レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第11節 vラスパルマス

連敗で迎えた中断前の試合。ベルナベウで流れを変える試合となるか。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:ナチョ、バジェホ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:アセンシオ、カゼミロ、クロース、イスコ

FW:ロナウドベンゼマ

 

68分:カゼミロ→マルコス・ジョレンテ、75分:ベンゼマ→ルーカス・バスケス、78分:クロース→セバージョス

 

戦前の報道通り、アセンシオが先発復帰。最前線ではなく、イスコとともに中盤を構成。

バジェホはマドリーでのリーガデビュー。

 

ラスパルマスの先発メンバー

GK:リソアイン

DF:ミシェウ、シモ・ナバーロ、レモス、ビガス、ダニ・カステジャーノ

MF:ハビ・カステジャーノ;アクイラーニビセンテ・ゴメス

FW:ビトロ、カジェリ

 

64分:ビセンテ・ゴメス→レミー、83分:アクイラーニ→エルナン

 

今のところ降格圏に沈んでいる状況。アウェイでは5試合で1勝4敗。

 

■マドリーの変更と改善

マドリーは3トップではなく、イスコ左、アセンシオ右の4-4-2。

アセンシオもイスコも前線サイドでの起用が望ましいが、併用しつつベンゼマロナウドも先発させるにはこの形しかなかった。

 

イスコがサイドに入ったことで、中盤の役割が整理された。

この数試合見られたように、彼がどこにでも顔を出して攻撃の全てを担うといったことにはならず、左サイドでマルセロと絡んで崩していくことになって、混乱は少なかった。

また、アセンシオも低めの位置ながら得意なサイドでプレー。彼はスペースを使いながら仕掛けていって、中に入れれば左足でシュートを狙い、切られたら縦へのプレーでナチョと連動していた。

 

もちろん、カゼミロ、クロースも時折高い位置に出てくることもあるし、イスコとアセンシオのポジションも完全に固定されていたわけではないので、ポジショニングの流動性がないわけではない。

それでも、誰が何をするのか分からず、とりあえずイスコが様々な局面に出て行って解決を図ろうとするも上手くいかないといったことや、中盤のリズムの悪さからアセンシオがゴールから遠い位置でプレーするようになるといった混乱がなくなったのは確か。

中盤の質はかなり改善されていたといえる。

 

■セットプレーで

ラスパルマスは5バック。

マドリーの両サイドの攻撃に対し、それぞれのサイドで1人が応対しても単純計算で4枚余らせられるし、サイドチェンジされた際のスライドもしやすい利点がある。

 

マドリーの攻撃が改善されたことで、サイドの攻防ではマドリーが優勢に立っていたが、そこからのクロスに対してはラスパルマスがメリットを生かして無難に処理。

序盤に決定的な場面はさほど多く作れなかった。

 

ラスパルマスの問題は前線で時間を作ることがほとんど出来なかったことと、押し下げられた時に中盤が最終ラインの近くまで下がりすぎること。

これらが原因で、良い形での速攻は作れず。攻めあぐねたマドリーの裏を突くようなことも考えられたはずだが、ただ攻撃を受け止めるだけに終始することになった。

逆に、ラスパルマスが出てこられないことを把握したマドリーは、クロスの後のセカンドボールをどんどん拾うようになって、時間の経過とともに攻撃の継続がしやすくなった。

 

流れの中では最後のところは処理されていたが、41分、コーナーキックがニアでクリアされなかったところ、ファーにカゼミロ。コースを狙ったヘディングが決まって先制に成功した。

久々のセットプレーからの得点。攻めつつも点が取れないとなると、内容の良さも意味をなさなくなってまた慌しい展開となる恐れもあった。こういう形で前半のうちに取りきれたのは大きい。

 

ラスパルマスは立て直せず、マドリーは攻撃継続

後半も前半同様の展開に。

ラスパルマスはハーフタイムで改善を図れず、頑張っていた守備が効果的な攻撃に繋がらない。結果としてさらに自陣に逼塞させられ、マドリーが延々と攻撃できることになった。

 

56分、フリーキックをクリアしたボールがエリアの外で待っていたアセンシオの元へ。左足のボレーシュートがゴール上隅に突き刺さるゴラッソ。

またもセットプレーからで、追加点を挙げた。

フリーキックのタイミングでオフサイドがあったが、半身程度で流された幸運もあったが、クロスに対しての守備に固まってしまったラスパルマスの守り方は前半から続いていたポイント。クリアが甘くなると当然こうなる。

ラスパルマスの悪い点をマドリーはしっかり生かして2点のリードを得ることになった。

 

ラスパルマスビセンテ・ゴメスに代えてレミー。単純な前線の入れ替えで流れを変えることを意図したが、そこにボールを届けられないことが問題なので、それだけではちょっと苦しい。

最近のマドリーの出来から言って、独力でも前線で勝負できれば事故が起きる可能性もなくはない。それでも確率の悪いやり方であることに変わりはなく、成果を得るには回数が必要だ。その点が変わってこないうちは、囲んで奪ってしまえる。

セットプレーになるだけでも面倒な雰囲気になるものだが、ビトロが何回か仕掛けて倒されていた場面に象徴されるように、軽く倒れただけではどちらのチームもファールを取ってもらえていなかった。

 

■3点差で勝負あり

点差以上に余裕のある試合運びが出来ていたマドリーは、カゼミロを休ませマルコス・ジョレンテを投入。

スペースが出来つつあった時間帯で、ジョレンテはこれまでの出場機会の中では目立つ部類のプレーができていた。彼もまだ本領を発揮しているとは言えない状況なので、良いきっかけになりそうな出番。

 

74分、ボールを奪って右サイドでアセンシオとロナウドのパス交換で突破。

中央はがら空きで、ロナウドのクロスに走りこんだイスコが落ち着いて合わせて3点目を決めた。

右サイドでの突破がすべて。ロナウドは良いボールを供給して、イスコのゴールをお膳立てした。

これで勝負あり。ゴールチャンスがありながら決めきれなかったベンゼマはルーカス・バスケスと交代。クロースも休ませることができた。

 

終盤は緩んで互いに攻め合う展開。奔放に攻撃参加するセルヒオ・ラモスとは裏腹に、最終ラインに留まって最後のところを何度も止めたバジェホは見事。リーガデビューで無失点に大きく貢献した。

ボールを持ってのパス出しも無難。守備時の読みが良く、良いところでつぶしてくれていた。コパでは残念な退場となったが、ベルナベウでのこのプレーで、今後に期待できそう。怪我にだけは気をつけてほしい。

 

■最後に

ロナウドはアシストはついたもののゴールはならず。非常に惜しいシュートが前半と後半にそれぞれあり、本人としては悔しいだろうが、出来としては十分。

シュートタッチが悪くないからこそ、惜しい場面を迎えられているのだし、エリア外から突っ掛けていってのシュートが出来ていることから見て、コンディションは問題ないものと思われる。

この試合のようにサイドを使って良いボールが供給できていれば、点は取れるだろう。これまでよりは深刻さは感じなかった。

 

チームとしての内容もほぼ理想的。

両サイドを使う攻撃陣と、それを下支えして大きな展開をする後方のプレーヤーが、それぞれ役割を果たした。

イスコとアセンシオがサイドで使われて過度な負担なくポジションに合った役割をこなせば、3トップか2トップかは形式上の問題でしかなくなる。

彼らを生かしつつ、これまでの主力も使っていくことにめどが立ちそうな、良い雰囲気を残して中断期間へ入ることが出来た。

 

次節は互いに苦しい序盤を過ごしている。アトレティコとのデルビー。

昨シーズンはこの対戦まで不調と言われたロナウドハットトリックを達成し、疑念を払拭した。

チームとしては今節得たきっかけを手放さず、更にエースのゴールが生まれれば素晴らしい。いつも難しい対戦となるが、良い試合となることを期待したい。