レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第2節 vジローナ

アウェイで先制される難しい試合展開になりながらも、4得点で2連勝。リーガはまずまずのスタートとなっている。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;イスコ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ

 

60分:マルセロ→バラン、77分:イスコ→モドリッチ、87分:ベイル→ルーカス・バスケス

 

GKはクルトワではなくナバス。第1節では先発したセバージョスがベンチとなり、カゼミロが先発に入った。

 

■ジローナの先発メンバー

GK:ボノ

DF:ポロ、フアンペ、エスピノサ、ムニエサ

MF:ポンス、ティモール;グラネル

FW:ポルトゥ、ロサーノ、ボルハ・ガルシア

 

58分:ロサーノ→ストゥアニ、71分:ポンス→アレイチュ・ガルシア79分:ポロ→アダイ

 

第1節はスコアレス。ジローナはホーム連戦。

 

■カゼミロのいる中盤はリーガで苦労しそう

マドリーは第1節同様ボールを持って攻める形を志向。ただ、カゼミロが先発したことで、セバージョスだった前節とは中盤の役割が変わっていた。

 

前節はクロースが底で捌いてくれていたので、セバージョスとイスコがその前でプレーできていた。また、3人ともパス出しに優れているので、組み立て時に誰かに預けるのをやめる、といったプレーがなかった。

これらのことから、プレス回避の精度が高まり、中盤とサイドバックを中心としたポゼッションを安定させることができていた。

 

今節はカゼミロが底にいるので、クロースがその隣の高さまで降りて組み立て。そうなると、イスコが3トップの下に1人で位置する格好になる。

アセンシオも適宜組み立てに参加するとはいえ、前節と比べると、前の枚数が一枚減る計算に。アタッキングサードに入ってからの攻撃の枚数が心もとない。

また、カゼミロにボールを渡すよりはクロースやイスコにパスを出して攻撃を作ってほしい思惑があり、最終ラインから組み立てていく段階でカゼミロを避けるようなボールの動きになりがち。以前からそうなので、カゼミロも役割を分かっており、受けられる位置から外れていくこともある。

それはそれで、今のチームの成り立ちからやむを得ない部分ではあるが、ピッチ上の動きとしては不自然。

同じようにポゼッション主体でプレーするとは言っても、前節と比べるとやりづらい形だったと言えよう。

 

単純にスタイルの好みで言えば、セバージョスをこの試合で外す理由はあまりなかったはずだから、ロペテギには、この時期に相手に合わせて先発を組むという意図はなく、現在や今後のコンディション、昨シーズン前の序列を考えて入れ替えているようである。

少し話は逸れるが、だからこの時期にモドリッチがベンチスタートであることについて処遇の変化を主張するのは時期尚早だと考えている。序盤は無理させず、大事に使っていこうという意図と解釈すべきだろう。この試合ではバランも同様にベンチスタートであり、殊更モドリッチの取り扱いだけを取り上げるのは説得力に欠ける。

 

この中盤の構成をどう捉えるべきだろうか。

リーガの格下クラブを相手にした試合としては、中途半端な選択になったというのが率直な印象だ。

「ボールを持って攻める」は、容易に「ボールを持たされる」に変化する。守る形が徹底されるとロースコアでジリジリした試合を続けなければならなくなるのは、代表でも見てきた通りなので、守る側に主導権をとられないよう脅威になる攻撃を続けていかなければならない。

 前線の守備意識も薄くはなく、チームとしてある程度守れていることから、カゼミロでなければフィルターが維持できないといったことにはなっておらず、攻撃時のデメリットの方が大きい。リーガではセバージョスやモドリッチを取り入れて、ポゼッションに振り切った方がやりやすいように思われる。

 

■ペナルティ2つの幸運でリード

形としてはバランスを取ったメンバーなのに、先制を許したことは痛恨。ジローナの速い攻めは見事で、マドリーはここから2点取るというかなり難しい作業をすることになった。

中途半端なポゼッション志向で臨んで先制されると非常に苦しくなるのは、昨シーズン序盤にも見られた光景。マドリーが無失点を続けることは想像しがたいが、せめて1点目は大事に行かないと、毎試合苦しむことになってしまう。

 

ただ、この試合ではペナルティが2つもらえたという幸運が。どちらもジローナとしてはもったいない局面でのファール。

逆に言えばこういうラッキーは何度もないということ。ペナルティがなければもっと縺れていておかしくなかった。

 

1つめはセルヒオ・ラモス、2つ目はベンゼマが決め、後半早い段階で逆転し、マドリーは40分を残し、ようやく落ち着いて望む展開に持ち込むことができた。

59分、ナバスのスローインからイスコのスルーパスが冴え、ベイルがバルトラを振り切って落ち着いて決め3-1として流れは決定的になった。

 

■マルセロの交代は「正しい」が・・・

そこでロペテギはマルセロを下げ、バランを投入。ナチョを左サイドバックへ移すこととした。

ロペテギの意図は、空中戦での優位の確保とのこと。

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逆にマルセロは交代に驚いたという主旨の発言。

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実際、サイドでのヘディングの競り合いでマルセロのところからやられていた場面があったので、ロペテギの判断自体は間違いではないだろう。

試合は3-1。ジローナのペースが落ち始め、縦に間延びしつつある状況で、リスクを避ける選択は理解できる。

 

だが、主力中の主力に対する扱いとしてはどうだろうか。

 

勝つために必要なことは何でもするという発想は当然のように見えるが、実は時と場合によるものだ。

CLなどの重要な試合であれば、それこそどんな選択肢もテーブルに載せるべきだし、負けている試合ならサイドバックを削りフォワードを入れるといった策もありうるだろう。

しかし、リーガの1つの試合で2点リードを得た状況で、戦術的な判断により主力を下げるというのは些かやりすぎだ。

戦術的な正しさだけではプレーヤーは動かないし、それを振りかざすと逆効果にもなってしまう。ベニテスジダンの監督交代は正にそうした原因によるものだった。

 

まして、マルセロにはこれまで築き上げてきた確固たる実績がある。MARCAで書かれていたように、彼はただのサイドバックではなくマルセロとしてプレーする独特の存在で、マドリディスタはそれを受け入れなければならないのだ。

長くチームを率いるつもりならば、こうした「戦術的に正しい」交代を飲み込むことも、ロペテギは学んでいく必要があるだろう。

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■最後に

終盤にはベンゼマが流れの中から2点目を決めて、結局4-1。

紆余曲折はありながらも、4得点したことは評価したい。

特に、ベイルが負傷せず効果的かつ数字に残るプレーをしてくれていること、ベンゼマが9番らしいエリア内での仕事を続けられていることは、予想を上回る成果。

これが続けば、当初想定されたよりも不安は小さくて済みそうだ。

 

しばらくはリーガの試合が続くので、まずはプランAを確立できるようになれば。主力も徐々に組み込めるようになるだろうから、結果を出しつつ質を高めていってほしい。

 

次節はベルナベウでレガネスと対戦する。