レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第21節 vバレンシア

大変遅ればせながら、バレンシア戦を振り返る。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

 

69分:ベイル→ルーカス・バスケス、78分:ベンゼマ→アセンシオ、88分:モドリッチコバチッチ

 

BBCが揃うのは昨年4月振りとのこと。

 

バレンシアの先発メンバー

GK:ネト

DF:モントーヤ、コクラン、ガライ、ラト

MF:コンドグビア、パレホ;ゲデス、ガヤ

FW:ミナ、ロドリゴ

 

46分:ゲデス→カルロス・ソレール、75分:ロドリゴ→ザザ、77分:ラト→アンドレアス・ペレイラ

 

3位のバレンシア。CL圏内は維持できるか。

 

■4-3-3でサイドをしっかり

マドリーは前節に引き続き4-3-3。バレンシアの4-4-2に対し、サイドに2枚同士で相対する形。

前節同様、サイド攻撃に無理はなく、ロナウドやベイルが高い位置で受けてサイドバックが上がりサポートに入るところからスタートできていた。

 

BBCが揃ったことで、どうしても前線の個の能力に期待してしまうが、その点においてはスーパーなところはなし。

ベンゼマはポストからのプレー判断がイマイチで、起点になることが少なかった。エリア付近で良い受け方ができたことは数えるほどで、コンディション的にも不安が残った。

ベイルも無難な内容。良い仕掛けはあったが、決定機の絡みはなかった。復帰初戦のように右足を使う意識が持続すれば、ディフェンスも対応が難しくなるのだろうが、調子が悪くないがゆえに利き足で勝負したくなるというところもあるのだろう。

 

ただ、ベンゼマやベイルがこうしたほとんど目立たない内容であっても、サイドを中心として優位性を保つことが出来たのは、サイドに2枚いて、サイドバックとの関係性でボールを動かすことが出来ていたから。

前線が並の出来でも、ディフェンスを1枚以上釣ってくれれば、組み立てと崩しで中心となれるカルバハルとマルセロに時間が出来る。

今シーズンこれまでサイドバック1人でいた頃とは違い、サイドで余裕があった。

 

ここにクロースやモドリッチが顔を出していくことになるので、課題は守備への切り替えとポジショニングだろう。

中盤の流動性は、今シーズンより前から長い時間をかけて高まってきている。クロースが高い位置へ運ぶドリブルが効果を発揮するなど、成果もあるが、そのまま受け入れていくのは難しい。

彼らが出て行った形の時に、きちんと近いプレーヤーが遅らせられるか、速やかに守備ブロックを作るために帰れるかがはっきりしていないからだ。

この試合においては、ベイルも含め帰陣が割と速かったので大きな問題とはならなかったが、バランスを取りながら出て行かないと、奪われた後が怖い。

 

また、カゼミロは原点に戻って低い位置を維持してもらわなければならない。

彼までも出て行くと中盤のバランスを保つことはできない。底に留まって最低限の枚数を残しておかないと、インテリオールの上下動がしづらくなってしまう。

トップチーム加入当初のように、低い位置で速攻をつぶす役割と、攻撃が詰まった時のボールをシンプルに捌く役割を淡々とこなしてもらった方がありがたい。

 

■リードののち、凌いだことの意味

16分、38分と前半のうちに2つのペナルティ。

16分のバレンシアのコーナーからのカウンターは圧巻。流れの中でシュートには至らずファールを受けることになったが、久しぶりにゴールに繋がるカウンター。

それぞれロナウドが落ち着いて決めて、前半のうちに2点のリードとなった。

 

前半の終わり頃からバレンシアが巻き返す流れに。

マドリーはリードを得ているものの、守備が素晴らしいとは言いがたく、バレンシアにも決定機が何度もあった。

ロドリゴとミナが動き回って、スペースにコンドグビアが出てくるのが応対しづらい。バレンシアのプレーヤーがバイタルで勝負できる状況はずっと続いていた。

58分、何とか凌いでいた守備が決壊。コーナーからミナがナチョのマークを振り切って決め、1点差となった。

 

メスタージャの後押しを受けて、同点ではなく逆転を目指すような勢いのバレンシア

今シーズンのマドリーであれば、ここから一気に畳み掛けられてもおかしくない状態となった。

 

このあとの時間帯をとにもかくにも乗り切ったのは、今シーズンの雰囲気を変えそうな出来事。

確かに、ナバスのセーブなど、紙一重の場面はあった。1点差になって落ち着いて試合を運ぶ選択をし、それを実現したわけではない。

それでも、そこでゴールを決められてしまうことと、形はどうあれリードを守って時間を進めることの差はとてつもなく大きい。

ものにしなければならない試合で、ちょっとしたツキがあるかどうかが勝敗を分けることはある。昨シーズンそういう運を引き寄せてきた反面、今シーズンは悉く手放すような選択をしてきたマドリーにとって、アウェイの猛攻を乗り切れたという事実は、CLに向けて自信を取り戻す材料になるだろう。

 

しかも、ここから突き放す得点を取れたのだから、難しいアウェイでの試合としては言うことはない。

84分にマルセロがアセンシオとのパス交換でディフェンス4人をかわしゴール。89分には左サイドから中央への展開で、コバチッチの落としをクロースが素晴らしい精度のシュートを決めた。

ここで、サイドから攻撃を始めることが出来ている点、マルセロがアセンシオとの関係を使って出て行ける点が、これまでとの大きな違い。

 

■CLに向けて

CL出場権の確保という意味で大きな勝利。

また、上位陣とのアウェイでの対戦でしっかりやれたという点は、今後の建て直しのために重要な意味を持つことになるかもしれない。

 

サイドの優位を保ち、サイドバックに自由なプレーをさせるためには、ウイングがいるこの形が合っている。

この形を継続していくなら、単独でも相手の脅威となれるベイルが復帰してきたタイミングは何とも絶妙。負傷の再発さえなければ、この試合のように彼自身が輝くことはなくても、味方を生かす存在にはなれる。

 

マドリーとしては事実上残された最後のタイトルであるCLが近づいてきている。そこを目指して、再スタートを切るきっかけとなりうる試合となった。

 

今週末もアウェイでの試合。レバンテと対戦する。