レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第8節 vヘタフェ

昇格してきたヘタフェとの対戦。アウェイではあるがマドリーでの試合で、移動が楽なのが救い。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:アクラフ、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:マルコス・ジョレンテ;クロース、アセンシオ

FW:ルーカス・バスケスベンゼマロナウド

72分:ルーカス・バスケス→イスコ、マルセロ→テオ、81分:ベンゼマ→マジョラル

マルセロ、ベンゼマが復帰してすぐに先発。右サイドバックはアクラフが続けて起用された。

■ヘタフェの先発メンバー

GK:グアイタ

DF:ダミアン、ジェネ、カラ、アントゥネス

MF:マルケル、アランバリ;ファジル、アルバロ・ヒメネス、アマト

FW:ホルヘ・モリー

15分:アルバロ・ヒメネスポルティージョ、68分:アマト→ラセン、84分:アランバリ→ブルーノ・ゴンサレス

柴崎は負傷で招集外となっている。ホームでは勝ち点3に留まっているものの、バルセロナを相手にも良い試合をしており、結果以上に苦労するスタジアムという印象。

■ローテーション、中盤は機能せず

代表戦明け、CLトッテナム戦を控えているというタイミングを考えれば、ジダンなら当然と言って良いローテーション策。復帰してきたマルセロとベンゼマも当初から時間を限定した起用であったと思われ、コンディション面で無理をせずに起用できる戦力で何とかするというジダンらしい選択。

長期的に見れば妥当な判断でも、この試合に限って見れば、組織として機能はあまりしなかった。

マルコス・ジョレンテは中盤でまだ役割がはっきりしていない。ボールを展開させるプレーはクロースと重複しており、守備での貢献が上回る程度。かといってボールを持ち上がると中盤のバランスが崩れるので、それも効果的とは言えず、昨シーズンアラベスで見せていたような彼の能力を十分に生かせているとは言い難い。

カゼミロと併用して、クロース的に振舞ってもらう方が現状においては希望が見えそうだ。

インテリオールに入ったアセンシオは、最前線ではなく1つ下がった位置で持ち味を出せず。左サイドに出て行って仕掛ける場面もあったが、彼の魅力はゴールに繋がるプレー。低い位置での繋ぎをやってもらうのはもったいない。

もちろん危険な奪われ方をすることはほとんどないが、かといって彼を基点にスピードアップして良い崩しができているかというとそうではない。。ゴールに直結しないことが、ここ数試合の彼の上手くいかない雰囲気を高めてしまっているようにも見受けられた。

また、ボールを触りたくて下がることが癖になると、本来得意な位置で起用された時も、リズムが悪いと低い位置に下がりがちになりそうな悪い予感もする。

今後のことを考えても、彼は前線で使っていきたい。

カルバハルの離脱により連続してチャンスを得たアクラフが徐々に慣れてきているのは印象が良かった。前回よりボールを受ける回数が増えていたし、守備も無難にこなしていて期待が持てる。

課題としては、ボールに触れる回数が多かった分、ちょっとしたタッチの乱れで相手に寄せられていた点。奪われるところまではいかずとも、味方が期待する形でボールを収めて前を向けないと、マドリーのレベルでは厳しい。パススピードなどに早く慣れてそういう場面を減らしていけると、もっと信頼されるだろう。

高い位置での仕掛けが積極的で技術もアイデアもあったのは大いに評価したいところ。体格もあり、狭い局面を突破していけていた。しっかり収めてからのプレーは期待が持てたから、その前の段階で準備が出来ればもっとやれるという印象を持った。

マルセロが復帰してきた左サイドは、まだまだしっくりこないところもあるとはいえ、ベンゼマの存在もあって通常時の雰囲気を取り戻しつつあり、両サイドとも時折良い場面を作れていた。

しかし、中盤の3枚が噛み合わないままだったことで、全体としてはいかにもローテーションした組み合わせといった攻撃に。攻めの糸口をどう掴むかが難しい前半となった。

そんな中、ヘタフェのミスを突いて先制できたのは幸運。ベンゼマが復帰早々決めた点も嬉しい。

ボールを持っての攻めが上手くいかない時は、セットプレーやこういうミスでリードを奪いたいもの。最近はそういったこともできずに苦労していたので、ここぞという場面で決めきったことは重要だった。

■同点後

ヘタフェは56分に追いつく。

今度はマドリーが中盤で嫌な奪われ方。右サイドに展開され、低いクロスがホルヘ・モリーナへ。戻りながらの守備となったディフェンスをもつれながら飛び込んだことでコースが変わり、カシージャのタイミングも外れてゴールの隅へ転がっていった。

ビデオで見るとオフサイドだったものの、半身程度で判定はやむを得ない。虎の子の先制点を得ながら、下手な奪われ方をして速攻を受けることになったのが悔やまれる。

スピードを落とさず右サイドでフリーのプレーヤーを作ったヘタフェの攻め上がりも見事だった。

同点となって、どのように試合を進めていくか、というところ。

ヘタフェが先に動いてラセンを投入、中盤の勢いをつけていく選択をした一方、ジダンのマドリーはじっと動かず。先述の通り、明らかに機能不全だったが、それでも我慢するところがジダンの悪さでもあり良さでもある。

しかも、72分にマルセロからテオへと復帰組通し無理をさせない交代で枠を消費。81分にはベンゼマも同様に下げた。この状況でのこれらの判断には恐れ入る。先々が大事と分かっていても、既に首位と勝ち点差がついている中で簡単にできる選択ではない。

コンディション重視で交代枠を2つ使ったマドリーだったが、72分のルーカス・バスケスとイスコの交代が大きく作用することになる。

まず、アセンシオが低い位置の仕事から解放された。より高い位置に入ったことで、彼の持ち味を出しやすい環境になった。そしてイスコは中盤で攻撃を司ることに。彼にボールが集まるようになって、攻撃をどう作っていくかの役割が見えやすくなった。

前半はうやむやだった役割分担が、残り時間が少ないこともあってはっきり割り切れるように。その分守る側も狙いはつけやすくなるとも言えるが、この場合はマドリーの方にメリットが大きかったように思う。

ヘタフェは5バック状態として同点で十分という形に。勝ち越しのチャンスもあったが、ここに至っては勝ち点1でOKと判断したようだ。中央のスペースはより狭くなり、ここを突いても確率は上がってこない状態になっていった。

だが、85分、ロナウドの裏への動き出しにイスコのフライスルーパス。これがぴたりと合い、ロナウドのファーへのシュートがグアイタを破ってマドリーが勝ち越し。

受けに下がると見せての裏抜け。動き出しでマーカーは外れており、ヘタフェの最終ラインが微妙に乱れたことでオンサイドとなった。

フリーキックのこぼれ球を押し込むだけのところをミスしていたロナウド。そういう時は得てして個人もチームもそれまでとなりがちだが、もう1回チャンスを作って決めきったのはさすが。

これで溜まっていたケチャップも出やすくなるのではないだろうか。この先に向けて最も重要なプレーヤーが復調のきっかけを掴みうるゴールを挙げた。

最後の数分はさすがに落ち着いて試合を終わらせ、2-1でマドリーが勝利。

苦労はしたが、結果としてはローテーションをしつつアウェイで勝ち。CLでは確実に先発となるモドリッチを使わずに結果を出した。こういう選択をした試合を乗り切れたことが重要だ。

■最後に

全体として内容は良くなく、勝ちを拾っただけ、引き分けたり敗れたりした試合と大差ないという反応もあろう。プレー内容としてはその通りだと思う。

しかし、負傷者の続出もあってここまで明確にローテーションすることを選択している中で、しぶとく勝てたことを今は重視したい。このシーズン序盤で主力に無理を強いても、終盤息切れしてしまうことははっきりしている。何とか凌いでいけていれば、年明け以降に良い流れがくるだろう。

実際、CLではしっかりしたプレーで得点も取れており、完全に悲観することはないと考えている。

そして、ベンゼマロナウドが得点を挙げたことも好材料。いつかは決まると思っていても、実際ゴールになるまでは難しいもの。騒がれもするし、周囲も気を遣うような雰囲気にもなってしまう。

彼らとしてもチームとしても、落ち着きを取り戻せる試合となったのではないだろうか。そのことは、必ず良い作用をもたらすだろう。

ミッドウィークはCLトッテナム戦。第3節、4節と連戦で、まずはベルナベウでの対戦となる。首位通過をするためにはベルナベウで勝ち点は落とすわけにはいかない。主力組に期待。

週末のリーガはエイバルをベルナベウに迎える。