レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第15節 vウエスカ

狭いピッチは難しい。今節はそれに風が加わり、さらにやりづらい環境となった。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:オドリオソラ、バラン、セルヒオ・ラモス、カルバハル

MF:マルコス・ジョレンテ;セバージョス、モドリッチ

FW:ルーカス・バスケスベンゼマ、ベイル

 

58分:セバージョス→バルベルデ、66分:モドリッチ→イスコ、76分:ベイル→アセンシオ

 

サイドバックが2名とも負傷離脱しているため、カルバハルが左に。マルコス・ジョレンテはカゼミロのバックアップとして連続して起用されている。

 

ウエスカの先発メンバー

GK:ヨバノビッチ

DF:ミラモン、インスア、エチェイタ、プリード

MF:アギレラクリスティアン・リベラ;フェレイロ、モイ・ゴメス、アビラ

FW:クチョ

 

19分:アギレラ→メレーロ、76分:フェレイロ→ゲルナー、84分:アビラ→ロンゴ

 

最下位に沈むウエスカ。ホームでここまで6試合8失点はまずまずだが、4得点では厳しい。

 

■ハイプレスにいまだ対応できず

マドリーは8分にベイルのゴールで先制。

このゴールは非常に大きな意味を持つことになった。なぜなら、時間経過とともに攻撃を作れるような状態ではなくなり、ゴールがどんどん遠ざかることになったからだ。

ウエスカは狭いピッチを生かした戦い方。前から追って相手の攻撃の組み立てを阻害する。

完敗したエイバルとのアウェイでの試合と同様のピッチで同様のプラン。

 

マドリーはマルセロを欠きカルバハルを左に回している状況で、ベストの布陣からは組み立ての能力はかなり落ちていたのは確かだ。

とはいえ、相手は昇格組。エイバルほどはプレー精度も高くなく、個の能力で1枚剥がして打開することも問題なくできる力量差があるように見受けられ、特にサイドにボールが入れば、シンプルな2人の関係性で突破できることもあって、やり続ければそれなりの数のチャンスができるかに思われた。

 

ところが、ボールを奪ってからの最初に縦に出て行くパスやドリブルがうまくいかないことが時間経過とともに増えてきて、ウエスカもリズムを掴むことになった。

エイバルに続いてスモールクラブのハイプレスに四苦八苦。ロペテギの数ヶ月でポゼッションが高まることにはなったが、こうした対策に対しての組織としての対応は明確になっていなかったことが良く分かる。

 

また、前線へのロングボールでプレスの圧を回避する形もあまり見られず。

風の影響もありとりづらかったのだろうが、ボールを託し得る前線ではないということも多分に反映されたプレー選択だろうと感じる。

ロナウドがいた頃は、成功するかどうかは別として、抜け出しや頭に合わせて蹴り込む形があった。一発でやられる怖さがあるから、ディフェンスもそれに応対することになって、結果としてプレス一辺倒の守備の修正を迫ることが出来た。

今はそうした形がなく、相手の守備の圧力をもろに受け止め続けながら攻撃を作ることになっている。

得点そのものだけではなく、こうした点でも前線の駒不足が深刻に影響していることを痛感する。

 

■難しいコンディションに耐える

風の影響が強くなり、ロングパスに頼れないようになってからは、我慢。

こういう試合でルーカス・バスケスのように出て行っても労を惜しまず帰陣してくれる存在は心強い。

カルバハルも左で違いを作ることは難しいが、上下動を続けて組織が破綻しないだけのプレーをしてくれていた。

 

自力でボールを運べる人という意味では、ビニシウスやアセンシオの投入が望ましかっただろうが、ソラーリはアセンシオを入れるのを残り15分程度まで引っ張った。

その分中盤の入れ替えで2枚交代としたところから見て、行ったり来たりでリスクを負うより、中盤より後ろのポゼッションの安定を優先させたのだろう。

完全に守りにシフトするのではなく、ギリギリのところで攻め手も残しつつ無理はしない、際どいやり繰りと言えよう。

 

その中で、バルベルデはなかなか落ち着いたプレーを披露。

マルコス・ジョレンテと並んで序列は低いが、出れば相応の内容が期待できるところを示した。

カゼミロの控えとしては、現時点においてマルコス・ジョレンテはセバージョスより上回った状況だが、彼もまたボールを運べるので、しばしば前に出て行く。

その時に後方をケアするのがクロースやモドリッチであるべきか、また彼らにそれだけの負担を負わせられるかには、やや疑問が残る。

今の組織では、後ろに残って黒子に徹しシンプルに前のプレーヤーを使うプレー、守備時にそのポジションをきちんと埋めている判断が求められるので、その点ではまだカゼミロに次ぐ存在は確定していないように思える。

 

この試合で見られたようなスタイルを続けるならば、マルコス・ジョレンテはインテリオールの方が当てはめやすいし、逆にバルベルデは守備面でどの程度までやれるか見えていない。どちらかがカゼミロのポジションを本格的に脅かせるようになれば、中盤の組み合わせはバリエーションも増やせる。

もう少し、彼らの競争に期待しておきたい。

 

■ひとまず合格

内容としては満足いくものではないが、スタジアムのコンディションを考えれば、早い時間の先制点以降よく我慢して90分を終えたと前向きに捉えるべき試合だ。

耐え切れずに失点して勝ち点1に終わるか、とにもかくにも勝ち点3を持ち帰るかの違いはとてつもなく大きい。

まして、マドリーはここまでそうした我慢が利かず失敗してきたのであるから、ソラーリ体制となって以降、耐えられるようになったことだけを見ても、かなりましになったと感じられる。

 

負傷者が続く中でも、ローテーションでコンディションを維持しつつ競争を促すソラーリのマネージメントは、ここまでは効果的に作用しているようだ。

ジダン期の終盤は序列が明確になっていて、戦力と言える人数は非常に少なくなっていた。だからこそCLで結果を残せた部分もあるのだが、ジダンの退任、ロナウドの移籍があり、幸か不幸かその序列を壊すタイミングがやってきている。

ソラーリはその要請に応えつつ今のところ結果を残せているので、まずは合格と言えるのではないだろうか。

 

ミッドウィークにはCLのCSKA戦、週末はラージョと、どちらもベルナベウでの試合。その後はCWCのため移動となる。

ホームでの連戦は結果はもちろん、できれば負傷もなく終えてほしい。