロナウド

マドリーは23分にイスコのゴールで先制。決めきれないかなと思った場面だったが、イスコが冷静にコースを狙って決めた。

先述の通りデポルティーボの方に多くチャンスがあった前半で、決められずに済んだという流れの中でマドリーはこうした場面を決めきったのは大事。イスコは45度からファーに巻く得意のシュート。

ロナウドのポジションは流動的でベイルと同じサイドに入ることも。

序盤ほど結果を出せずにおりいろいろとやってみている状況で、とにかくゴールに入ればと思うが、この試合でもゴールはお預け。ただ、惜しいシュートシーンもあり、ポジショニングは悪くない。1つでも入れば楽になって、元のペーストはいかないまでも、またゴールは決められるようになる。

ゴールはなくても、この試合のようにアシストで貢献してくれていれば、彼個人の心情は別として、チームとして受ける恩恵は同じ。良いプレーをしてもゴールにボールが入らないということはある。割り切って続けてくれれば、また流れはやってくる。

そのロナウドのアシストでベンゼマがチップキックを決めたのは73分。時間はかかったが、ようやく2点差として試合を決め、イスコとベンゼマを休ませることができた。

それなりの内容で勝ち点3を得たことで、ひとまず落ち着いてCLシャルケ戦へ向かうことができる。

■最後に

守備面でより計算できるようになれば、CLでも良いところまではいけるだろう。

負傷者の復帰はもちろん、今プレーできる面々にもチームを助ける守備参加と集中を求めたい。それができればマドリーの武器であるカウンターが生きてくる。良い攻撃を作るために良い守備をすることを全員が意識してくれれば。

とにもかくにも、アトレティコ戦から立ち直ろうとするリアクションが見られて安心。今後これを継続し、あの試合が糧となったといえるシーズンの後半にしてくれることを願っている。

ミッドウィークのシャルケ戦の後、週末はアウェイでエルチェと対戦。