レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第4節 vトッテナム

ジローナ戦に続いての敗戦。現在の形が機能していないことを、リーガ、CLで明確に示される1週間となった。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:アクラフ、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;クロース、モドリッチ、イスコ

FW:ロナウドベンゼマ

 

74分:イスコ→アセンシオ、ベンゼマ→マジョラル、81分:モドリッチ→テオ

 

サイドバックにアクラフ、バラン、バジェホを欠くセンターバックにナチョが入った。

 

トッテナムの先発メンバー

GK:ロリス

DF:トリッピアー、フェルトンゲンアルデルワイレルト、サンチェス、デービス

MF:ダイアー、ウィンクス;エリクセン、デレ・アリ

FW:ケイン

 

24分:アルデルワイレルト→シソコ、66分:ウィンクス→デンベレ、79分:ケイン→ジョレンテ

 

トリッピアーとデービスはDF表記としたが、ウイングバックの位置で多く中盤に参加する位置取り。ケインの下にエリクセンとデレ・アリ。

 

■現状のやり方は破綻している

マドリーはジローナ戦と同じくイスコがトップ下の形。

ジローナ戦の記事で触れた問題が数日で見事に解決するはずもなく、そこそこ良い場面を作りつつも、シュートに至らない攻撃が続くことになった。

 

序盤は表面上互角の状態だったものの、27分にデレ・アリのゴールが決まり先制を許すと、トッテナムは余裕を持ってプレーできるようになり、マドリーの拙攻ぶりが如実に現れた。

ちなみに、先制点の場面はオフサイド。取ってもらえなかったこと自体は残念ではあるが、今の状態を考えると、遅かれ早かれやられていたようにも思え、私としては殊更強く主張する思いにはなれない。

 

当たり前のことだが、ゴールを決めるにはシュートしなければならないし、シュートに繋がらない攻撃は、守る側にとって怖さがない。

サイドからの放り込みばかりで単調と言われた昨シーズンの一時期でさえ、その「サイドからのクロスでエリア内で勝負する」という形があった。そういう報じられ方をするのは、点を取れるし勝てるが見ていて面白くないからで、まだシュートして点を取って勝てていた。その点、今はそれより低い段階で苦労している。

カルバハルを欠き、マルセロも本調子とはいえない状態なのは事実としても、中央は手詰まりで、サイド攻撃も完結しないのだから、仮に今万全の両サイドバックが揃っていたとしても、両サイドでスペースを享受することは出来ないと思われる。

 現在の「イスコシステム」は破綻していることを認めるべきだ。

 

■シュート数

参考までに、昨シーズンの同じタイミングの試合とシュート数を比べると、昨シーズンのリーガ第8節ベティス戦は22、CLグループステージ第3節レギア・ワルシャワ戦は19、リーガ第9節アスレティック戦は17、同10節アラベスは12、CLグループステージ第4節レギア・ワルシャワは19であったのに対し、今シーズンはリーガ第8節ヘタフェ戦は12、CLグループステージ第3節トッテナムは14、リーガ第9節エイバルは13、同10節ジローナ戦は12、CLグループステージ第4節トッテナム戦は12となっている。

対戦相手もその状況も違うことを承知の上で言うと、シュート数がかなり減っているのがわかる。

それだけアタッキングサードでシュートに至る形ができていないということを示しているといえるだろう。

 

シュート数で言えば数を打つのはロナウドだが、彼に関しても、肉体的な衰えもあろうが、昨シーズン全体で40ゴール以上挙げていたプレーヤーが、ここまでリーガ1ゴール、CL6ゴールというのは個人的な衰え以上のの要因を考えるべきだ。

つまり、彼にそれだけボールが届いていないということであり、シュート数にも得点数にも、チームとして攻撃の到達点があいまいになっていることが伺える。

 

■サイドを使える攻撃への回帰を

試合としては、先行されて、攻めに出たところをカウンターで更に2失点を喫する流れに。悪い流れを自覚しつつも、落ち着いた試合運びができない得点経過に追いやられるところが今のマドリー。悪いなりに処理することができていない。

 

では、どう改善すべきなのだろうか。

 

 私は、近年のマドリーの基本的な形、左サイドからクロースやセルヒオ・ラモスを介して右サイドに振ることで攻め手を作る構成に戻るべきだと考える。

そのためには、中央で時間をかけるのではなく両サイドの厚みをもたらす必要があるので、攻撃時は4-3-3の形を取って、イスコを使うなら3トップの一角で使う。出来れば左でマルセロと絡ませ、左サイドの狭いスペースでも崩される脅威を相手に与えたい。

そこから右に展開できれば、アクラフももう少しのびのびプレーできるだろう。

 

どこで攻撃がスピードアップして、どういう形でシュートしてゴールに繋げていくのかを考える必要がある中、サイド一辺倒などと言っている場合ではないのだ。

 

昨シーズンやそれ以前の形に回帰することになるので、そのこと自体を忌避する層もいるだろう。契約更新を経て、今後中心的なプレーヤーとして期待しているイスコを軸にしていきたいという考え方は分からないではない。

だが、否応なしにシーズンは進んでいく。その中で、彼がチームの攻撃を機能させられるように変化するのを待っていられるのだろうか。

 

加入から数シーズン、技術の高さはありつつも決定的な仕事はさほど多くないままである彼が、今シーズンのうちに大きく変貌することに期待しながらシーズンを進めてはいられない。

せめて勝ち点を落とさずにいるだけの結果が出ていればいいのだが、その計算が経っていない以上、変化のための時間的な余裕はない。

 

そうであれば、チームとしては慣れ親しんだやり方に戻して結果を取り戻していった上で、イスコやアセンシオといった今後を担うべきプレーヤーに少しずつ大きな役割を与えていってほしい。

ネイマールの移籍の余波もあって契約更新が相次ぎ、そこから世代交代とやり方の転換を図っていこうとするジダンの方針も理解はするが、それも結果があってこそ。

ずるずると勝ち点を落としてジダン自身が解任されるようなことになれば、その反動で主力依存の強いチーム運営がなされる可能性もある。そうなるとこれまで積み上げてきたものを手放すことになるから、それは避けたい。

 

最近のやり方を強く叩きのめされたのだから、改めて変化が必要だ。

 

■最後に

週末のラスパルマス戦では、最近の形から離れた先発メンバーや構成を見たい。そうでなければ、また手詰まりの展開が予想されることになる。

ローテーションの意味もあるので、がらりと雰囲気を変えてでも、やり方を考え直すきっかけとしたい。

 

CLグループステージは、ドルトムントがAPOELと引き分けたため、幸いにも2位はキープできそう。

突破は当然の義務なので、いくらなんでも2位は死守したい。

昨シーズンも2位突破で結果的に優勝したので、まずは突破し、ここから年末年始にかけてのリーガで、主に攻撃面の再構築を図っていってほしい。