第1戦はベルナベウ。コパもこのあたりから難しくなってくる。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャ
DF:カルバハル、バラン、ナチョ、マルセロ
MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース
FW:ハメス・ロドリゲス、モラタ、アセンシオ
67分:アセンシオ→イスコ、79分:ハメス・ロドリゲス→ダニーロ、83分:モラタ→マリアーノ
ベンゼマはお休み。ハメスとアセンシオが両翼に入った。
■セビージャの先発メンバー
GK:リコ
MF:イボーラ、エンゾンジ;ビトーロ、ガンソ、ナスリ
FW:コレア
46分:ガンソ→サラビア、59分:イボーラ→クラネビッテル、82分:コレア→イェデル
リーガでは3位につけるセビージャ。サンパオリ監督の下、ここまで好成績できている。
■序盤から
低調ながら最後には勝つ、という試合を続けてきた12月のマドリー。先手を取られるも後半に帳尻を合わせて、無敗記録を何とか維持してきた。
こうした試合を続けていると、いつか追いつけない、勝ち越せない試合ができて、チームを取り巻く雰囲気が悪くなりそうだった。劇的な試合が多いと見る側は盛り上がり、実態以上の評価がされがちで、そこから転落し、メディアから一気に批判的な記事が出る、という流れは、これまでもなかったわけではなく、何となく想像がついてしまう。
この試合では、序盤からプレスの運動量があり、前半から自らのペースで試合を運ぶことが出来た。こうした勢いのある展開は年末にはなかったもので、非常に好感が持てた。
プレスから11分にハメスが先制ゴールを挙げ、スコアでも自信を持てる状況に。
カゼミロらしい速い寄せ、そこからハメスがシュートフェイントをかけながらコースを作り、得意の左足で速さがありながらも素晴らしいコースに狙い済ましたシュートを決めた。
先制してペースダウンしなかったのも年末頃にはなかった良いポイント。CWCで先制しつつその後ペースを握られていたことは記憶に新しい。相手に余裕を与えすぎると、いかに格下であっても危険なことは起こりうるということは、散々苦しめられて学んできたところ。
前半のうちに追加点を取って、試合の行方を決めてしまえたのは、最近の試合との大きな違いとなった。
もちろん、セビージャに全くチャンスを与えないというほどの試合だったわけではない。良い形は何度も作られており、大きなピンチは確かにあった。
だが、そこで実際に点を取られるか最後のところで何とか防ぐかは大きな違いとなる。守備を突破されても最後のところはやらせず得点を許さなかったという事実こそが重要と言うべきであろう。
まして、控え主体で連携を取ることがなかなか難しい構成。それでもスコアレスで試合を終えたことは今後の自信に繋がる。
3-0は完全に安全圏とはいえないまでも、かなり大きなリード。第2戦を多少楽な状態で迎えられるのも嬉しい。重要な試合が増えてくるシーズン後半に、少しでも余裕が持てる試合が増えるであろうことはアドバンテージになる。
■ハメス復活なるか
この試合では、2得点を挙げたハメスに特に触れておくべきだろう。
もともと出場機会が少ないところに、CWCでも出番がなく、優勝後の悪いタイミングで移籍を示唆する発言をしてしまったことから、立場が悪くなっていた。その後ジダンとも話し合いが持たれ、冬の移籍はなくなり、少なくとも今シーズンは残留することとなって迎えたこの試合。
BBCの控えの筆頭であるルーカス・バスケスが負傷離脱し、しばらくは続けて出場機会がありそうな1月の最初に、ベルナベウで強い印象を与えてくれた。運動量があり、攻守ともに良くプレーに関与。その中で2得点と数字に表れる結果も残した。
得点力があることはもともと分かってはいたが、運動量が少なく、守備参加が非常に不安定であることから、チームに組み込むことが難しい、というのがこれまでの彼の立場。ロナウドとともに守備参加しないプレーヤーがいるとバランスが取れない。ベイルでさえ最低限の守備はするようになって、そこそこ計算が立つプレーヤーになった現状で、守備をしないで存在感を出して立場を確立するのはほとんど不可能に近い。
生き残る道は、きちんとチームの中でプレーするしかないのだ。
この試合では、そうした方向でハメスがチームに貢献しうるということを証明した。しかも2得点を挙げ、ベルナベウの観衆を味方につけることに成功。これが続けられれば、チーム内の序列を上げていくこともできるだろう。
アタッキングサードで仕掛けられるはずのルーカス・バスケスが、良くも悪くも「走るプレーヤー」になっている今、走りつつ最後のところで違いを作れるプレーヤーは重要。ハメスはそういう役割を担う存在になり得る。
まだ1試合ではあるが、これが続いていくよう期待したい。
■最後に
無敗記録は継続。相手もセビージャで、コパ、控え主体と、記録が途切れるとしたらこういう試合かとも思ったが、ジダンは本当にうまくマネージメントしている。
ローテーションしつつこうした試合運びが出来れば、CL再開まで主力を温存したいこの時期をうまく乗り切ることができそうだ。
今日のリーガはベルナベウでグラナダと対戦。良い試合を続けていってほしい。