レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

一足先に夏と来シーズンをちょっと予想

CLや各国リーグが佳境となる中、タイトルの可能性がないマドリーは消化試合を淡々とこなしており、話題に乏しい。

この期間は「来季に向けた壮大なトライアウト」という見方があったが、ジダンがうまく回答をぼかしているため、そうなのかどうか判然としないままだ。だから、プレー内容に強い危機感が現れているようには感じられない。良くも悪くも普段通りの、緩さのあるマドリーの試合が毎週行われている。

この期間で残留の合否を決めると言えば、残りたい者、もう移籍したいと思っている者など、チーム内の温度差が如実に出るだろうから、取り扱いを明確にしないまま時計の針を進めているジダンのやり方は賢かったかもしれない。

 

そうはいっても、各試合の出来不出来を考えることに意義があまりないというのもさびしい。

せっかく時間が出来ているので、来シーズンのマドリーがどういった構成になるのかについて、これまでの状況をもとに予想してみたい。

 ■ジダンの考え方

まず、前回のジダン期の内容を参考に、来シーズンのプレーがどういったものになるのかを考えてみる。

 

前回はごく大雑把に言って二つのパターンがあった。1つはサイドからのクロスを多用する形、そしてもう1つはそれによらない攻略にこだわる形だ。

 

中央にロナウドを置き、そこにサイドからボールを届ける1つ目の形はシンプルで手堅かった。ロナウドが決めたから勝ったとしかいえない試合は少なくない。

また、守備時に4-4-2を作るにも変形が少なくて済み、バランスを保って守ることが可能となっていた。

 

ところが、この形はシンプルであるがゆえに面白みがない。クロスが左右から飛ぶだけの展開は淡白で、ただ勝つだけでは飽き足らないマドリディスタからは少なからぬ不満の声も挙がっていた。

だから、というわけではないだろうが、ジダンは2つ目の形に取り組むように。最後のシーズンの前半に示された4-3-1-2によるイスコシステムはその典型だ。

だが、これは結局うまくいかず。中央の狭いスペースで身動きが取りづらくなる攻撃、サイドを容易に突破される中盤3-1の形の守備といった問題が解決に至らず、結果が続かなかった。「つまらなくても勝つ」ところから「面白く勝つ」に移行するはずが、「つまらないし勝てない」に転落することになって、この試みは頓挫し、1つ目のやり方に回帰することになったのだった。

 

では、ジダンは来シーズンどのような選択をするだろう。

 

前回の経験を踏まえていきなり後者に手をつける可能性もなくはないが、ポゼッションで沈んだロペテギがあっての再就任だけに、こうした形の失敗を受け入れる素地は少なくなっていて、以前より状況はリスキー。現時点では突飛な選択をするとは考えづらい。

だから、私は無難に前者を選ぶだろうと考える。ロナウドの不在は大きな違いだが、問題点がより少ない方を選び、結果を積み上げようとするのではないか。

 

■戦力あれこれ

このことを踏まえて、さらに推測。加入、退団予想もしてみたい。

 

サイドを攻撃の中心にすることから、サイドから仕掛けをスタートするアザールは新体制の主軸という宣伝効果とともにピッチ上の選択としても妥当。現地報道から見るに、今夏の決着はかなり可能性が高い。

 

ベイルの退団もほぼ確定。プレミアならパートナーシップ協定があるトッテナムが優先交渉となるが、給与が問題。減給を飲むか飲まないかで行き先はかなり変わる。減給が飲めなければ移籍金を下げても成立は難しく、応分の負担を求めるハメスのような形のレンタルでの解決もありえる。

右はバスケスが筆頭だが、いかんせん攻撃精度が悪い。ビニシウスやロドリゴが右で試された時の攻撃の貢献がバスケスの走力に対する評価を上回るかどうかと、エーデゴーアがよければそこに加わるかというところ。

 

9番の位置は、ベンゼマが磐石。どのような構成になっても彼の周囲を生かす能力は重宝される。

その隣には、クロスに合わせられるプレーヤーが望ましく、ヨビッチが筆頭。イカルディも当てはまるが、代理人が絡んだ騒動で株を下げた。ライオラとの関わりを持つならなおさら、ワンダ・ナラとも関わることをマドリーは好まないだろう。

3番手はラウール・デ・トマスとマリアーノとなるが、マリアーノはそこまで序列が下がるなら再移籍が濃厚。

 

中盤の真ん中については、ジダンモドリッチ、クロース、カゼミロ以外の選択肢をずっと見つけられていないから、現状なら彼らの序列は揺るがない。

ポイントはモドリッチが移籍するかどうか。

彼が動けば、それこそポグバといった大きな動きに出ても不思議はない。

ただ、いずれにせよ序列の低いセバージョス、バルベルデは放出せざるを得ない。特にセバージョスは、前回無理を言って残しつつ出番を作れなかった経過があり、次も低い序列で残らせることはおそらくできない。バルベルデは出場機会の保障つきでレンタルか。

チェルシーへレンタルしているコバチッチも、ジダンの復帰により帰還は遠くなった。

 

センターバックはミリタンが入り、バジェホは移籍。ライオラとの関係によりデリフトにメドがつくようならばラン移籍もあり得るといった状況。マドリーにとってデリフトは難しく、移籍ならバルセロナが基本線だが、ライオラはオファー次第でプレーヤーを説得する可能性が残っている。ポグバにも絡んで、ライオラとの関係構築をどの程度まで進めるかで変わってくる部分だ。

 

サイドバックはカルバハルとオドリオソラで確定。来年の夏にはアクラフが帰って来るので、そのタイミングまでにオドリオソラがどこまで伸びていけるか。

左はジダンによって状況が変わった。レギロンの台頭でマルセロが移籍となりそうだったところがひっくり返った格好。サイドの攻略、クロスの質を考えるとジダンのチームとマルセロの相性は良い。このままいけばマルセロ、レギロンの順で陣容としては変化なしだろう。

 

キーパーもジダンによってナバスが復活を遂げ、クルトワが2番手に。クルトワがこれを受け入れるかどうか怪しいが、家族との距離もあってマドリー移籍を進めたこともあり、少なくとも来シーズンは残留と予想しておく。

 

■最後に

このように、ジダンの就任により、前回の形を踏まえつつ調整することでスタートすることになるだろうと考えられる。

よって、戦力についても解体と言えるような大規模な入れ替えの可能性は低くなったと推測する。

 

さて、どのくらい正解があるだろう・・・。