レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL準々決勝第1戦 vバイエルン

アウェイでの第1戦。マドリーはペペを欠いており、バイエルンレバンドフスキフンメルスを欠く状況。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

59分:ベイル→アセンシオ、83分:ベンゼマ→ハメス、89分:モドリッチコバチッチ

先発にサプライズはなし。あとはお馴染みの面々がどれだけやれるか。

バイエルンの先発メンバー

GK:ノイアー

DF:ラーム、ハビ・マルティネス、ボアテング、アラバ

MF:ビダル、シャビ・アロンソチアゴ・アルカンタラ

FW:ロッベンミュラー、リベリ

64分:シャビ・アロンソ→ベルナト、66分:リベリ→ドウグラス・コスタ、81分:ミュラー→コマン

ノイアーが復帰。センターバックはハビ・マルティネス、9番の位置はミュラーとなった。

■ボールが出ない

マドリーのアリアンツでの成功例は、デシマのシーズンの準決勝での対戦。

しっかりブロックを作ることを徹底し、特にロッベンは2人で見て、得意のカットインをほとんどやらせず。セットプレーといい奪い方からのカウンターで得点を挙げ、決勝進出を決めたのだった。

今回も考え方としてはその時と同じ。

ベンゼマロナウド以外の8人で4-4のブロックを作る。ロッベンのところはマルセロともう1人で対応することを徹底。カバーに入るプレーヤーによってマークの受け渡しが異なるが、まずまずうまく対応できていた。

ベイルの守備参加は忠実で、かなり深い位置までも躊躇せず戻ってくれていた。右サイドはリベリとラームへの応対で、縦への突破を警戒するというより、このサイドでつながれてロッベンにスペースを与えられることを防ぐ必要があった。ここで数的不利になると、ディフェンスがずれていって逆サイドで苦しい対応を迫られることになるので、ベイルが淡々と戻ってくれた意義は大きかった。

問題はカウンターのきっかけをつかめなかったこと。

奪った後の展開が良くなく、バイエルンの守備に引っかかることがほとんど。このあたりは、シャビ・アロンソがいた頃とは様子が違う。カゼミロは最低限繋ぐパスは出せても、速攻のきっかけとなるパスは出せないし、モドリッチとクロースもこの点においてはぱっとしなかった。

ベイルの位置が深く、カウンターに出て行く人数が確保できず、選択肢が少なかったせいもあるが、こうした戦い方をするに当たっては、迫力が足りなかったといわざるを得ない。

マドリーのカウンターがあまり機能しないので、バイエルンは徐々に余裕を持って攻められるようになっていく。

アタッキングサードへ進出するプレーヤーが増えると、マドリーのパスは更に引っかかりやすくなって、陣地を回復することも困難になってしまう。こうなると盛り返すのは難しい。

ロッベンはある程度押さえ込んでおり、レバンドフスキがおらず中央の基点が弱かったこともあって、崩されたという場面こそ多くはなかったが、自分たちの時間を作れないと、アウェイでひたすら我慢ということになるので、破綻は時間の問題となる。

25分、バイエルンはコーナーにビダルが合わせて先制。

遠い位置から入ってくるところで、ナチョが当たり負け。シュートコースは甘かったが、ナバスの反応が及ばなかった。

攻めることは出来なくても、流れの中では何とか守っていただけに、こうした形での失点は残念。苦しい状況から脱せないまま失点を喫した。

リードを得たバイエルンは、奪われ方に気をつけつつ攻撃を続ける。

マドリーは追いかけるというより2点目を気にしなければならないような前半。盛り返す糸口が見えないままであった。

前半終了間際にはリベリのシュートをブロックしたカルバハルがハンドを取られペナルティ。胸に当たっており、判定そのものは誤り。ただ、ロッベンに比べ地味な役割に徹していたリベリに良い形でボールを持たれ、シュートチャンスを与えたのも確か。マドリーが出て行けないので、バイエルンが良いように攻撃を作っていた象徴的なところ。

だが、ビダルのペナルティは枠の遥か上へ。2点差となれば、瓦解しそうな状況だっただけに、救われた。

■いきなりの同点とカウンターの復活

マドリーは後半立ち上がりに同点に追いつく。

47分、カルバハルがフリーでボールを受けクロスを供給。ロナウドがうまく合わせてファーに蹴り込んだ。

カルバハルが非常に余裕のある位置でボールを受けられ、中をよく見てボールを蹴ることができた。ボールを切るように蹴ったクロスは低い弾道で伸びロナウドへぴたり。ナポリ戦でのアウトのクロスといい、いろいろなボールを蹴ることができるのが強み。

前半はバイエルンが楽々攻めていただが、いきなりのアウェイゴール。これでマドリーは落ち着き、バイエルンは改めて前半の流れを作る必要が出てきた。

交代は先にマドリー。スーパーなところはなかったが守備に奔走してくれたベイルをアセンシオと。ベイルは負傷していたようであったので、やむを得ない判断だったかもしれない。

が、ここでアセンシオが落ち着いたプレーを見せてくれた。サイドで受けてシンプルにボールを動かし、リズムを作った。

61分、ハビ・マルティネスが2枚目のイエローで退場。58分が1枚目で、僅か3、4分での退場劇となった。

この2枚目のカードが出た場面は、前を向いて速い攻めになりそうなところ。後半開始直後の場面でもアロンソモドリッチを後ろから抱えてイエローが出ていた。

前半よりも速攻になる状況を作れていたからこそのカードで、後半の変化が伺える。

バイエルンはイエローをもらっていたアロンソを下げてベルナトをいれ、最終ラインを再整備。センターバックの投入は定石としても、配球ができるアロンソを下げたのは判断の是非が分かれるところ。

バイエルンはカウンター要員としてロッベンを残して守る形を取ったが、以降良い形でボールが出ることはほとんどなくなり、マドリーが一方的に押し込む展開が続くこととなった。

前半、マドリーはボールを出す役割のプレーヤーがおらず苦境に陥った。後半は逆にバイエルンが同じように苦しい展開を迎えることに。守備の徹底とともに、そこからどう攻撃に繋げていくかがはっきりしないと、ただ守るだけになってしまうということが互いに示された。

マドリーはいつものようにサイドからのクロスでチャンスを伺う。良いボールが入っていたが、ノイアーも大当たり。どの場面でも準備しており、シュートに対ししっかりと反応していた。こういう安定感はケイラーにはない部分。

何度もノイアーに防がれていたところ、77分、ついに勝ち越しゴールが生まれる。

ラインの間で縦パスを受けたアセンシオが左足でクロス。速いボールがキーパーとディフェンダーの間に入り、ラームより先に反応していたロナウドが足裏で押し込み、ノイアーの股下を破った。

ロナウドはさすが。ここぞというところで2ゴールと格の違いを見せた。

そして、交代で入ったアセンシオも見事。ボールもさることながら、押し込んだ相手に対し、ラインの間でふらふらしておいて仕掛けるテクニシャンらしい動きが光った。シンプルに捌くところと、こういう位置で相手に怖さを与えるプレーの使い分けが良い。

リードとアウェイゴール2つを得たマドリーは更なる得点を狙うが、これ以上は許されず。

ただ、ドウグラス・コスタ、コマンといったスピードあるプレーヤーを投入してのバイエルンの抵抗は寄せ付けなかった。さすがに単独で縦に速いプレーヤーが来るくらいは複数で潰せる。後半はカゼミロが淡々と守備のタスクをこなし、攻撃の展開は周囲に任せることが出来たので、彼の印象が全く違うものとなった。

レバンドフスキがいれば受けて叩いてとやれたかもしれない。バイエルンは彼の不在が各所で響いた。

■第2戦へ

戦前のイメージからすると望外のアウェイゴールと勝利となった。

前半はマドリーが攻撃の形を作れずバイエルンが良い形を多く作っていたが、ここで1失点だったのは結果として大きかった。ペナルティが外れた幸運が後半に生かされることになったと言えるだろう。

攻撃がスピードアップする形、例えばベンゼマがハーフライン付近でポストに入るといったようなプレーが出てくると、攻撃する側もその後を機にしなければいけなくなるので、完全に前掛かりになることはできない。

そういう場面を見せられるかどうかで、試合全体の流れは随分と違ったものになる。

第2戦に向けては、ベイルが不在と思われるので、まずはこのポジションをどうするか。最近のバスケスだとちょっと不安。頭角を現しつつあるアセンシオか、右サイドはある程度スピードを捨て、ハメスの技術に期待することにしたい。

いずれにせよ、まずは守備。その上で速攻の雰囲気を見せられるような動きが必要だ。

バイエルンは2点取らなければならなくなった。レバンドフスキは復帰してくるだろうから、彼と両サイドの関係に注意したい。基本は無理なく対応し、焦れて乱れたところをついていきたい。