レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第14節 vヘタフェ

バルセロナ戦後の混乱もようやく収まってきたかと思ったら今度はコパ失格の騒ぎと、なかなか落ち着けないマドリー。ベルナベウも空席が目立つ。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:ルーカス・バスケス、ペペ、ナチョ、ダニーロ

MF:クロース;モドリッチハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

62分:モドリッチコバチッチ、78分:ベンゼマ→ヘセ、87分:ペペ→アルベロア

サイドバックとも本職ではない状態。その一方、中盤より前は負傷者が少なくなって来ている。

■ヘタフェの先発メンバー

GK:グアイタ

DF:ダミアン、カラ、アレクシス、ラゴ

MF:ラセン、ビクトル;サラビア、ワンデルソン、ラフィタ

FW:アルバロ

46分:アルバロ→セポビッチ、62分:ワンデルソン→ペドロ・レオン、80分:ビクトル→メンサー

アウェイでここまで3ゴール。リーガで実績あるプレーヤーが多い印象だが、苦しんでいるよう。

■回帰

マドリーの形は、クロースを底に置いた4-1-2-3。ペレス会長の意向もありここまで中央や左での起用が続いてきたベイルが、アンチェロッティ期ではおなじみだった右に入り、ロナウドが左となった。

クロースの底での起用も、ベニテスの元ではかなり久しぶりのこと。底ではカゼミロを重用し、クロースはインテリオールでの起用が続いていたので、この点でもアンチェロッティ期の起用に近い。

全体としても、ベイルが中盤に入って4-4-2となって守る動きが基本となっており、アンチェロッティ期に回帰したかのような形となっていた。

この形は、ディマリアの移籍以後は攻守のバランスを取るのに苦労したもの。だが、この試合のような力量差がある相手であればさほど大きな問題にはならない。マドリー相手にリトリートするのは定石で、マドリーとしてはそこからいかにして点を取るかの方が大きな課題となるからだ。

この試合でのヘタフェはまさにそうした相手で、アタッキングサードでどう崩すかがポイントとなった。ベニテスがどうしてカゼミロを含む中盤、ベイルの左への移動を放棄したのかという点はさておき、攻撃的なメンバーを並べた形は適したものであったと言える。

マドリーの両サイドバックは急造で、高い位置を取ることは取るが、攻守とも本職とはやはり異なる。利き足サイドだったルーカス・バスケスは、攻撃面ではまずまずのプレーをしていて、いきなりにしては無難なプレーをできていたが、反対サイドのダニーロはボールを受けても何も出来ず返すことしかできない。恐らく左足でのクロスに自信がないのだろう。縦に出て行ってクロスという場面にならず、止まって受けては戻すの繰り返しになっていた。

また、守備面ではどちらも不安。ルーカス・バスケスは運動量はあるところを見せてくれ、帰陣はきちんとしていたが、自陣でかわされることが何度かあり、ダニーロは右でも守備はぱっとしていない状態。

そのため、ヘタフェとしては、奪ってから両サイドバックのところをついてチャンスを作りたいところだった。

ところが、ヘタフェの攻めの形は見えてこなかった。

そもそも守備時に人はいてもきちんと掴めないことがしばしばあり、攻撃に繋げるためにどう奪うかというところには至っておらず、跳ね返すしかないことが多かった。そのため、クロースとモドリッチの中盤でも対応でき、この試合ではハメスとベイルもそれなりに帰って来ていたので、ピンチになることが少なく済んだ。

■マドリーの攻撃の良さ

ヘタフェのまずさばかりでなく、マドリーの良さも出ていた。

組み立ての時に前線のプレーヤーが早めに顔を出してボールを動かすことができていたし、アタッキングサードでのプレーヤー同士の距離も良く、ショートパスでどんどんボールが動いていた。

バルセロナ戦ではモドリッチやクロースへのサポートはなく、前線のプレーヤーもそれぞれ孤立した状態だったが、それよりはずっとコンパクトさを維持してプレーできていた。

ベンゼマのコンディションも徐々に上向いているようで、中央で受けるプレーの回数も多く、攻撃の基点として十分に機能していた。中央に彼がいるのといないのとでは攻撃の質が全く違う。BBCのうち、実は最も欠かせないプレーヤーであると言っても良いだろう。

ピッチの外でのもやもやはあるが、前半のうちに2ゴールを挙げ、目に見える結果を出したことは、チームにとっても彼自身にとっても重要。

また、マルセロを欠いている状況で、中央から左サイドでのハメスの貢献は大きかった。

上で触れたように、ダニーロが攻撃面でさしたるプレーができない中、利き足サイドである左でボールを運び、仕掛け、クロスを上げるといった仕事を多くこなしていた。ハメス自身もコンディションが心配ではあり、ここまでの仕事量を彼1人に負わせることは今後に向けて不安ではあるが、マルセロが帰ってくるのでうまく分担してくれれば。

35分にはベイル、38分にはロナウドもゴールを挙げ、前半で4-0と余裕の展開。それぞれ騒がれることが多いBBCが揃って得点し、攻撃陣は満足できる内容だった。

ヘタフェの良くない守備はさることながら、マドリーが自分たちの力でチャンスを多く作れたことが嬉しい前半。

■省エネとはいっても

こうした前半の後の後半は得てして省エネ運転となるもの。この試合でも例に漏れず後半は時間を進めるだけのものとなった。

ただ、あまりにも露骨にペースを落としていて、ベルナベウからはブーイング。70分に失点したこともあり、前半の出来から返って反感を買うような後半となった。

確かに無理をしなくても良い試合ではある。大量リードした後半も前半と同じ緊張感でプレーすることは難しいし、コンディション的にはそうする必要もないだろう。

だが、印象が良くないシーズンとなっている中で、せっかくベルナベウですっきりする内容と結果となる試合だったのだから、後半も得点して5点か6点くらいで終え、多少なりとも支持する声を増やせばよかったのではないだろうか。

コンディションという実利を得る代わりに、ベニテスのチームに対する後押しという今一番必要なものを得るチャンスを失ったような気がしてならない。

■今後の日程

ひとまずリーガで勝ち点3を取り、連敗は止めた。CLマルメ戦は消化試合となり、週末はビジャレアルとアウェイで対戦。

リーガはラージョ、レアル・ソシエダバレンシアと厳しい相手が続く。最終ラインの負傷者が帰ってきて、体制は良くなってくるだろう。この試合の前半の内容を維持できれば。