レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

セビージャ連戦、無敗記録はストップ。ジダンは独自の道へ?

セビージャとのサンチェス・ピスファンでの連戦は、コパ第2戦が3-3、リーガ第18節は1-2で終えた。マドリーはコパデルレイの準々決勝に進出したものの、リーガでの敗戦により公式戦の無敗記録は40でストップした。

セビージャはホームで然るべきレベルのプレーをした一方、マドリーはコパ第1戦のベルナベウで見せたようなプレーをすることができなかったから、妥当な結果だ。

同じ一敗でも、できることなら敗戦でも勝ちぬけられたコパで負けて、リーガでは勝ち点を落としたくなかったのが正直なところだが、やむを得まい。

無敗記録について言えば、途絶えたことは残念には違いないが、悪い内容の試合が続いた12月の時点で早晩この日が来ることを多くのマドリディスタは覚悟していただろうし、私もその1人なので、さほど深刻には捉えていない。

むしろ、セビージャのような実力があるクラブに力を発揮されて記録が終わったことは良かったとさえ思う。下位のクラブを相手に緩んだ試合をして負けるよりはよほどすっきりするからだ。セビージャとのアウェイゲームは、シーズンに何試合かある「負けるかもしれない」試合の1つであり、残念ではあるが納得できる敗戦だった。

マドリーにとって重要なのは、この一敗を引きずらないことだ。

優勝するとしてもシーズン3、4敗は許容範囲というくらいの意識でいないと、気の持ちようが難しい。記録の終わりで虚脱感を感じてしまうのは非常に危険だ。

この後の数試合でまた連勝できるかどうか、ジダンがそういうプレーをさせられるかどうかが今シーズンタイトルを獲得できるかどうかの大きな分かれ道になる。

ジダン独立の萌芽?

この2試合ではっきりしてきたことは、ジダンが先発メンバーを頻繁に変更しようとしているということだ。交代の決断はさほど早くない代わりに、先発メンバーの決定においては果断な印象を強く受ける。

もちろん負傷者やコンディションの問題もあるので、自由が利かないという事情もあるだろう。それでも、これほど無敗記録が注目されている中での、アウェイ連戦でメンバーも布陣もいじるというのは、並大抵の判断ではない。

「勝っているチームはいじるべきではない」という格言もある。結果を出している構成で行けるところまで行く、というのが一般的な考え方であり、勝てているチームに手を加えるのは勇気のいる選択だ。

ジダンが直接現場で指揮を見たアンチェロッティはこうしたタイプで、少数精鋭の中から更に信頼できる11人を選び、できるだけメンバー構成を変えずに何試合も戦おうという考え方でチームマネージメントをしていた。

アンチェロッティ譲りかと思われる交代の遅さもあって、ジダンの監督としての系譜は彼から繋がるもののように捉えていたが、勝っている時でも試合毎に先発メンバーを変えていく考え方は結びつかない。

ジダンは監督としての師であるアンチェロッティの影響下に未だありつつも、少しずつ独自のマネージメントの方法を確立しつつあるのではないだろうか。

チームが機能しなくなるリスクを負う代わりに、多くのプレーヤーが出場機会を得ることが出来るし、場合によってはうまく行っていないプレーヤーが新しいポジションで浮上のきっかけを掴むことになるかもしれない。

戦術家ではなく、現役時代の栄光も利用してのチームマネージメントが彼の長所であることは以前にも書いたが、このやり方はまさにそうしたジダンの強みを生かせる方法だ。

ジダンが徐々に監督として変化し、独自の方法を身につけようとしていることを感じた2試合となった。