レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第27節 vベティス

バルセロナが敗れたため、勝てば再び首位浮上となる試合。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;モドリッチ、イスコ

FW:ハメス・ロドリゲス、モラタ、ロナウド

69分:ハメス→ルーカス・バスケス、71分:モラタ→ベンゼマ、79分:イスコ→アセンシオ

イスコとハメスが先発に。

ベティスの先発メンバー

GK:アダン

DF:ピッチーニ、マンディ、ペッツェーラ、トスカ、ドゥルミシ

MF:ブラシャナツ、パルド;セバージョス

FW:ルベン・カストロ、サナブリア

64分:ルベン・カストロ→ペトロス、84分:マンディ→ラファ・ナバーロ、86分:ブラシャナツ→アレグリア

残留争いもありそうな位置のベティスホアキンはベンチ。

■モラタは苦しい

マドリーの攻撃はとにかくサイドへ。幅広く攻めている肯定的なイメージはなく、中央にボールが入らないので、両サイドに開くしかないといった状況。クロスに期待するしかない、単純で面白みに欠ける攻撃が延々と続いた。

これは、ベンゼマの不調、不在時によく見られる光景だ。

バイタルエリアでボールを受けられる怖さがディフェンスにないので、サイドに躊躇なく人を置いてスペースを消してくることになる。ゴール前にボールが届かないほどではなかったが、よりレベルの高い相手に対しては、サイド一辺倒で打開することは出来ない。

CLが終わり、少し主力を休ませた今節、ベンゼマがいないのでやむを得ない部分はある。

問題は、彼の不在自体というより、ベンゼマ不在で先発となったモラタが、この仕事を全くできていないということの方だ。

せっかく途中出場で得点を重ね、カンテラーノであることもあってマドリディスタがかなり好意的に見ているところなのに、先発するとチームの攻撃構築を助けられないプレーしかできないのは残念だ。

今のチームとして求められるのは、やはり中央で受けて回りを生かすポストプレー。この試合では出し手が多かったにも関わらず、中央で味方にボールを落とすようなプレーはなし。サイドに開いてしまってばかりだった。

サイドが飽和していたこういう試合でこそ、中央の難しい位置にはいって、リズムを作り、味方を生かすプレーをしてほしかった。

フォワードとしてはゴール前での得点力が強みで、最終ラインに張り付く形でラストパスを受けたいのはよく分かる。

だが、今のマドリーにおいては、ロナウド、ベイルとモラタよりも点が取れ、かつ実績、序列の面でも上のプレーヤーがいる。ゴール数だけで勝負するなら、彼らを追い落として、「最後はモラタに任せる」チームに作り直すメリットを感じさせなければならない。

そういう変化が良いか悪いかはともかく、今はモラタのチームに作り変えるタイミングではないし、仮にロナウドが去ってもベイルがいる以上、モラタがチームで最高のフィニッシャーになることは、少なくとももう数年はない。

であれば、ゴール数以外のところで、チームにメリットを与えられるプレーヤーにならないと、モラタがポジションを得ることは難しくなるといわざるを得ない。

モラタの状況は、イグアインを髣髴とさせる。

当初はもっと幅広い仕事が出来るようになりそうだったのに、徐々にゴール前でのプレーに特化していった経過に、似たものがあるように思われるのだ。

チームとしては周囲を生かせるフォワードが求めていることから、結局はベンゼマがマドリーに残り、イグアインナポリへと移籍することになったのだった。

モラタがこのまま仕事の幅を広げられなければ、ベンゼマはまたもポジション争いに勝つことになるだろう。

ベティスが先制も追いつく

マドリーのクロスが合う前にベティスがカウンターで先制。ポゼッションは30%台、パス本数も半分以下ながら、アウェイで理想的なゴールだった。

シュートは間違いなく止められたはずのコースだったが、ナバスがハンドリングミス。こういうプレーが年々増えているように感じられるのが辛い。

終盤は大きな守りもあったが、安定しないGKはディフェンス陣はじめ他のプレーヤーに不安を与える。多少のシュートを打たれても大丈夫と感じながら守るか、枠に飛ぶと不安だというイメージで守るかでは、プレーが変わってきてしまう。淡々と守ってくれるとありがたいのだが・・・今シーズンのナバスには最後までそれを求めることは出来なさそうだ。

マドリーは41分に同点。マルセロのクロスがロナウドにぴたりと合った。この形のために、この時間まで延々とクロスをあげていたわけで、報われたといえば報われた。

前半のうちに追いつけたのは幸い。やっぱり合ってしまったという感覚を相手に残して後半に臨めるし、前述の通りマドリーは中央の攻めを作れる様子が全くなかったので、クロスで何とかなる、何とかするという諦めがつけられることになった。

■交代策など

後半もサイドからのボールに終始するマドリーは、69分にハメスに替えてルーカス・バスケス

エイバル戦のような自由なプレーはできず、右サイドでほとんど固定されていた状況では、ハメスは辛い。が、アタッキングサードでの質の向上に寄与できないバスケスとの交代はジダンのミス。

どうせなら、モラタに替えてコバチッチやアセンシオを入れ、ハメスを右サイドから解放、技術の高いメンバーでロナウドにボールを届けることに特化する方が良かったのではないだろうか。

71分にはモラタをベンゼマに交代。早速下がって顔を出すプレーをしていて、モラタにはないものを見せていた。

81分に勝ち越しゴール。クロースのコーナーにラモスが頭で合わせた。セットプレーながら、これもサイドからのボールだった。

ラモスはこれでリーガ7得点目。

コーナーからのボールに対する入り込み方が非常に上手い。スタートは後ろの方なのに、マークを外すために少し弧を描いて落下地点に飛び込んでいく。クロースのボールも安定しており、セットプレーは相手にとっては大きな脅威だろう。

78分にピッチーニが2枚目のイエローで退場となっていたベティスだが、勝ち越しを許した後の反撃には勢いがあった。

マドリーは逆に3点目を決めるチャンスがありながら決めきれず。最後までもつれさせたことはもったいなかった。こういうところでダメ押しができないのが、今ひとつすっきりしない試合が続いている要因の1つだ。

「終わり良ければ全て良し」というようなゴールがあれば、すっきりして終われるところ。チャンスはあっただけに、もったいなかった。

最後は何とか凌いで2-1のまま試合終了。

1試合未消化ながら、首位の座を取り戻した。

■最後に

攻撃の質に問題はあるのは確か。だが、このチームはしぶとい。

チームを取り巻く雰囲気も悪くないので、ひどく士気が低下してレベルが下がることもなさそう。ドタバタしつつも、最低でも良いところまでは行けるのではないだろうか。

次節はアウェイでアスレティックと対戦。フィジカルな相手にこの試合同様のプレーでは厳しい。久しぶりに1週間の間隔が空くことも利用して、サイドだけでなく中央も使ったバランスの良い攻めを作っていってほしい。