レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第13節 vマラガ

少しずつ良い流れを取り戻していきたい時期のベルナベウでのゲーム。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:カルバハル、バジェホ、バラン、マルセロ

MF:ルーカス・バスケス、カゼミロ、クロース、イスコ

FW:ベンゼマロナウド

 

62分:イスコ→モドリッチ、81分:クロース→テオ、89分:ベンゼマ→マジョラル

 

バスケスが右サイドで先発。ケイラー・ナバスが招集されたが、今節はカシージャが引き続きゴールを守ることに。

 

■マラガの先発メンバー

GK:ロベルト

DF:ロサレス、ルイス・エルナンデス、ディエゴ・ゴンサレス、フアン・カルロス

MF:レシオ、アドリアンゴンサレス;ケコ、ゴンサロ・カストロ

FW:ロラン、ペニャランダ

 

36分:フアン・カルロス→ベス、61分:ペニャランダ→ボルハ・バストン、66分:ケコ→フアンピ

 

アウェイでノーゴール、勝ち点も0のマラガ。厳しいシーズンを送っている。

 

サイドバックの復調、イスコはまだまだ

イスコは左サイド表記としたが、モドリッチがベンチスタートでカゼミロとクロースが中央の組み合わせであるため、左サイドを中心としつつ動く範囲はかなり自由だった。

右サイドにルーカス・バスケスがいて、4-3-1-2とは違うが、これはしばらくうまくいっていない「イスコシステム」に類する形である。

 

この試合ではこれまでの例より攻撃の形はできていた。それは両サイドバックの復調によるところが大きい。

 カルバハルは病気による離脱期間を感じさせない運動量を見せてくれ、クロスの種類と質も見事。マルセロも序盤の停滞を脱し、本来のパフォーマンスに戻りつつある。

彼らの働きによって両サイドがある程度計算できるようになり、これまでやってきた形(低い位置から両サイドを使う展開、左での崩し、クロースの右へのサイドチェンジなど)が使えるようになってきた。

これだけでかなり良いところまで行けるのがすごいし、先制点もクロスにロナウドが合わせ、バーに当たってこぼれたところをベンゼマが押し込む形で生まれた。

サイドからのクロスばかりと言われつつも、それでしぶとく結果を出してきた昨シーズンの良い時の雰囲気に少し戻った印象だった。

 

この時、イスコがサイドで役割に徹すればマルセロとの関係で仕事が出来るという点は、以前から書いてきた。

では、かれが中央に出て行った時の攻撃はどうかというと、ここが相変わらずぱっとしない。

マラガは中央をレシオとアドリアンゴンサレスの2人で見ていて、カゼミロ、クロースの顔出しやベンゼマの参加により中央でズレを作れるかと思われたが、人の出入りがある割にボールがラインの間に入っていかず、崩しにかかるのに時間を要する。

技術は素晴らしく非の打ち所がないが、ブロックの外でボールを行ったり来たりさせても効果的にはならないから、それ以上の評価をしづらいというのが率直なところで、これで中央突破を狙うのは難しい。

 

返って中央のバランスを崩して、マドリーの方が4-4の間を空けがちになるという本末転倒な状況に。このポイントをつかれ、後半に2点目を決められることになるのだった。

 

■どうなるルーカス・バスケス

サイドがサイドバックのプレーで活性化していた中、ブレーキをかけることになってしまったのがルーカス・バスケス

今シーズンはずっとそうだが、ボールを持った時の期待感がない。それは外で見ているる側だけでなく、ピッチ上でも同じで、相手を外して良いボールが入ってくるという予測の元に中央のプレーヤーが動いていない。プレーがどうなるか様子を見てから動き出すので、当然スタートでディフェンスを出し抜けないことになる。

 

実際のところ、この試合で彼から良いボールが供給されたことは一度もなかったのだから、そうなるのもやむを得ないだろう。それ以前に相手に引っ掛けられることもしばしばで、マラガがマドリーの右サイドで警戒するのはカルバハルだけで良くなっていた。

 

一度ならず書いているように、彼の長所は運動量とともにアタッキングサードで仕掛けられるところだったはず。

それが今や運動量だけが残り、ボールを持ってのプレーには何のメリットもない。

ただ走れるだけではマドリーで長い時間プレーすることはできない。ディマリアも技術の高さがあったからこそ、その走力が生かされたのだ。バスケスはどうなっていくのだろうか。

 

中央に絞ることを好まず、サイドの上下動で走れるのは彼しかいないから、今後も出場機会はあるだろう。現状では守備固め相当にしかならないが、出場する中でどこかで変化があれば。

それがないなら、リードした展開の80分からくらいしか使いようがない。先発出場で、課題が露わになった。

 

■理解に苦しむ主審の判断でマドリーは救われる

18分、低い位置での下らないミスでロランに同点ゴールを許すも、21分にカゼミロがコーナーをヘッドで合わせ勝ち越し。

セットプレーのゴールは久々。すぐの勝ち越しで流れは良く、大量得点となるかとも思ったが、その後はまた序盤と同じ展開に。

 

前半の最後のところで、マラガのフリーキックからベスが決めたが、その前にホイッスル。蹴った直後に前半が終わったという判断のようだった。

コーナーの前に笛を吹いてしまうこともあるし、ルール上は問題ない。だが、フリーキックを蹴ることを認めたのだったら、そのワンプレーはプレーさせて良かったのではないだろうか。

すぐにチャンスに結びつかないゴールキックとは違い、今回の場合はマラガがゴール前に放り込む形をとっていたから、ゴールが生まれ得る場面。

実際ゴールになっていたので、紛糾するのは当然だ。残り時間僅かですぐに終わらせると考えていたなら、ファールでプレーが止まったところで前半を終える判断をした方が良かった。

 

率直に言って、不審を招く判断だった。

 

■マラガ、同点

同点ゴールを取り消されたマラガだが、後半に折れることはなかった。

先述の通り、マドリーの中央が流動的になってスペースが出来ていたところを使って攻撃を作っていく。

下位に沈んでいるとはいえ、繋ぐところの技術の高さはリーガならでは。放り込むわけではなく、縦にボールを運んでアタッキングサードへ進出していけていた。

 

58分、ゴンサロ・カストロがラインの間で完全にフリーに。余裕を持って振り抜いたシュートが枠を捉え、2-2の同点。

良いシュートだったが明らかに守備範囲内のコース。ここまで無難にケイラー・ナバスの代役を務めてきてくれたカシージャは、ベルナベウで大きなミスをしてしまった。

 

追いついたマラガはペニャランダをボルハ・バストン、ケコをフアンピと、高い位置のプレーヤーの交代で勢いの持続を図る。

ペニャランダはカードをもらっていて、この主審なら2枚目もあるかもしれないという判断だったか。

 

■マドリーの変化

マドリーはイスコをモドリッチと交代。

中央のバランス調整を意図してのものだと考えられる。お馴染みの3枚が揃ってそれぞれの役割を明確にすることができる。

運ぶのはモドリッチに任せ、押し上げたらクロースは少し低い位置で待つように。過度な流動性を抑えて、よりこれまでの形に近くなった。

 

74分、マドリーは右サイドからの形。ルーカス・バスケスのマイナスへのパスは、意図としてはマドリーの得意な形で、ゴール前に入っていくベンゼマロナウドに最終ラインを下げさせ、その下がったところに後方からプレーヤーが入っていくもの。

理想はダイレクトのシュート。だが、バスケスのパスが弱く、走りこむモドリッチのやや後方に入り、シュートはできない。

そこからディフェンスのタイミングをずらして前に持ち出すプレーに切り替えたモドリッチの判断とボールの押し出し方が見事。足だけを出さざるを得なかった。

 

ペナルティキックロナウド。得意の左へのコースへ蹴り込んだが、スピードはともかくコースは甘めで、再三の好セーブを見せていたロベルトがここでもセーブに成功。だが、弾いた場所が目の前で、そのままロナウドが押し込んだ。九死に一生を得たマドリーとロナウド。悪い気を払うようなパフォーマンスが彼の心境を物語っていた。

 

最後はテオ、マジョラルと短い時間で投入。追加点はならなかったが、このまま試合を締めて3-2で勝利した。

 

■最後に

ミッドウィークでの感触はどこへやら、またもリーガで難しいゲームとしてしまった。なかなかイスコを従前の戦術に組み込めないでいる。もうしばらく彼とチームにとっての試練は続くだろう。

 

救いは両サイドバック。攻撃を支えているのは間違いなく彼らだ。テオやアクラフにとっては高いハードルであると同時に良い見本でもある。

カルバハルとマルセロがこのまま順調にコンディションを上げていけば、取りこぼしは減るだろうし、イスコやアセンシオを取り入れる時間を作ることも出来るだろう。

病気や負傷などなく、パフォーマンスを高めていってほしい。

 

形はともかくベンゼマロナウドにゴールが続けて生まれたのも大事。彼ら自身納得の行くゴールでないだろうが、ゴールはゴール。決めていけば状況は変わっていくものだ。

 

今週はミッドウィークにコパの第2戦。週末は難敵アスレティックとアウェイで対戦する。