初戦だからこそ、結果にこだわってほしかったという思いもありつつ、船出早々のアトレティコ戦としてはこれくらいかという気もする、表現が難しい試合となった。
■マドリーの先発メンバー
GK:ケイラー・ナバス
DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:カゼミロ;クロース、イスコ
FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ
57分:アセンシオ→モドリッチ、76分:カゼミロ→セバージョス、83分:イスコ→ルーカス・バスケス、102分:クロース→マジョラル
モドリッチはコンディションがまだまだでベンチから。ロナウドのところはアセンシオ。
■アトレティコの先発メンバー
GK:オブラク
DF:フアンフラン、サビッチ、ゴディン、リュカ
MF:サウール;ロドリ;レマル、コケ
FW:ジエゴ・コスタ、グリースマン
57分:グリースマン→コレア、71分:ロドリ→ビトーロ、89分:レマル→トーマス、109分:ジエゴ・コスタ→ヒメネス
ここまではマドリーとは対照的に新戦力を上積みできている印象。
■変化はあった
即戦力と言える補強が前線にはいまだなく、現状ではどうしても「ロナウド後」の攻撃がどうなるか、という点に耳目が集まってしまうところ。
実際、ボールの終着点が移籍してしまったことから、そこから攻撃の形を逆算していくようなことはできなくなっている。
今のところの構成で言えば、前線の面々が分担して得点を増やしていくことになりそうで、それに向けた変化は見えてきていた。
流動性は高められるし、前からの守備をはめていくことなど、選択肢は増えているのは良い。
あとは、ロペテギがどう整理するか。
もちろんマドリーはじっくり形を作っていけるクラブではない。特に序盤は重要で、ここで躓くと、組織としての形を作るどころの状況ではなくなってしまう。
とにかく勝ちを積み上げて行く中で、新しい役割が浸透していくようにマネージメントしていくしかない。
■攻撃よりも・・・
その意味で、こういう結果に終わったことは残念。
注目される攻撃よりも守備の局面で不安定さを多く見せたのは意外。一時逆転しておきながら、最終盤に追いつかれ延長で2点取られる試合運びのまずさもあって、もったいなかった。
マドリーはベテランが増えたこともあって、試合の終わらせ方は昨シーズンまでとても成熟していた。
一発勝負のCLで3連覇を達成したことに、勝つべき試合を落とさない試合の進め方が統一されていた点は無関係ではないだろう。
一方、この試合では、勝利へ向けて現実的な判断を徹底したい場面で、リーガで取りこぼす時のような無理な繋ぎや、単純なミスが多く見られた。アトレティコはそうしたミスを見逃すようなチームではない。
メンバーが大きく変わったわけではないのに、もったいない場面、失点が多すぎた。
戦力としては、カゼミロが不在となって以降の中盤のフィルターの薄さが深刻なことが浮き彫りに。
コバチッチ不在となった分、マルコス・ジョレンテかフェデ・バルベルデがこのメンバーに食い込んでこないと、シーズンは戦えないだろう。
現有戦力で物足りないようであれば、このポジションを補強することももちろん検討すべきだ。
■最後に
アトレティコ相手の敗戦ということもあって、普通の負けよりも重い雰囲気になってしまうのは仕方ない。
とはいえ、まだプレシーズン。今の状態でトップクラスのチームと当たるとこうなる、という当たりがつけられたことを幸運と捉えたい。補強についても、危機感を持って考える契機となるだろう。
この試合を、最終的に良い結果を出すための糧としたい。
リーガは今週末から既に開幕。マドリーはヘタフェをベルナベウに迎える。