レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

なぜハメスは移籍を検討するべきか

ハメス・ロドリゲス移籍の噂が断続的に報じられている。

CL決勝で出番がなかったことの印象が強く、それ以前から起用が少ないジダンとの関係は悪かったとも推測されていて、代表戦絡みのニュースが減ってきたらこうした報道が増えそうな様子だ。

彼自身の意向としては、退団するつもりと報じるものもあれば、マドリーに残りたいと考えているのだと報じるところもある。考えを表明していないことから、あれこれ書かれている状況で、今のところは何もはっきりしたことはない。

この際、移籍を真剣に検討すべきだと私は考えている。

何より彼に合ったポジションがない。

来シーズンもジダン体制は継続されることとなり、4-3-3と4-4-2の併用は続くことになると思われる。ハメスはインテリオールか右サイドのウイングとして起用されるが、前者は守備に不安が大きく、また攻撃時に高い位置で決定的な仕事もしづらいし、後者ではサイドで窮屈なプレーをすることになってしまう。

生来のトップ下である彼は、高い位置の中央にいることでこそその能力を最大限に発揮する。そうでありながら、マドリーにはそのポジション自体がないのだから、彼の起用法が中途半端になってしまうのもやむを得ない。ルーカス・バスケスのようにサイドが本職のプレーヤーが台頭したのであればなおさらだ。

もちろん、彼がインテリオールでのプレーに耐え得る守備能力を備えたり、サイドでのプレーに順応していくという可能性もないわけではない。

だが、マドリディスタがいつまでそれを待っていられるかという問題もあるし、指導者が変わらない状況で、彼が急激な変化を遂げられるかというと、一般的にはなかなか難しいのではないかと考えてしまう。

例えば4-2-3-1のように、トップ下がある形でプレーさせてくれるクラブがあれば、彼にとってそこで存分に能力を生かす方が良いのではないか。

時折見せてくれた素晴らしいパスやシュートを思うと、それがいつでも出せる場に出してあげた方が彼も幸せだし、マドリーとしても「超高額な控えを置いている」という火種になり得る要素を取り除くことができて、チームを動かしやすくなる。

これはハメスの能力の高低の問題ではない。不幸にしてマドリーが彼に合うチームとならなかったということであり、そうであるならば、早めに清算した方がお互いのためになる。

思えば、攻守に八面六臂の活躍をしたディマリアの後の大きな移籍ということで、スタイルが違うにもかかわらず比較され、取り扱われることとなった。当初から、ハメスのマドリーでのキャリアは困難なものとなっていたのだ。

ピッチ上で彼をチームのために大いに使うことはできていないことは残念としか言いようがない。こうなってしまった以上、別の道を進むことがそれぞれ成功を収める近道になると思うのだが、8月末までに果たしてどういう結論が出されているだろうか。