レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第20節 vデポルティーボ

久々に気楽に見られる試合になった。リーガも折り返し地点を過ぎたが、変化のきっかけとなるか。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、マジョラル、ロナウド

 

64分:マジョラル→ベンゼマ、76分:モドリッチコバチッチ、82分:ベイル→ルーカス・バスケス

 

中央をマジョラルにした4-3-3。ベイルが本格的に復帰してきたこともあってか、久しぶりに両翼がいる形となった。

 

デポルティーボの先発メンバー

GK:ルベン・マルティネス

DF:フアンフラン、オネ、シェアー、ルイジーニョ

MF:ギジェルミ;ボルヘス、モスケラ

FW:ルーカス・ペレス、アンドネ、アドリアン

 

48分:モスケラ→エシュポジト、54分:ボルヘスエムレ・チョラク、79分:アンドネ→カルレス・ヒル

 

残留争いに加わってしまっているデポルティーボ。形はマドリー同様。

 

■4-3-3による改善点

マドリーはしばらく主たる形としていた4-3-1-2から変更。4-3-3で、中央を若いマジョラルとした。

これはBBCが毎週並んでいた頃の形で、メンバーもセンターバックとマジョラル以外お馴染み。やり慣れた構成に戻ったものと言える。

この試合では、かつての慣れた形だったということ以上に、最近の試合との差が色濃くでることとなった。

 

4-3-1-2では、サイドのスペースを使うのがサイドバックしかおらず、カルバハルとマルセロが文字通りサイドのプレー全てを担当することになっていた。相手は通常サイドに2枚いるので、常に1対2になり得る。

攻撃では、フリーに動くイスコがボールサイドに寄ることで2対2となっていたが、これで同数。数的優位に立つにはモドリッチやクロースの参加が必要で、そうなると陣形は大きく崩れる。

また、サイドで仕掛けるタイミングも、サイドバックが上がり、イスコが寄ってきてようやくスタートとなるから、時間がかかる。当然相手もセットして守るので、より難易度は増すことになっていた。

そこで奪われ、歪になっていた陣形を突かれカウンターで失点、というのが良く見られた光景だ。

 

一方、4-3-3では、サイドの高い位置にベイル、ロナウドがいる。

速いタイミングで彼らにボールを当てればサイドバックと勝負することもできるし、無理な仕掛けをせずともカルバハルとマルセロが絡めば2対2となる。

サイドで勝負したいマドリーとしては、陣形を崩さずに2対2となれるこの形の方がやりやすい。ここにモドリッチやクロースが顔を出すと、その応対を迫ることも出来る。

 

サイドの攻略のために難しい変形を余儀なくされていた形から、逆に相手に守備ブロックの修正を強いる形へ変化したことで、サイドを中心とした攻撃がスムーズに、可能性のあるものになった。

中央でマジョラルが潰れる仕事を頑張っていて、ここでタメを作ってクロースからサイドへ、という流れを久しぶりに見ることができた。

 

■先制されるも

それでも先制を許すあたりは、今シーズンのマドリーらしい試合展開。

何度か良い場面を作っていたマドリーに対し、デポルティーボにはチャンスらしいチャンスは1つも与えていなかったのに、23分、マドリー右サイドのスローインから簡単にルーカス・ペレスに裏を取られ、ナバスの届かない位置に低い良いクロス。逆サイドはマルセロが一歩出遅れ、アドリアンに決められた。

 

いくら良い流れでも、ここ最近の出来を考えると、先に失点したことでベルナベウは不穏な雰囲気に。

それに飲まれず、試合全体としての優位性を生かして前半のうちに逆転できたのも、最近の試合との大きな違いとなった。

 

32分、コーナーキックの流れからマルセロがフリーとなって左サイドでボールを受け、最後はナチョ。

ゴール前の密度が濃い状態で、マイナスにパスを出すのは、昨シーズン何度も見られた得意の形。ナチョが良いタイミングでスペースに入り込み、落ち着いてコースを狙ったシュートを決めた。

 

更に42分、左サイドからのマルセロのクロスは流れるが、右サイドで受けたベイルが、左足で巻くシュート。これがポストに当たる素晴らしいコースに決まった。

これまでの形ならこのベイルのポジションに人はいなかった。その意味では、変更の賜物と言えるゴール。

 

右サイドでは苦しいプレーが多いベイルではあるが、左足で蹴り込むタイミングを一瞬得ることが出来た。

縦に抜けて右足でのクロスも積極的に狙っており、その質もそこそこだったので、この試合での右サイドでのプレーは好印象だった。これを続けていってもらいたい。

 

■何でも成功、ロナウドもようやく

デポルティーボは48分、54分と立て続けに交代。中盤の変更で修正を図った。

考え方としては自然で、マドリーが間延びしたり、これまでのように中盤の形を乱すようなことがあれば、そこを糸口にしていく可能性はできる。

 

ただ、この日はマドリーの良さが上回った。

58分、クロースのコーナーをベイルが頭で合わせ3-1。コーナーもなかなか良いボールが入らず、サイド攻撃の延長のように扱って速いタイミングのショートを多用するなどしていたところだが、久しぶりに普通にクロスをあげて頭で決めることができた。

 

68分には右サイドの崩しから、ロナウドがうまく相手をひきつけ、モドリッチが中央でフリーに。正確にポストすぐ横を射抜くミドルシュートが決まって4-1とし試合を決めた。モドリッチはこれが今シーズンリーガ初ゴール。

 

こうなると、この試合でもここまでシュートチャンスはありつつゴールがなかったロナウドがどうか、となるところ。

78分、ルーカス・バスケスが(珍しく)良いクロスを供給、ファーサイドでフリーになっていたロナウドが左足で合わせ、ようやくゴール。ダメ押しのゴールでも、今の彼にとっては重要な結果だ。

更に84分、再びルーカス・バスケスのクロスに今度は頭。ディフェンダーのスパイクを顔に受けながらもボールはきっちり枠へ。気迫の2点目を挙げて、治療のためピッチを離れた。

 

フリーになったり、相手に先んじたりする動き出しはさすが。時間帯としてはデポルティーボがかなり落ちたところではあったが、サイド攻撃が改善した恩恵もあっての2ゴール。これで余計な力が抜けてシュートのフィーリングが戻ってくれれば。

 

88分にはまたもコーナーからナチョ。ファーサイドでフリーになり、トラップからターンしてのシュートが決まり、ベイル、ロナウドに続いてのドブレーテ。

最終ラインの全てのポジションに対応し高いレベルで不在の穴を埋めてきてくれた彼に目に見える形で大きな勲章がついた。

 決定的なシュートもあって、素晴らしい活躍。大きなナチョコールがあったことは何とも嬉しい。この試合のみならずこれまでの貢献を称えるものだったのだろう。

 

最終的に7-1のフィエスタ。

2点差以上の勝利は今月7日のコパ、ヌマンシア戦(3-0)以来。リーガでは昨年12月9日の第15節、セビージャ戦(5-0)以来と、本当に久しぶり。

形の変更、個々のプレーのレベルと、復調のきっかけになりそうな試合となった。

 

■最後に

ベイル、ロナウドが良いプレーをし、得点という目に見える形でも成果を挙げたことは重要。

主な得点源と想定される彼らが取るか取らないかの違いは大きい。それぞれ2得点で良い流れを取り戻してほしい。

 

64分にはベンゼマが復帰、今シーズン初めてBBCが並ぶことになった。ゴールこそなかったものの、頑張りを見せたマジョラルには拍手、ベンゼマにはブーイングと対照的ではあった。

それでも、ロナウドやベイルと良い関係ができる強みはある。彼らの決定力が戻ってきた時に、ベンゼマの良さが生きる可能性は十分にあるので、再び離脱とならないよう、コンディションが上がってくればと思う。

 

ミッドウィークのコパを挟み、次節はバレンシア戦。

上位との差を詰めるため、何よりCLに向けての良い流れを切らないためにも、難しい相手ではあるが結果がほしい。

 

これまで、形を変えて上手くいった試合があっても、次の週末には4-3-1-2に頑なに戻してきたジダンだが、今週末はどのような選択をするだろうか。