レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第14節 vバレンシア

CLの後のバレンシア戦と厳しい日程だったが、しぶとく勝利。

ベルナベウとはいえ、我慢強く戦い勝ち点3を得ることに成功した意味は大きい。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、レギロン

MF:マルコス・ジョレンテモドリッチ、セバージョス

FW:ルーカス・バスケスベンゼマ、ベイル

 

63分:ベイル→アセンシオ、71分:モドリッチバルベルデ、80分:セバージョス→イスコ

 

ソラーリはマルセロ、クロースを休ませる判断を下した。中盤は珍しい組み合わせ。

 

バレンシアの先発メンバー

GK:ネト

DF:バス、ガライ、ガブリエウ・パウリスタ、ガヤ

MF:パレホ、コクラン;ソレール、ゲデス

FW:ガメイロ、ミナ

 

68分:コクラン→コンドグビア、バス→ピッツィーニ、72分:ガメイロ→バチュアイ

 

ここまでは下位に沈み苦しんでいるバレンシア。アウェイ6試合で4得点は厳しい。

 

■ローマ戦振り返り

ローマ戦でもカゼミロの代役はマルコス・ジョレンテだった。

その前のエイバル戦でセバージョスを底に置く形を取り、攻撃では停滞し、その分プレスにかかり、スコアレスで3失点したので、この形はさっさと諦めたということだろう。

どちらかと言えばマルコス・ジョレンテの方が本職に近いので、守備面の安定が期待でき、かつ組み立てで無理なつなぎをしないシンプルな形を多くすることが出来る。

 

とはいえ、マルコス・ジョレンテは出場機会が少ない。その前の出場機会がリーガ第5節エスパニョール戦の11分間に遡るわけで、周囲との関係性といった部分では物足りない印象はあった。

それでも、底の位置で黒子に徹してくれる存在がいるだけで、役割分担ははっきりする。ポジションに求められるプレーを最低限こなしてくれた。

 

ローマは得点が挙げられず苦労している状態。マドリーもつい最近ソラーリに代わるまでは似たような状態で、互いに攻撃はいまひとつ。

マドリーに関しては、速い攻めを使おうという意識は見られたが、前線の迫力がない。中途半端にやり直して手詰まりになるくらいなら、シュートまで攻めきる形を作った方が良いように思う。

ロペテギ期はそうした思い切りがなく、ミドルレンジのシュートは蹴らされている格好だった。そうではなく、自分たちのタイミングでシュートに至れれば、このレベルのプレーヤーなら脅威は作れるし、相手が対応してくればその次を狙えるようになる。

まだ過渡期にいる印象を強くする内容だった。

 

そんな中、相手のミスで先制点を決め、その後も失点せずに我慢の試合運びを続け、終盤に止めを刺した勝負強さは、ジダン期を感じさせるものがあった。

内容が悪くて勝つマドリーを見るのは久しぶり。こういう試合を落とさない能力がタイトルを狙うチームには求められるのだ。

 

■うまくいかない中でも

さて、バレンシア戦。

 

ローマ戦から引き続きマルコス・ジョレンテが底。クロースが休みでセバージョスが入った。そして、前線の3枚とモドリッチかセバージョスがプラス1で4枚が相手の4バックを見る形。

これを継続するのは体力的に無謀。また、中盤が2枚になるので、プレスを剥がされて早く運ばれると途端に失点のピンチになってしまうから、やる時とやらない時のメリハリが大事になる。

 

もともとマドリーはこういうプレスで奪いきるチームではないし、やり方としては危ない橋を渡っている。

だが、若いメンバーを抜擢して下手に落ち着くより積極的にやるんだというチームの意思は明確にすることが出来たと言える。

結果としてそう言えるのは、最後のところでのクルトワの安定感があるから。彼がいなければこういう冒険もなかなか選択できないだろう。

この試合でもいくつか危ない場面を彼が抑えて、後ろは何とかなるという安心感を与えてくれていた。

 

ソラーリは、うまく若手を使うタイミングを図り、綱渡りながらもこの新しい組み合わせを生かすチャンスをものにした格好だ。

 

 8分の先制点はオウンゴール

幸運ではあったが、カルバハルがえぐってから粘ったからこその得点。彼の攻守の安定感は、こうして局面で頑張れるところからもたらされるもの。

この早い時間の先制点で、その後の試合を落ち着いて進めることが出来るようになった。

 

バレンシアは見るからに攻撃がうまくいかないといった印象。

マドリーの中盤から見れば、サイドを使ってスライドを強いればどこかで破綻する可能性はあった。そこをつくことができず、攻め手を作ることができていなかったのは、マドリーにとっては幸い。

マドリーも追加点は遠く、ローマ戦同様互いに思い通りではない展開が長く続いた。

 

それでも、セットプレーなどで失点しやすいのが今シーズンのマドリーだったから、相手の悪さはあるにせよ、クルトワを中心に凌ぎきったのは嬉しい。

 

■賭けの交代

マドリーの最初の交代はベイルとアセンシオ。ローマ戦では相手の致命的ミスをきっちり決めたベイルだが、この試合では数字を残せず。

入れ替わりで入ったアセンシオとともに、変わりつつあるチームの中で苦闘中といったところ。

 

中盤がローテーションできるめどが立つと、前線の迫力不足、枚数不足がより目立ってくるので、1月の移籍市場もあることから危機感はあるのではないだろうか。もちろん移籍の可能性は非常に低いが、誰かがやってくることで序列が変わる可能性はある。

彼らはもともと今シーズンの前線の旗手となるべきプレーヤー。形はどうあれ、結果を出し続けてほしい。

 

バレンシアがコンドグビアを入れて中盤に手を加えた後にモドリッチバルベルデに替えたのは意外だった。

1点差の状況で、中盤が普段控えのメンバーのみという構成にするのは勇気がいる。競争意識は高まるが、こうした交代をした後に追いつかれて終わるとメディアに分かりやすいポイントを提供することにもなるので、賭けるものが大きいからだ。

 

そしてソラーリはその賭けに勝った。

83分にバスケスが2試合連続のゴールを挙げて2-0。その後の失点もなく、コンディションやチームのモラル重視の構成で、バレンシアを退けることができた。

 

■最後に

ローマ、バレンシアの連戦を連勝で終えられた結果は非常に大きい。

ましてこのメンバーで勝ちきれたのだから、チームのムードはかなり良くなるのではないだろうか。

 

内容的に素晴らしいといった試合が続いているわけではないが、結果は繋げている。

思い通りとは行かない難しい試合でも、勝ち切ることができるのが大事。こういう試合を経て、チームとしての強さを取り戻して行くことができるだろうと、前向きになれる2試合だった。

 

ミッドウィークはコパ。ここでも若手主体で頑張ってもらいたいところ。

週末はウエスカとアウェイで対戦する。