レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

BBCは終わりへ向かう

全体練習に復帰していたベイルが再び負傷した。今回は左足内転筋の挫傷と公式発表されており、離脱期間は1か月との報道。事実上ベイルの2017年中の復帰は見込めないこととなった。

www.realmadrid.com

 

 

MARCAによれば、今回がマドリー加入後24回目の負傷離脱とのこと。

試合中はもちろん、練習でも負傷は起こり得るもので、それ自体は不幸なこととしか言いようがない。

極度に不摂生をしているといったような原因があるならば別だが、彼についてそういう話も聞かないし(せいぜいゴルフに趣味の域を超えて熱中しているくらいか)、残念ながら故障しやすいプレーヤーだということなのだろう。

www.marca.com

 

 

 

それだけならば、実力はありつつも不幸にして負傷の多いプレーヤーとして認知されるはずが、チーム内で立場をある程度優遇されてきたことが、かえって彼にとっての強い逆風となっている。

 

アンチェロッティからベニテスへの監督交代は、ベイルの中央での起用を前提としたためのものだと考えられているし、その試みが失敗してジダンが監督となってからも、なお期待をかけられ、復帰すれば先発起用が待っていたということだけを考えても、これまでの彼の序列は推し量れるだろう。

もちろん、こうした取り扱いに商業的な要素がなかったわけではないだろうが、「ロナウド後」を見据えた時に、ベイルがその後継たるべきというスポーツ面での期待もあっての起用法、序列であった。

それにもかかわらず、負傷離脱を繰り返し、ほとんどいつも戦力として計算できないことで、「貢献していないのに優遇だけされているプレーヤー」という印象になってしまっている。

世代交代していくはずだったロナウドが、32歳にしてなお大きな負傷もなく、重要な貢献をし続けており、マドリディスタからもそのように認められているのとは対照的だ。

 

彼が負傷で何も出来ずにいる間も、両翼の戦力は維持されている。アセンシオがその筆頭で、イスコも前線のサイドで起用したいプレーヤーになった。

今シーズンここまではチーム全体の不調で最高の出来とは言えないが、スペースを消されると中央でクロスを待つしかないベイルに比べると仕事の幅は広く、相手の守りに合わせて柔軟に対応できる。

昨シーズンであれば、復帰してくればまだ先発の目もあっただろうが、現状で復帰してきて、アセンシオとイスコをすぐさま押しのけるべきとは誰も考えないだろう。

何より彼らはベイルよりも若く、今後への期待感という点でも明らかに上回っている。

世代交代を進めていく側だったはずのベイルが、世代交代で押し出される立場になっているのだ。

 

 

もはやBBCは終わりへ向かっているとはっきりしている。

ベイル加入当初の目論見とは違い、Cではなく、Bが1つ抜けることによって、三枚看板の時代は過去のものになっていくだろう。

CLに出場していることもあって冬の移籍は考えられず、今シーズンは復帰に期待をかけながら待つことになるだろうが、シーズン終盤の大事な時期にいないようなことになれば、来年の夏を過ぎて彼がマドリーにいることは確実にない。

明らかにフロントは彼を擁護しきれなくなっているし、そこまでして彼を待つ戦力的な理由も薄れつつあるからだ。

 

もちろん、デシマを勝ち取ったヘディングが忘れられることはない。

私は当初から彼は不要と考えていたので、それだけでもマドリーが彼を獲得した価値はあったと思う。

そこから、私のような者の予想を覆すキャリアを歩んでくれれば良かったのだが。