レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第11節 vバジャドリー

ミッドウィークのメリージャ戦で初勝利を挙げたソラーリ。苦しんだが、リーガでも結果を出した。

 

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:オドリオソラ、ナチョ、セルヒオ・ラモス、レギロン

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ

 

56分:カゼミロ→イスコ、71分:ベイル→ルーカス・バスケス、73分:アセンシオ→ビニシウス

 

やり繰りの苦しい最終ラインはオドリオソラとレギロンが先発。

 

バジャドリーの先発メンバー

GK:マシップ

DF:モヤーノ、キコ、カレーロ、ナチョ

MF:アルカラス、ミチェル;アントニート、ビジャ

FW:スアレス、ウナル

 

69分:ビジャ→ベルデ、76分:スアレス→オスカル・プラーノ、85分:モヤーノ→チョプ

 

ロナウドが株式買収により会長となっている。ここまで僅か7失点の堅守。

 

■やり方は踏襲、意識は改善

ソラーリはさほどやり方を変えず。

4-3-3で攻撃し4-1-4-1で守る形、ボールを持って攻めることを主体とした攻撃の考え方は、ロペテギの方法を踏襲している。

がらりと変えて自分のやり方を導入しても良い状況だが、 「傷ついているがチームの能力はある」という自身の発言に沿って、戦術的に細かく修正するのではなくプレーヤーを信頼して送り出した格好と言える。

 

ただ、プレーの強度はかなり違いが見られた。

特に奪われた後の守備への切り替えは素早く、良い形でボールを取り返すことができていた。

もちろん、人数をかけたところをかわされて速攻に繋げられる場面がないわけではなかったが、まずは戦う姿勢が随所に見られたことを評価したい。

そうした姿勢を取り戻したところから、ソラーリの人心掌握はまず成功していることが見て取れるからだ。

 

戦術的な詰めは、結果さえ繋げていければ時間をかけてやれる。今後の改善に必要なプレーの強度が十分あったことが嬉しい。

 

バジャドリーの守備、マドリーは穴を作れず

バジャドリーは4-4-2での守備。

2トップが自陣深くまで下がることを厭わない、献身的な守備だった。ラインに乱れもなく、10人がきっちり並んだ組織をずらすのはかなり難しい。好調時であっても苦労する相手だろう。

 

マドリーはサイドチェンジでスライドの遅れをつこうとするものの、バジャドリーがうまく対応して、ズレを作らない。

多少スペースがある状態はできていたが、オドリオソラとレギロンが対面する相手をかわしてクロスというところまでいけないので、作り直しになることが多かった。相手をかわしてボールを供給する能力においては、カルバハルとマルセロにはまだかなり差があるという印象。

 

ライン間で受けてショートパスで崩すイメージが作れないので、マドリーはクロスを多用することになったが、その割に中央の迫力が相変わらず不足していた。

ベンゼマだけでは厳しいので、右サイドのベイルにはもっと中央に進出してもらいたい。いくつか良い飛込みがあったが、それを継続していく必要がある。ゴールに直結する位置にいないので、途中から左に回って、彼がクロスを上げる側に。これでは魅力が半減してしまう。

 

守備からショートカウンターの形は作れず、遅い攻めでクロスで終わる形が多かった。バジャドリーの割り切った守備に手を焼いて、じりじりする試合展開。

攻撃がうまくいかない雰囲気が出てきて、バジャドリーはマドリーのやり方にどんどん適応していく。徐々に彼らのカウンターがシュートに繋がる場面が増えていった。

 

■仕掛けられるかどうか

ソラーリが良かったのは、ここでカゼミロを下げる決断をしたことと、その時間帯が早かったこと。

後半10分も経たない間にこの交代を選択する判断は、ロペテギにはなかった。クロース、モドリッチが低い位置になって、バランスは取りづらくなるが、攻める意思は明確に伝わる。

とにかく点が取れない時間が続いていたから、攻める姿勢を打ち出す交代は良かった。

 

後半に入ってからは、サイドでボールを持ったプレーヤーが仕掛けていくプレーも増えた。

ポゼッションが自己目的化してはまずい。ゴールを奪うためにボールを持つのだという大前提が、ハーフタイムを経てはっきりしたような印象だった。

 

その中で中途半端だったベイル、アセンシオが交代要員となったとも捉えられる。

彼らはもっと勝負して、相手1枚は確実に剥がしてくれるくらいのことを期待しているのに、サイドで持って淡白に捌くだけならメリットは少ない。

攻撃的なプレーヤーにもかかわらず、点がほしい時間帯に下げられた意味は大きい。

また、バスケス、オドリオソラも残念だった。

バスケスは悪い時期の彼に逆戻りしており、精度が悪い。ボールロストも重ねてしまい、チームのリズムを失わせてしまっていた。

オドリオソラは前半同様。良い形でなくとも、せめてボールを供給してくれれば、中央で何か起こせるかもしれないのに、そこまでたどり着けず。受けるところまでは良いのだが、その先のプレーに課題を残した。

 

ロペテギ体制末期では、みな仕掛けるプレーをしていなかったので目立たなかったが、監督交代で発破がかかった今、勝負すべきところでそうできるかどうかの差は大きくみえる。

ここに至っても、無難な選択ばかりなのであれば、序列が下がっていくことになるだろう。

 

交代で入り、気概を見せたビニシウスが得点のきっかけに。

どんな局面でも仕掛けるようなプレーヤーかと思いきや、無理しないで周囲に預けることもしばしばあるビニシウス。

その彼が、先制点の場面ではディフェンス3人の中へ入っていくドリブルを仕掛け、とんでもないシュートが相手に当たって入る運を引き寄せた。

このプレーだけ見れば確率の低い選択をしたということになるが、これまでパスを選択して相手に油断させる餌をまいていた結果でもある。

時間帯としても無理やりでも何とかしたいというところで、シュート精度は欠いたとはいえ、実際独力で点に繋げたのだから言うことはない。

 

彼に多くを期待するのは時期尚早なのは分かっているが、序列が上のプレーヤーが相応のプレーをできないのなら、彼の序列が上がっていくのもそう遠い話ではないかもしれない。

 

その後ベンゼマの仕掛けでペナルティを得て、セルヒオ・ラモスが落ち着いて決め、2-0とし勝負あり。

ドリブルで背中をとられたのに、安易に足を出すようなプレーはここまでなかったのだが、堅守を誇るバジャドリーもさすがに少し疲れたようだった。

 

■最後に

バジャドリーのシュートがバーを叩く場面があり、どれかが入っていればまた違った展開が待ち受けていただろう。

それが入らず、ビニシウスのボールが枠に飛ぶのだから、ソラーリは監督に必要な運を持ち合わせているのかもしれない。

 

内容はこれまでとさほど変わらないものの、勝ち点3という結果を得るかどうかの差は果てしなく大きい。

最初の試験はパスしたと言って良いだろう。

 

ここからはアウェイ4連戦。

今週はCLプルゼニ、セルタ戦があり、1週空いた後エイバル、CLローマと続く。

ここでも取りこぼさずにいければ、良い雰囲気を定着させることが出来る。苦しい日程だが、チームの頑張りに期待したい。