レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第17節 vバレンシア

メスタージャで引き分け。勝ち点1にとどまったが、劇的な追いつき方で、雰囲気は良い。

 

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、ナチョ

MF:バルベルデモドリッチ、クロース

FW:ロドリゴベンゼマ、イスコ

 

69分:イスコ→ベイル、ロドリゴ→ビニシウス、81分:モドリッチ→ヨビッチ

 

ナチョが先発。カゼミロは休みとなり、バルベルデを一列下げた。

イスコは前線だが中央にいることが多く、実態としてはイスコシステム。

 

バレンシアの先発メンバー

GK:ドメネク

DF:ジャウメ・コスタ、ガライ、ガブリエウ・パウリスタ、ガヤ

MF:パレホ、コクラン;バス、ソレール

FW:ロドリゴ、フェラン・トーレス

 

61分:ジャウメ・コスタ→バジェホ、83分:コクラン→コンドグビア、89分:フェラン・トーレス→ディアカビ

 

クラブ内の揉め事がありつつもCLはGSを突破。マドリーはいつも苦戦するイメージがある相手だ。

 

■最初はマドリーペース

 序盤ペースを握ったのはマドリー。

カゼミロがいないことで守備強度が不安だったが、序盤は前でプレーし続けることができ、大きな問題とはならずに済んだ形。

ベンゼマにボールが入った時に、中盤がよくバレンシアのラインの間に入り込んでおり、前を向いてプレーできていた。一列低い位置だったバルベルデも、アタッキングサードでプレーに関与。惜しいシュートもあった。

 

20分までにマドリーのシュートは7本。この後、前半のうちにシュートできたのは2本であり、序盤に注力したことが表れている数字と言えよう。

 

ただ、このペースで90分やり切るのは難しい。得点できていれば違ったかもしれないが、徐々に落ち着いた試合展開へと変わっていった。

バルベルデが突出した時の陣形に不安も残っているので、こうした配分は理解できる。

しかし、これ以降は、バレンシアの守備の良さが目立つこととなったのだった。

 

■サイドは膠着、バレンシアの好守が目立つ

マドリーは序盤に見られた中央の圧力が下がったので、サイドを中心とした攻めに。後方からのサイドチェンジで大きな展開を狙う。

これに対し、バレンシアの4-4の守備が乱れることなく対応。遅れずにスライドして、マドリーの両サイドに時間を与えていなかった。

 

サイドの攻略に手数がかかるようになると、ベンゼマが出ていくことになり、マドリーのゴール前の枚数は少なくなる。

ガライとガブリエウ・パウリスタがクロスを跳ね返すので、確率の低いボールを入れなくなり、更にマドリーの攻撃は停滞することとなった。

 

左サイドにアザール、マルセロがおらず、狭い局面を独力で打開する場面がいなかったのが悔やまれる。右もロドリゴは無理しない選択が多め。

こうして膠着した時に個人能力でなんとかできるのがマドリーの強みでもある。その意味では、両サイドともよく言えば安全だが、悪く言えばおとなしすぎるプレーが続いた。

 

バレンシアの狙いは2トップを生かしたカウンター。マドリーがボール支配率を高めつつ攻めあぐねれば、彼らの前線の速さ、それを使うパレホのパスが脅威となる。

サイドで応対していたソレールとバスもマイボールになると一気に出てくる。左サイドバックがナチョで良かったという場面も何度かあり、とにかく攻めていこうという状況ではなくなった。

 

マドリーの時間だった序盤が終わってからは、サイドで時間がかかるが、ここに人を割きすぎるとカウンターを受け止めきれなくなるので無理できない、だから攻め切れないという流れ。

さらに、バレンシアの速い攻めが徐々に目立つようになって、マドリーはリスク管理を優先せざるをえないことに。やはり、楽な試合とはならないのだった。

 

■ベイルとビニシウスで変化

ジダンは69分にベイルとビニシウスを投入。

先述の通り安全第一だった両サイドに無理が利くプレーヤーを置き、残り20分で勝負しようという意図。

スペースができてくる時間帯にある程度好きにやってもらい、先手を取る。彼らの起用法としては、今のところはこれが最善だろう。

 

ところが、78分にバレンシアが先制。プレスをロングボールで回避され、右サイドのバスが落としたところをロドリゴが拾った時点で同数。

マドリーの最終ラインは戻りながらの対応を余儀なくされ、再びボールを受けたバスがマイナスのクロスを入れた時、下がり切った最終ラインの一つ前の空いたスペースは誰もケアできておらず。

逆サイドからそこに入り込んできたソレールにとっては、簡単なシュートだった。

 

GKまで下がっていた相手ボールに対し、寄せていこうとした前と残っていた後ろの乖離が全て。

交代カードからして、こうしてプレスに行くよりも、相手を引き付けてからボールを奪った方が攻めやすかった。行ったり来たりするようになっていた時間帯で、全体の意思疎通が不十分だったように見受けられる。

 

追うことになって、ヨビッチも起用。2点目が入ればやむなしのスクランブル。

バレンシアにも決定機はあったが、アディショナルタイム4分に入ったところのコーナーを上がっていたクルトワが合わせ、こぼれたボールをベンゼマ

最後のプレーで追いつく劇的な結末で、勝ち点1を得ることとなった。

 

■最後に

カゼミロがいれば、後半の失点の場面のようなプレーは少なくなっていたかもしれない。バルベルデが出ていけるチャンスも増えていただろうから、攻守にわたり、ベストの中盤との違いが現れた試合だったと言える。

 

しかし、最後の最後に決めた追いつき方は、悪い印象全てを打ち消す。

最初にクルトワに合ったということも含め、やはりジダンに運はあると思わせるような試合になったのは嬉しい誤算だ。

勝ち点は1だが、淡々と勝つ試合よりもチームに与える影響は大きい。

難しい試合展開でも粘り、最後まで諦めない。今後のトーナメントにおいても必要な、そうしたメンタリティを学ぶことができた。

 

ミッドウィークは延期されていた第10節のバルセロナ戦。難しいアウェイが続く。