代表戦前のリーガ。代表開けにはアトレティコとのデルビーが控えている。
■マドリーの先発メンバー
GK:ケイラー・ナバス
DF:カルバハル、バラン、ナチョ、マルセロ
MF:クロース;コバチッチ、イスコ
FW:ベイル、モラタ、ロナウド
62分:コバチッチ→モドリッチ、68分:イスコ→ハメス・ロドリゲス、82分:モラタ→ルーカス・バスケス
ベンゼマを負傷で欠く一方、モドリッチが招集され、ベンチ入りした。
■レガネスの先発メンバー
GK:セランテス
MF:マルティン、ルベン・ペレス;ウナイ・ロペス、ガブリエウ、シマノフスキ
FW:マチス
55分:マチス→オマール、68分:ルベン・ペレス→ルシアーノ、82分:マントバーニ→ビクトル・ディアス
ホームで勝ち点1、アウェイで勝ち点9という不思議な勝ち点の稼ぎ方をしているレガネス。残留を見据えればアウェイで勝ち点を取れているのは良い材料だろう。
■サイド攻撃はワンパターン
レガネスは、楔のボールを受けるプレーヤーに対し厳しい寄せで対応。ファールもやむを得ないという雰囲気の当たりで、モラタは何度も潰されていた。バイタルで基点が作れないと中央を崩していくのは難しい。中央の攻撃は、もらったセットプレーを生かせれば、という程度になってしまう。
もちろん、クロースのキックで得点が生まれる可能性は十分あるのだが、流れの中で点が取れればその方が良い。チームの力を考えれば、それくらいの目標を立てても問題はないはずの試合だった。だから、モラタには潰れずに捌くプレーもしてほしかった。
良い楔が入って、そこから展開できれば、攻撃のリズムも生まれてくるし、当然得点に至るチャンスも増えてくる。良い時のベンゼマは、力ではなく、狭い中でもスペースを見つけて受け、技術を生かして味方と絡むことが出来る。技術の差はあるにしても、そうしたプレーにおいてベンゼマから学ぶところはまだまだある。
中央が厳しいので、マドリーはサイドに活路を見出すことに。メインはいつもの通り、左で作ってクロースが右に振る形。
スペースのある状態でカルバハルがサイドチェンジを受けることが出来ていて、この形ではアタッキングサードにうまく進入できていた。
問題はその先で、クロスの選択、精度が悪く、エリア内で良いシュートに至れない。やり直すにしても、その頃にはレガネスが9人は割いて守っていることになるので、更に難しい状態になっていて、確率は落ちる。
そうなると、左から右、そしてクロスという形が単調になってくる。レガネスも時間経過とともに慣れてくるし、代わり映えのしない攻撃を延々と見させられるベルナベウも味方してくれなくなってしまう。
中盤で攻撃の流れやリズムを変えられればそうはならないのだが、良くも悪くも同じ攻撃の形にこだわっていて、変化がつかない。
この点は、モドリッチの復帰によって変わってきてほしいポイント。
■それでも何とか
それでも先制、2点差で前半を終えられたことで、一時期の悪い状況とは違う印象はあった。
ずるずるハーフタイムに突入することなく、リードを得て前半を終えられたのは、相手が昇格組ということを差し引いても評価したい点だ。見所が少なく、攻守ともにぱっとしない中でも、結果を出し続けなければタイトルは狙えない。今シーズンまだ負けていない、という事実を軽視すべきではない。
確かに、様々に思うところはある内容の試合が続いてはいる。
攻撃は停滞気味だし、守備も緩さが目立つので、見ていてすっきりしない試合が多いのは明らかだ。左から右への展開は相手に想定されており、レガネスも最低限のところは締めてきていたので、どうしても難しい試合展開を強いられてしまう。
この試合では高い位置からのプレスを精力的に行って、奪われた後にすぐ奪い返すことで、マドリーはレガネスの意図を挫いた。思う通りにはいかなくとも、別の部分でカバーできれば、それほど悪くはならないもの。
マドリーの本来のレベルを考えれば凡庸な内容での勝利ではある。が、最高のプレーで狙い通りの展開とはならずとも、違う方法で結果を出していることはポジティブなことだし、苦しまなければ反省もなければ改善もない。
勝つ中でチームが改善すればそれが一番。早晩負けて急激に変化を求められることになるかとも思っていたが、アトレティコ戦前まで無敗を続けてこられたことも何かのめぐり合わせ。
これまで同様のプレーで勝ち点を望むには難しすぎる相手なので、ここでねじを締めなおせるかどうか。ここまで来たからには、せっかくの運を手放さないようにしたい。
■負傷者はご勘弁
アトレティコ戦はビセンテ・カルデロン。現在は代表戦期間中ということで、多くのプレーヤーが招集されている。カゼミロ、モドリッチのいない中盤を支えてきたクロースの負傷が発表されており、これ以上の負傷は勘弁願いたいところ。
負傷者が戻ってくると、別のプレーヤーが離脱するというようなことになっているので、その点は気がかり。全員が揃って招集メンバーに悩むような時が早くやってくることを祈るしかない。