レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第10節 vバルセロナ

1-5の大敗。ロペテギの命運は99.9%決した。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ナチョ、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;クロース、モドリッチ

FW:ベイル、ベンゼマ、イスコ

 

46分:バラン→ルーカス・バスケス、77分:ベイル→アセンシオ、82分:マルセロ→マリアーノ

 

工夫なき先発。

 

バルセロナの先発メンバー

GK:シュテーゲン

DF:セルジ・ロベルト、ピケ、ラングレ、アルバ

MF:ブスケツ;アルトゥール、ラキティッチ

FW:ラフィーニャスアレスコウチーニョ

 

69分:ラフィーニャ→セメド、74分:コウチーニョデンベレ、84分分:アルトゥール→ビダル

 

メッシが負傷中。1か月程度、バルベルデのやり繰りで乗り切りたいところだろう。

 

■修正なし、改善もなし

停滞して1か月以上が経つというのに、基本的な構成をいじらずこの大一番を迎えた点からして厳しい。

 

この形でうまく行っていた時期があるというのならまだ分かる。固まったメンバーでその道へ戻るための試行錯誤をするということで、それなら選択は理解できる。

が、今のマドリーにはその成功体験がない。せいぜいごく序盤の数試合が良かっただけのことだ。

しかも、状況が改善することはなく、現状維持程度の内容にしかなっていないことを見ていながら、この試合に至るまで変化がつけられなかった。

そのことだけでも、現状におけるロペテギの判断の悪さが際立っている。

 

ロペテギは、自身のやりたい形をベースにしつつ、停滞する攻撃を変えうる変化の引き出しを見つけて開けるべきだった。苦しい時期にそうした柔軟性を徹底して欠いたと言う外ない。

 

ピッチに立ったプレーヤーの出来も散々で、悪さを覆すようなプレーは見られなかった。

以前から繰り返し書いているように、今のマドリーのやり方で先に失点すると、その後が極端に苦しくなってしまう。ポゼッションを主体とする以上、ボールを持つこと自体で相手の攻撃機会を減らしていかなければ意味がないのだ。

にもかかわらず、前半のうちに2失点。攻められないだけならまだしも、守備もじりじりする展開に我慢できなくなっているように見受けられ、バルセロナのサイド攻撃にあっさりやられる場面が目立った。

 

監督の判断の悪さがあっても、個の能力でそれを補うようなことができるのが良い時のマドリーなのだが、どちらもダメ。

その状態が1か月以上続いて、カンプノウでのこの結果に集約されることになった。

 

■後半からの「奇策」

2点のビハインドを追って、後半からバランを下げ、3-5-2の形へ。

 

私は、こういう試合で使われる「奇策」にはほとんど意味がないと考えている。

1週間ほどの練習期間で、バルセロナのようなレベルの相手に十分に対応可能なレベルに達するのは不可能で、自分たちの形を崩してしまうデメリットの方が大きくなってしまうからだ。

過去のアンチェロッティジダンといった成功した監督でも、バルセロナ戦では普段やらないような策を使ってきていたので、そうしたことをしたくなる何かがあるのであろう。

 

その何かの存在を認めるにしても、スタートからではなく2点差を追う後半になってから策を弄するというのでは、あまりに遅い。

どうせやるのなら最初からやれば良かったのに、そこまでの勇気はなく、保守的な選択をしておいて、それが失敗してから急激な方向転換ということになる。

こうした推移は、見ていて気分が良くない。正面からやり合うでもなく、狡猾に策を練って結果に徹するのでもなく、中途半端なやり方で負けた印象を受けるからだ。

 

負けるにも負け方がある。

敵地で自分たちのスタイルに殉じるならまだしも、何をしたいのかわからないままに完敗となって納得できるマドリディスタはほとんどいないだろう。

ロペテギの采配は、決定的に人心を離反させることになった。

 

■目新しさの甲斐もなく

ただ、3-5-2には少なくとも目新しさはあった。

中盤が厚くなり、サイドも使えるようになったマドリーに対し、バルセロナは20分くらい対応に時間がかかっていた。

 

ここでいくつかあったチャンスを決めきれず、1得点に終わったのはプレーヤーの問題。

ベンゼマやベイルは、シーズンの最初こそ得点を重ねて、ロナウド後に改めて台頭するかに思われたが、その後ほとんどペースを上げずにきてしまっているので、ロナウドがいない状況に対応するアップデートが未だになされていないということなのだろう。

補強が満足に進まなかったことはあるにしても、現有戦力の底上げがなされないのは非常に残念。

 

特にベイルは、得点面で主役にならなければならないのに、今もチームの歯車のひとつでしかない。

自由に動けるスペースは増えたはずの今シーズンにあっても、ゴール前で良いところを持っていくような動きが出てこないのだから、深刻だ。

 

自分たちの時間を作っても決めきれない。流れの違いこそあれ、結局は最近の悪い流れのままの内容。

その後は慣れたバルセロナが奪ってからの速攻で数的同数を何度も作り、後半も3得点。

前線の質の違いを見せ付けた。

 

■最後に

残念だが、リスタートを切るには良い機会と捉えるしかない。

バルセロナを相手にライバルとしての気概も見せられず終わったということをもって、ロペテギの挑戦は戦術的にもチームマネジメント的にも、完全に失敗に終わったと受け止めざるを得ない。

 

監督の入れ替えはもちろん、プレーヤーのモラルも、今一度立て直しをはかってほしい。

そうしたモチベーターが組織に入ってくれることに期待。

 

辛い状況だが試合は続く。

ミッドウィークはコパで、メリージャとアウェイ。週末はベルナベウにバジャドリーを迎える。