CL優勝から1週間も経っていないにも関わらず衝撃的なニュース。ジダンが今シーズン限りで退任することが正式に発表された。
2年半の在任でCLを3連覇し、そのまま退任。フットボール史上に永遠に残るフィナーレだ。
MARCAのタイトルにもあるように、勝ってきて、勝ち続けるために変化する必要があるから自分が出て行く判断をしたというのが、何ともジダンらしい。
ジダンのもとで、CL4連覇、更にその先へと記録を目指してほしい気持ちはあった。だが、その高みを目指すには、自らも含め変わらなければならないと判断したのなら、仕方ない。
彼の論理に従えば、彼の留任を願うことはマドリーが勝っていくための変化を拒否することに繋がるからだ。
ジダンが監督に留まっていれば、数名の新戦力が加わっても概ね今シーズンの序列は維持されたまま、新たなシーズンを始めることになっていたはず。
主力は確実に年齢を重ねていくが、プレーヤーを評価する基準が変わらなければ序列も変わりづらく、世代交代も難しくなっていく恐れはある。
もちろん、具体的にそういう不安を感じて退任を決断したということではなく、決断の理由はジダンらしい感覚的なものなのだろう。
それでも、勝つために変わる、変わるためには自分が身を引くという選択は、なかなかできることではない。自分が離れることでマドリーが勝ち続けるならためらいなくそうするという発想は、究極のクラブ第一主義とも言える。
最悪の場面としてレガネスに敗れコパ敗退が決まった試合を挙げた点に見られるように、彼はもっとやれる、もっとタイトルを取れると信じていたようだった。誰も達成し得ない記録を作っても、落とした試合、タイトルを悔やむ。そのタイトルへの渇望こそ、マドリーにふさわしい。
確かに1つの時代は終わる。そのことに寂しさを感じないマドリディスタはいないだろう。
だが、今はジダンの決断を尊重したい。また、勝てる組織を残した上で、それに変化を与えるチャンスをくれたことに感謝したいと思う。