レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント1回戦第2戦 vナポリ

遅ればせながら、ナポリ戦を簡単に振り返る。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

68分:ベイル→ルーカス・バスケス、77分:ベンゼマ→モラタ、80分:モドリッチ→イスコ

ナポリの先発メンバー

GK:レイナ

DF:ヒサイ、クリバリ、アルビオル、グラム

MF:ディアワラ;ハムシク、アラン

FW:カジェホン、インシーニェ、メルテンス

56分:アラン→ログ、70分:インシーニェ→ミリク、75分:ハムシク→ジエリンスキ

ナポリが上手

第1戦では、ナポリの細かいパス回しに食いつきすぎていたマドリー。先制点もその形から生まれていた。

ナポリのポゼッションは単純に追えば詰まるというレベルのものではなく、散発のプレスではきちんとかわせるだけの質があるので、追うべきところと、下がってブロックを作るところを使い分けなければならないということが分かった。

その上で、この試合では第1戦ほど追い回す守備はしなかった。もちろん、アウェイゴールはあるとはいえ合計スコアでリードしているという状況も考えてのことだろう。

逆に得点が必要なナポリは、マドリーのそうした姿勢を見て取り、第1戦よりもかなり速いタイミングで縦パスを入れてきた。カゼミロの脇であり、ディフェンスラインと中盤との間であるスペースに入り、そこに楔を入れる形。

受け手のポジショニング、出し手のパスの精度ともに見事で、バイタルから良い攻撃を作られてばかりだった。

これに対するマドリーの問題は2つ。

まずは、守備ブロックの構築が遅かったこと。

ベイルが中盤に参加し、4-4の形にするのが基本だったが、ナポリの攻撃の着手の方が早いことがほとんど。3人ではどうしてもピボーテ脇が弱くなる。ナポリはこの場所に的確に人が入って来ていて、マドリーの守備は後手に回った。

中盤は人数が揃わないまま戻り筒の対応を強いられることが多く、掴まえるのに大変苦労することに。

2つ目は余計な前からのプレス。

下がるべき時は下がって耐え忍べるのが近年のマドリーの強みの1つなのだが、徹底されない時に、本来の形にすべく修正するのではなく、2、3人がふわっとプレスにいってかわされるだけに終わることもしばしばある。

ボールを追っていると言えば聞こえは良いが、チーム全体のコンセプトからは完全に外れており、単純に数的不利を招くだけの行い。奪えずとも、追ってクリア気味のボールを蹴ってくれればまだ良いが、丁寧に繋いで崩せるナポリには逆効果。

高い位置で奪うことは諦めて、丁寧に陣形を整えた方が、攻撃に繋がる可能性はあっただろう。

こうした問題を抱え、マドリーは先制を許す。

速いタイミングでの縦パスを緩し、下がりながらの守備で左サイドを突破され、最後はメルテンスハムシクのダイレクトでのアシストは見事。ナポリに理想的な形を作られた。

1点差に迫られ、また、このやり方でいけるとの自信を与えてしまったことの意味は大きい。前半はカウンターさえほとんど糸口を掴めないほどのナポリペースに。

本当の決定機はロナウドのシュートがポストに当たった場面くらいで、第1戦より早く仕掛けてくるナポリの攻撃に良い対応は出来ないままに終わった。

■流れはなくとも・・・

2点目はなかったものの、このままいけばどこかで合計スコアで逆転となるゴールが取れそう、という雰囲気で終わったナポリ

しかし、マドリーには苦しい時のセットプレーがあった。

52分、ハムシクパスミスからの流れで得たコーナーをクロースが蹴り、セルヒオ・ラモスが合わせてアウェイゴールを挙げた。これでナポリはあと2点取ってもようやく同点という状況に。

あと1点で逆転できる状況から、1つのセットプレーで苦しいスコアに追いやられるのが、アウェイゴールの怖さ。

さらに57分、先程とは反対の右サイドからのコーナーを再びラモス。メルテンスがコースを変えたので、結果としてはオウンゴールとなったがいずれにせよ、クロースからラモスへのコーナー2つで2点。

残り40分程度で、ナポリはあと5点が必要となって、事実上勝負は決した。

マドリーはベイル、ベンゼマモドリッチと主力を下げつつ余裕の試合運びに。前半とは打って変わって、落ち着いてボールを動かし、ナポリの急ぐ意識も手伝って守備も容易に。

最後は途中出場のモラタがロナウドのシュートからのこぼれ球を押し込んで3-1とし、前半からは想像もつかないような結果を手にしてベスト8進出を決めた。

■最後に

内容は疑いなくナポリのゲームだった。前半は1失点で凌いだというようなものではなく、幸運だったとしか言いようがない。

そこからセットプレーで試合を終わらせたことは評価したい。トーナメントではこういう勝ちあがり方も必要だ。

昨年末のラモスの爆発からしばらく時間が経っていたが、改めてセットプレーを与えたくないと思わせたのも重要。

今後の相手が守り方に神経を使うようになれば、得点以上の価値がある。

ベスト8以降は改めて抽選となるため、対戦相手は未確定。

不安が残る内容であったことは水に流さず、最低でも守備の意識は統一していってほしい。