レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CWC準決勝 vクラブ・アメリカ

しばらく休んでおりましたが、今日から再開します。また、よろしくお願いします。

さて、マドリーはCL優勝クラブの罰ゲームとも言われる大会、CWCで来日中。まずは準決勝でクラブ・アメリカと対戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ルーカス・バスケスベンゼマロナウド

72分:クロース→ハメス・ロドリゲス、80分:ベンゼマ→モラタ

セルヒオ・ラモスは間に合わず、センターバックはバランとナチョに。カゼミロとクロースが先発となった。

クラブ・アメリカの先発メンバー

GK:ムニョス

DF:ブルーノ・バルデスアギラール、アルバラード、ゴルツ、サムディオ

MF:サンブエサ、イバーラ;ウィリアム・ダ・シルバ

FW:ペラルタ、ロメロ

54分:アルバラード→ゲレーロ、62分:イバーラ→キンテーロ、70分:ロメロ→アロージョ

大会2試合目となるクラブ・アメリカ。メキシコでは憎まれ役のクラブだそう。

■アウェイの厳しさ

フットボールにおけるアウェイの厳しさは常識。味方がほとんどいないスタジアムの雰囲気はもとより、移動や慣れない地域の環境などもチームに大きく作用する。

ヨーロッパ内での移動でさえ大変だろうと思うことはあるのに、今回は遠く離れた日本までの移動ということで、その辛さは想像しがたい。

代表招集である程度慣れていることとはいえ、時差があり、生活習慣も異なる土地で寝起きして、良いパフォーマンスを出すのは難しいことがよく分かる。

だから、この試合で動きがないことはやむを得なかっただろうし、残念に思いこそすれ、それ以上に厳しい言い方はしたくない。最低限のコンディションを整え、怪我なく試合を終えられたことで良しとすべきだろうと思う。

内容としては、普段代表戦明けなどコンディションが整わない状態の時に見るような、ボールを持たされて攻めあぐねるものだった。モドリッチやクロースがボールを持った時に、前線が動いていないのでいい形でボールが入らず、良い形を作れなかった。

クラブ・アメリカは中央をしっかり閉じて待ち構えていた。やることがはっきりしていることと、既に1試合終えており、マドリーよりは日本の環境に慣れていたことで、マドリーに比べればよく動けていた印象。

ボールを持ってからも、蹴りだすことなく繋いでカウンターに結び付けていて、技術もしっかりしている印象を受けた。

コンディション面以外で残念だったのは、こうした速攻への対応。

攻撃がうまく行かず、クロース、モドリッチとともにカゼミロも高い位置に進出することがあり、中盤のバランスが崩れた状態でボールを奪われ、一気に運ばれることが特に前半目立った。

奪ってからのクラブ・アメリカのボールの運び方、技術は安定しており、ゴール前まで行けていた。最終ラインの前にカゼミロがいないと、どうしてもこうした形になりがちになるし、万が一良いシュートが飛べば、ということにもなる。

最低限の守備はしないと面倒になることは、このところの数試合で学んだはずなのだが、体調的な問題もあって締めることができない前半となった。

それでも先制したのはマドリー。

前半アディショナルタイムに入って、クロースのスルーパスベンゼマ。抜け出して出てきたキーパーの肩あたりに浮かすうまいシュートが決まった。

ここぞというところで股を抜いたクロースのパス、ベンゼマも体の角度を変えながらシュートコースを見定めて狙い通りのコースへ蹴り込む技術の高さが光った。

散々攻めあぐねながらワンプレーで1点という、いかにもな展開で前半を終えた。

クラブ・アメリカも落ちるが追加点は遠く

リードを得たマドリーは無理をする必要がなくなった。

一方、勝つためには出ざるを得なくなったクラブ・アメリカだが、彼らもまた長距離の遠征中。前半はマドリーのコンディションの悪さが目立っていたが、時間が経つにつれてクラブ・アメリカもペースが落ちていった。

前半は出て行けていたカウンターも、後半は回数が減り、自陣に逼塞する時間が長くなった。

パスコースが作れないので、前半のような繋ぎもできなくなって、マドリーはより高い位置で引っ掛けられるようになった。

2点を取られるような試合展開ではなかったので、マドリーがショートカウンターで仕留めて終わり、となるはずが、追加点をなかなか奪えない。ピッチの問題なのか疲労なのか、タッチの乱れが増え、最後のところを仕上げられなかった。

特にサイドでのミスが多く、本来であればより広いスペースを得られるはずが、自ら難しい状態に陥ってしまった。

疲れた時の交代策といっても、チーム全体が疲労している状況では運動量の増加には結びつきづらい。結局ジダンは70分過ぎまで引っ張ってクロースをハメスに、ベンゼマをモラタに替えるに留まった。

プレーぶりからは、1点では足りないという雰囲気が伝わってきて、リードしているにも拘らず高い位置からプレスをかけていた。その意欲自体は良かったし、日本で試合を見る者としては嬉しくもあった。だが、マドリーの試合運びの定石ではないし、疲れているならば無理をしないでほしい場面と試合だったから、複雑。

日本で良い試合をしてくれれば、それはありがたいことに違いない。しかし、それと引き換えにシーズン後半に向かう時期にコンディションを更に低下させてしまい、リーガ、CLを落とすようなことに繋がるのであれば、ここではうまくペースを保って、大きなタイトルを目指せる状態でいてくれた方が、ずっと望ましい。

最初に書いたように、CWCはCL優勝クラブに大きな負担を強いる大会で、どのクラブもCL連覇が成らない要因の1つにもなっている。マドリーは前回出場時、あまり移動がないモロッコ開催であったにも拘らず、年明け以降一気にリズムを崩し、タイトルを得られないままにシーズンを終えることになった。

もちろん、中東での親善試合もあったので、一概にCWCの影響と言えないのも確かなのだが、この時期に長距離の移動と連戦を強いられるダメージは、確実に蓄積する。「どうやり過ごすか」がシーズン全体を考えた時のポイントになる大会で、後半に運動量を割くことは妥当だったと言えるだろうか。

その答えは簡単に見えるものではないが、どうか悪い方に転がらないでほしい。良いプレーをして流れを維持する、という方向に進んでいってくれればと願っている。

終盤はクラブ・アメリカも完全に足が止まっていて、1点取れば、というような混乱は起こされずに済んだ。試合は後半アディショナルタイムロナウドが決めてようやく2-0。最後までもつれることは防いで、決着をつけた。

■最後に少しだけ

決勝は鹿島との対戦となる。前半の1つのプレーで得点し、余裕をもてたが、コンディションの悪いマドリーとすると、ずるずる時間を進められると辛い。力の差はあるといえども、早い時間でリードを得ないと大変な試合になることもあり得る。

来日から時間も経っているので、時差の影響なども少し解消され、この試合よりは良い状態になっていることに期待。

どんどん寒くなる時期なので、怪我のないようしっかり準備してタイトルを取ってほしい。