レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第7節 vアトレティコ

負けなかった、と言うべきか。この2試合からくる期待の低さからすれば、アトレティコに対し勝ち点1は、「うまく乗り切った」と捉えられる。

それでも勝ちたかったと思うのがデルビー。感情としては処理が難しい試合となった。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、ナチョ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ

 

46分:ベイル→セバージョス、82分:モドリッチルーカス・バスケス、88分:ベンゼマ→ビニシウス

 

マルセロを欠く左サイドバックにはナチョ。もうお馴染みの起用である。

 

アトレティコの先発メンバー

GK:オブラク

DF:フアンフラン、ゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイス

MF:サウール、ロドリ;コケ、レマル

FW:グリースマン、ジエゴ・コスタ

 

60分:レマル→コレア、69分:ジエゴ・コスタ→トーマス、85分:ロドリ→カリニッチ

 

リーガでは波に乗れていないアトレティコ。陣容が良いので、長期的には立て直せそう。

 

■サイド過多、中央が不足

アトレティコはリトリートしてマドリーの攻撃を受ける格好。最近のように組み立て段階で攻撃を寸断されることは多くなかった。

その分、整備されたアトレティコのブロックを前にポゼッションすることになるので、アタッキングサードでの手詰まり感は相変わらずだった。

 

マルセロを欠くとはいえ、左サイドで作って右へ振る展開を続けていて、ボールの動かし方はさすがに成熟している。

それがゴール前の場面に繋がらないのはなぜなのだろうか。

 

大きな要因のひとつは、中央の枚数不足だ。

サイドで攻撃を作るためにベンゼマもサイドに流れるが、かといってベイルやアセンシオが中央に入ってクロスを待つような形になっていない。

だから、サイドで時間を得ることができても、そのタイミングで中央に人がいないか、いても一人だけということが何度もあった。

それでクロスを上げても確率は低いから、そうせずに攻撃を作り直すことになり、結果としてゴール前の場面の数が減ってしまう。

 

かといってクロースやモドリッチはエリア内に飛び込むタイプではない。

また、仮に彼らがそうした役割を担うと、中盤の枚数が足りなくなるから、それはそれでバランスの再構築が必要になるので、デメリットも大きい。

 

そう考えると、彼らもサイドでウイングとしての振る舞いを続けているベイル、アセンシオがポジションを入れ替えつつ中央に入っていくのが現実的だ。

特にベイルは、ロナウドが移籍して中央で待っていても被ることが減っているのだから、積極的に9番としてのプレーを選択してほしい。

今サイドに開いてボールを受けても、彼好みのスペースがある状態になることは少ない。ゴラッソよりも、エリア内で着実に得点できるプレーを増やす必要があるだろう。

 

守備に関しては、数は多くないものの決定的な速攻を数度受けることに。

アトレティコは高い位置で狙う守備を続けていたわけではないが、マドリーの組み立てが不安定。マドリーの切り替えをアトレティコが上回り、やられそうになっていた。

1対1を防いだクルトワの落ち着きは見事。シュートコースはほとんどなかった。

 

守備面でよかったのはセットプレー。

クルトワが入るとハイボールの処理に不安がない。コーナーから失点する光景がこの数年お馴染みになっているが、今シーズンは良くなるかもしれない。

単純に中央に蹴っても難しいと思わせるだけでも、守備はやりやすくなる。クルトワ効果が見えた試合となった。

 

■後半の改善

ベイルが違和感を訴えたことで、後半からセバージョスと交代。アセンシオが中央にポジションを変え、セバージョスが中盤に入った。ベイルとアセンシオの両翼が機能しなかったので、この交代は負傷交代以上の意味を持った。

 

サイドの一番広い位置はサイドバックに任せ、そこについてきたアトレティコサイドバックセンターバックの間に中盤のプレーヤーが入って行くことで、アタッキングサードで前を向く場面が作れた。

前半はなかった仕掛けるプレーが増え、アトレティコに対応を迫れるようになったことは大きな改善点だ。

 

欲を言えば、このスペースにアセンシオやベンゼマが斜めに入ってきてほしかった。動きながらボールを受けてシュートを狙うプレーがあれば、より効果的な攻撃を続けることが出来たはずだ。

このあたりの調整が今後なされていけば、手詰まり感も解消されていくかもしれない。

 

こうした攻撃を支えたセバージョスのプレーが出色の出来。モドリッチ、クロースとボールを動かしながら、彼らより少し前でバイタルエリアを出入りしてリズムを作った。

特にプレーするエリアが良く、低い位置にボールを触りにくるだけ、ということがなかった。相手にとって危険な位置でボールを触り続け、技術と判断のレベルの高さを示してくれた。

ウイングの機能不全とあわせて考えると、中央を崩したい時間が今後も長く続くと予想される。その中でセバージョスが果たす役割が大きくなるのではないだろうか。

 

■交代が残念

最初の交代で攻撃を改善し、あと一歩というところまでいっていたが、であるが故に、その後の交代の遅さ、出すプレーヤーのまずさが際立った。

 

エリアに進入できていたのだから、フィニッシュが出来るマリアーノを入れるべきだったのに、優位に立っていた中盤を削って、またサイドプレーヤーのバスケスを入れたという選択は良くない。。

さらに残り3分ほどでビニシウスを入れても、時間が足りなさ過ぎる。プレシーズンは良いところを見せてくれていたので、使うなと言うつもりはないが、10分に満たない時間では顔見世程度にしかならない。

2つの交代枠は、より早い時間で使って攻めの姿勢を見せるべきだった。

 

バスケスの使い方はお決まりのもの過ぎ、彼にどういった役割を求めているか分からない。彼に攻撃の貢献のみを求めるのが酷なのははっきりしている。

途中から使うなら守備固めや、チームバランスを整える役割がふさわしく、ベルナベウでスコアレスの状況での投入は面白くない。

アトレティコがコスタをトーマスに代えており、守備の修正をしていたのだから、マドリーは強気に出て行っても責められることはなかったのだ。

 

ロペテギのこれまでの交代策から、プレーヤーを入れ替えること以上の効果を感じることは難しい。

リードしている状態で何とか凌ぐとか、何としても1点取りにいくとかといった熱量をピッチにもたらすようなものになっていないのが残念だ。

 

■最後に

前節に続いて無得点。失点しなかったのは評価できるが、後半の出来を得点につなげられなかったのは悔やまれる。

難しい相手に対し、良いところまで持っていけた、という印象は持ちつつ、それなら勝ち切るのがマドリーだとも言いたい。

ポゼッションしつつチャンスを作れない傾向を打破するには至らなかった。

 

負傷者も出てきているので、やり繰りの過程でこれまでと違う形を模索していくにはいい時期だ。

アセンシオが苦しんでいる一方で、セバージョスは序列を変えうる力を示している。昨シーズンまでの積み上げを維持しつつも、良い変化を起こせるように期待したい。

 

ミッドウィークはCSKA戦のためモスクワへ。

週末もアウェイでアラベスと対戦する。