レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第38節 vマラガ

いよいよ最終節。長いリーガの戦いに決着がつく。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:ダニーロ、バラン、セルヒオ・ラモス

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース;イスコ

FW:ベンゼマロナウド

66分:イスコ→ハメス・ロドリゲス、カゼミロ→コバチッチ、73分:ベンゼマ→モラタ

このところイスコを中心にして良い攻撃が作れている形を継続。

■マラガの先発メンバー

GK:カメニ

DF:ミゲル・トーレス、ルイス・エルナンデス、ビジャヌエバ、リッカ

MF:アベル・レシオ、カマーチョ;ケコ、フォルナルス、ジョニー

FW:サンドロ・ラミレス

60分:ケコ→チョリ・カストロ、69分:サンドロ・ラミレス→シャルレス、72分:ジョニー→ドゥダ

引退を発表しているデミチェリスはベンチ。ドゥダも退団が決定している。

■カメニを超えて

2分、マドリーが開始早々に先制することに成功する。

クロースのロングパスがカットされたが、このボールの処理が悪く、ちょうどイスコのところへこぼれる。イスコは動き出していたロナウドへスルーパスロナウドは出てきたカメニをかわし、無人のゴールに蹴り込んだ。

マラガと言えばカメニで、特に強い相手との試合ではシュートを処理するごとに乗って、どこに蹴っても入らないような雰囲気が出てしまうことがある。

マドリーとしては同点でも良いとは言え、そうした展開になると雰囲気は悪くなるし、1つのミスから逆に先制を許すようなことになると慌しくなってしまう。カメニを調子に乗せずにいきたかったところで、早い時間に絶好のチャンスをもらい、決めきったのは大きかった。

これで試合としてはもちろん、優勝に向けてもかなり楽になれた。

マラガはミッドウィークのセルタほどの圧力がなく、マドリーの守備が慌てる場面は多くはなかった。セルタ戦同様、マドリーは4-3のブロックにイスコ、ダメならロナウドベンゼマが戻るという緩い組織で、サイドを変えられると間に合うかどうか、不安があったのは確かだが、そうした展開は使われず、互いにサイドを中心として淡々と攻め合うような時間が長く続いた。

いくつかあった良いシュートはナバスが処理。シーズン終盤に来て、怪しいプレーが減っているのが嬉しい。

先制しているマドリーにとっては好都合な試合展開。2点目は狙うものの、無理は必要ないので、下手な奪われ方をしないよう注意しつつボールを動かす。プレスもさほど強くなかったので、イスコやモドリッチが独力でキープするような場面も少なめ。シンプルにボールを動かして相手をいなし、大きくずれる時はサイドから攻めようかという姿勢で十分だった。

追加点はセットプレーから。55分、クロースのコーナーにセルヒオ・ラモスが合わせる。これはカメニがセーブするが、ボールがバランに当たりベンゼマの元へ。難なく決めて2-0とした。

今シーズンを象徴するようなコーナーからの得点。ラモスのところでゴールとはならなかったが完全にフリーで、そこに素晴らしい精度のボールが入ってきた。

先制点同様、カメニの能力でもどうしようもないゴール。こういう形をなかなか作れず、優勢でも苦労するのが普段のマラガ戦。こうしたチャンスが転がり込んでくるのが、今のチームの勢いなのだろう。

2点のリードで磐石となって、ジダンはイスコとカゼミロに替えてハメスとコバチッチ。

ハメスは最後の顔見世のような雰囲気もあるが、そうであっても、このところ出れば良いプレーをしていた彼に対する報い。

カゼミロはCL決勝、そして今後に向けて少し不安の残る交代。石橋を叩いて渡るなら、本来的には彼を残してクロースをコバチッチと替えるところ。2点を守りにいく交代をする場面で、守備的であるはずの彼が下げられたというのは興味深い。

このところ、プレーが後手に回って必要のない危険なプレーでカードをもらうことが目立つのが影響しているかもしれない。疲労による短期的な落ち込みなら良いが、そうでないとすれば、彼のところはオフに競争相手が入って来ておかしくない。ただでさえ、チーム全体のレベルからすると組み立てに不安を残しているなか、コバチッチが守備も頑張って攻撃の質も維持している現状では、カゼミロの立場も磐石ではなくなるだろう。先に目を向けるといろいろ考えてしまう交代策だった。

最後の交代は殊勲のゴールを挙げたベンゼマを下げモラタ。この辺はジダンの気遣いか。

マラガも最後の交代は退団が決まっているベテランのドゥダ。デミチェリスは出番がなかった。

終盤はマラガが頑張り、一矢報いようとする攻撃が続く。こういうところで、手も足も出ない雰囲気にならないのが良くも悪くもマドリー。1点は取れそう、何とかなりそうという気配を漂わせるディフェンスは、今シーズンお馴染み。

ただ、この試合では最後までやらせず。珍しく無失点の2-0で勝利し、33度目のリーガ制覇を決めた。

■全員の力で勝ち得た優勝

リーガでの優勝は5年ぶり。前回はモウリーニョ期のことなので、随分間が空いた印象だ。

年末頃の劇的な試合の連続、年明けの不調と、ここまではこのまま下がってしまうかと思っていたが、そこから盛り返した。CWCがあり、疲労から結果を出せずに終わってしまうことが多いシーズンにも拘らず、2月頃からチーム状態を立て直したジダンをはじめとするコーチ陣の仕事を高く評価したい。

シーズンが深まるにつれ、出れば活躍するプレーヤーが増えていったのは、マネージメントの成功の証に他ならない。

そう考えると、誰か1人2人の活躍を取り上げるのが難しいシーズンになった。

みなピッチに入れば、それぞれの持ち味を出してチームに貢献してくれたので、「今シーズンはこの人」という言い方はしづらい。ゴールを決め続けたロナウドが筆頭になるにせよ、彼以外のプレーヤーが霞むことはない。

陳腐な言い方としてではなく、本当にトップチームの全員の力によって勝ち取ったタイトルだという印象が強く残った。

チームはシベーレス広場に移動し、祝勝会。久々のリーガ制覇で、深夜にも拘らずたいそう賑やかな騒ぎとなった。

だが、最後に最も重要な試合が残っている。

CL連覇を果たし、シベーレス広場に2度目の凱旋してくれることを願ってやまない。