レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

クロース負傷

悪いタイミングで悪いニュース。

クロースがレガネス戦後に右足の違和感を訴え、検査を受けたところ、右足第5中足骨基部の剥離骨折と診断されたと公式に発表された。

離脱期間は公式発表では触れられていないが、報道では手術回避しても最短で1か月程度とのこと。アトレティコ戦、バルセロナ戦が控えているが、出場は事実上不可能。マドリーは中盤の再編を迫られることとなった。

カゼミロ、モドリッチ離脱以降の中盤は彼なしでは成立し得なかった。マドリーの攻撃のほとんどは彼を経由する。特に右サイドへのボールは、セルヒオ・ラモスも欠いている状況では彼の独壇場。正確なパスを出せるクロースを失うことで、マドリーの組み立てはやり方を変える必要が出てきた。

また、守備的には難があるのは相変わらずとはいえ、カゼミロの次のピボーテは彼。インテリオールも攻撃的なプレーヤーが並び、守備を考えることが困難な状態の中、何とかピボーテで仕事を続けてくれていた。いかに守備的に問題があろうと、彼の次にあたるプレーヤーはいないという点を考えると、離脱は大きな痛手といわざるを得ない。

これらは一般的な見方。だが、何となく凝り固まりつつある現状を変える機会とも言える。

クロースを経由した右サイドへの展開は、相手には十分に知られている。知られていても、ぴたりと通す精度は素晴らしいという他ないが、その精度ゆえに、この形に頼りすぎているようにも思う。

ワンパターン化してきていて、格下のクラブでも5バックでスライドしやすくするなどして対応されてきているのも事実。同等以上の相手であれば、通常通りのやり方でスペースをすぐに潰されてしまうだろう。

そうなった時に、攻め筋やリズムに変化を付けられればいいのだが、今は負傷者も多く人手不足気味。とにもかくにもクロース、という風になってしまっていた。

クロースの離脱中、サイドへの展開は今までどおりとは行かなくなる分、他のやり方で攻撃を作ることができるようになれば、チームとしては変化を付けやすくなり、攻撃はずっとやりやすくなってくる。

幸い、モドリッチが復帰してきたので、彼とともにこれまでとは違う形を構築できれば面白い。

控えの面々にとっては願ってもないチャンスだ。モドリッチの復帰によって出場時間を減らしそうだったコバチッチ、イスコ、アセンシオ、ハメスといったプレーヤーたちは、少なくとも1か月は空いた枠を巡って競えるようになる。

クロースは不得手の守備面での貢献ができるプレーヤーが出てくれば、一気にチャンスをものにすることもできるかもしれない。その意味で、現状を変えるチャンスになり得る状況となったとも言える。

もちろん、クロースは重要なプレーヤー。できるだけ早く復帰してくれることを祈っている。

だが、彼を待つだけではチームは進歩しないし、重要なプレーヤーであるがゆえに彼に依存してしまう傾向を打ち破るには、こうしたタイミングしかない。

非常に辛い状況でも、希望はある。他のプレーヤーがクロースにはできないものをチームにもたらすチャンスと捉え、奮起を期待する。