スペイン政府は、6月8日からフットボールを含むプロスポーツを再開することを承認した。これにより、リーガも同日より正式にシーズンが再開されることになった。
中断までに27節までを消化しており、残りは11節。
一般的には6月30日が契約の最終日なのだが、それまでにシーズンを終えることはできない。とはいえ、できるだけ早く試合を消化し、オフの期間を確保する必要もあることから、ミッドウィークに試合日程を組むことになりそうだ。
CLやELの日程もあるため、ほぼ毎週ミッドウィークに試合があるという超過密日程となることが予想される。
マドリーはCL、リーガでの逆転を目指し勝ちを積み重ねていく必要がある。
今回は、そうした状況踏まえ、いくつかの点について確認しておきたい。
1.ローテーション
ローテーションなしで今後を乗り切ろうとするのは、あまりにも無謀だ。
結果を出していくためにはコンディションを保つ必要がある。そのためには、ベストメンバー以外に信頼できる戦力を多く用意する必要がある。
ジダンはこれまで少数精鋭を基本としてきた。そのままの運用では恐らく立ち行かなくなるだろう。
これまで交代枠として重用してきたバスケス、イスコらに加え、ロドリゴ、ビニシウスといった前線のプレーヤー、中盤のモドリッチ、最終ラインのマルセロといった面々を積極的に起用していきたい。
ローテーションしつつ、内容はともかく勝ち点3を取るために必要なレベルで機能する組み合わせを見出せるかどうか。
監督にとってはかなり複雑なパズルになりそうだ。
2.交代の活用
2020年のみの時限付きで、交代枠を5人とすることが既に決定されている。
このルールを採用するかどうかは各リーグに委ねられており、リーガで採用されるかどうかはまだ正式には発表されていない状況ではある。
枠が増えるにせよ従前の通り3人のままにせよ、疲労した状態での試合が増えることから、交代をうまく活用したチームが優位に試合を進められる傾向が強まるだろう。
これまでよりもタフな終盤になることが考えられるため、特に先手を打って交代枠を使っていくことで、相手との違いを作ることを考えたいところだ。
一番悪いのは、リードしているからといったような理由で様子見すること。
そうこうしているうちに、プレーヤーの状態はこれまでとは違う早さで悪くなっていくだろう。先に相手が交代枠を使っていたら、個々のコンディションの差は大きく開いてしまう。
できるだけフレッシュな状態でのプレーを維持することを念頭に、早い時間帯から先に動いていく果断さが求められるだろう。
3.あるか一発逆転
もしかすると、序列が低かった面々の一発逆転があるかもしれない。
彼らにお鉢が回ってくる状況も十分あり得るから、そこでインパクトを残せば一気に序列が変わることも考えられる。
勢いがある者を起用したいのが短期決戦。
そこで、ヨビッチ、ベイル、ハメスが出番を得て結果を残したら・・・これまでの積み重ねを覆すようなことが起これば面白い。
また、負傷から復帰してきたアザールやアセンシオにも注目したい。
彼らは、本来なら今シーズンの重要な場面にほとんど間に合わなかった状態だったものが、中断があったことで起用できるようになっている。
2トップでの起用も考えられるだろうし、アセンシオについては偽9番も検討するのではと報じられていて、彼らが入ることで前線の組み合わせは確実に増える。
中断まで悩まされてきた前線の得点力不足を解決する組み合わせやポジションが見いだされるかもしれない。
普段とは違った状況だと、どうしてもネガティブなポイントが多くなるが、こうした期待が持てる点もある。
何かと不安ばかりだが、少しでも期待や楽しみを持ってシーズン再開を迎えたい。