レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

現状の中盤は限界。求む変化。

中盤の補強が進まない。

 

ポグバ獲得が頓挫し、プランBであったファン・デ・ベークとエリクセンがメインターゲットとなっているが、いずれにせよマドリーは25人いっぱいの現有戦力を整理しなければ、新たな契約は難しい。

 

溢れるのを覚悟で契約に向かえば、現状でさえ貰い手が見つからない面々の放出でさらに足元を見られることになる。6月にはバランスよく獲得と放出を進めていた状況だったが、その後放出作業が進まず現在に至っており、身動きが取れない状況だ。

 

プレシーズンではあるが、ここしばらく試合を見て、それでも現状の中盤は限界であり刷新の必要があると考えるので、その点について整理しておきたい。

 ■カゼミロ、クロース、モドリッチの限界

私は、カゼミロ、クロース、モドリッチの形は既に限界がきていると考えている。

 

このユニットが最も効力を発するのは、攻撃の組み立てにおいてだ。

バイエルンではより攻撃的なプレーをしていたクロースの守備の拙さを受け入れてポジションを下げさせたのは、低い位置での組み立てをセンターバックとクロース、モドリッチで行い、両サイドバックを高い位置に押し上げられる構造を意図していたからに他ならない。

サイドバックとウイングでサイドを崩し、クロスを中央で仕留める形を作るために、中盤は低い位置で下支えすることが主なミッションとなっていた。

 

ところが、現在は前線に任せておけば得点が期待できる戦力ではない。

少ない枚数でも競り勝てる可能性を感じられないから、クロスを多用することにもならないので、どうしても中央の高い位置にインテリオールが進出して手数をかける必要がある。

こうなった時にはカゼミロも出ていくことになるのでバランスが悪いし、守備の備えとしても状態が悪い。もともとそういう動きを想定したユニットではないからだ。

 

さらに決定的な問題は、彼らが点を取れるプレーヤーではないということだ。

昨シーズンのモドリッチは4ゴール、クロースは1ゴールである。シュートの怖さがあるからパスが生きるのは至極当然のこと。せっかく出て行ってもエリア内まで入り込む動きが少なく、あるのは時折のミドルシュートだけでは、そうした怖さはないから、最終的なボールの到達点として計算することはできない。

 

このように、攻撃の形が従前から変えられず、現状の問題に対応できないことが、このユニットの限界であるといえる。

 

こうしたことから、より前で得点に関与できるプレーヤーとしてポグバを選ぶというのは、選択としては理解できる。

彼は昨シーズン16ゴール、ファン・デ・ベークも17ゴール、エリクセンは10ゴールだから、方向性は見て取れるだろう。

 

重要なことは、彼らが高価であるということだ。

 

現状のユニットに対するジダンの信頼は非常に厚い。今のままであれば、重要な場面であればあるほど彼らを起用するだろう。

そうした信頼は、それ以外のプレーヤーに対する冷遇と表裏一体でもある。セバージョス、マルコス・ジョレンテはらはどうしてもその壁を超えることができなかった。

それは、彼らが安価なプレーヤーであったこととも無関係ではない。絶対的なユニットを崩してでも、という圧力がかからないから、序列は動かないことになる。

 

その点、高額の移籍金を支出して契約したプレーヤーは相応の序列となるから、控え相当とはみなされない。

例えば、6000万ユーロで移籍してきたファン・デ・ベークが、そのままベンチか招集外かの序列に収まるということは考えづらい。

 

そうしたことから、現状の問題点を打破する動きにつながるということも期待できる。

 

■最後に

現状のままでは攻撃が詰まることが容易に想像される。何らかの変化が必要だ。

もちろんうまくいく保証はないが、このままだと昨シーズンの課題を何ら解決できないままのチームになってしまう恐れは強い。

 

高額なプレーヤーの加入は、現状を変える圧力となる。

世代交代とともに今の戦力に合わせた攻撃の形を再構築するには、抗いがたい変化の波を起こすことも時には必要だ。

ポグバは事実上不可能な状況となったが、それ以外のプレーヤーの加入で、そうした変化が起こってくれないだろうか。