レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第1節 vローマ

グループステージでの最大のライバルと思われるローマにベルナベウで快勝。CLも良いスタートとなった。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、ベンゼマ、イスコ

 

62分:ベンゼマ→アセンシオ、73分:ベイル→マリアーノ、85分:モドリッチ→セバージョス

 

GKはナバス。イスコが先発に名を連ねた。

 

■ローマの先発メンバー

GK:オルセン

DF:フロレンツィ、マノラス、ファシオ、コラロフ

MF:デロッシ;ザニオーロ、エンゾンジ

FW:ウンデル、ジェコ、エルシャーラウィ

 

54分:ザニオーロ→ペッレグリーニ、62分:エルシャーラウィ→ペロッティ、69分:エンゾンジ→シック

 

昨シーズンの準決勝は記憶に新しい。オフに大きく動いて、今シーズンはどこまでいけるか。

 

■ローマの出方

 ローマの守備のスタートは低め。下がって守って、両サイドのスピードを生かすカウンターが第一の狙い。

ただ、速攻が難しいと判断した時は無理して縦に急がない判断もあり。ゴールキック時にショートパスでつないでいく選択を繰り返ししようとしていたことから、速攻だけでなく、ポゼッションもある程度は意図して行いたいという意識が見られた。

 

ポゼッション主体のマドリーは、低めのローマの陣形に対し押し込むが、さすがにその先は簡単ではなかった。

このレベルの相手にバイタルを狭くして守られると、なかなか効果的なパスが縦に入らない。ベイルかベンゼマのどちらかはサイドや低めの位置の仕事をするので、中央の枚数が少なく、クロスも可能性は低かった。

 

その分意識が強かったのがミドルレンジからのシュート。

クロース、モドリッチ、イスコ、ベイルは、コースが空けばゴールを狙っていた。前半途中までで13本中12本が枠外という精度の問題はあり、これでは時間経過とともに守備側が余裕を持つことになってしまうが、シュートの意識があること自体は良い。

ロペテギ体制になって、崩すという意図がはっきりしたものの、それに偏りすぎると手詰まりになってしまう。個々の力でゴールを奪ってしまえるのがマドリーの強みでもあるので、こういう狙いそのものは前向きに捉えたい。

 

■マドリーの守備

マドリーのプレスはリーガ同様。

ローマのサイドチェンジの精度が高くなく、サイドラインを割ることが多くあり、そこそこボールを取り戻せていた。

 

ただ、回数こそ少ないものの、突破された後が怖かった。

ウンデル、エルシャーラウィの仕掛けからジェコ、というのは大いに警戒せねばならないし、守備の枚数が足りなければそのままやられる怖さもある。

攻撃がつまり気味で、枚数をかけがちになる展開の中で、守備のバランスも見るという中盤にとっては難しい試合展開になっていた。

 

ローマはエンゾンジがさすがの質。

局面で競れるし、パスを捌ける彼の存在はマドリーにとって面倒なもの。まだまだ馴染むのはこれからだろうが、現時点でも処理が難しい。

カゼミロが高い位置に進出していると、エンゾンジが余裕を持ってプレーできるスペースを与えることにもなり、攻撃の改善を考えつつ、守備の用意も必要という状態が続いた。

 

ベンゼマの活用

ベンゼマが中央に単独でいても怖さは少ないが、周囲に誰かがいればアタッキングサードの狭い局面で何かを起こせる。

 

先制のイスコのフリーキックに繋がるパス交換はまさにそうした場面。

近い距離感でボールを動かし、エリアに出て行くところを止められてファールをもらった。

イスコはサイドでの起用となったが、彼がサイドに張りっぱなしでもメリットは少ない。ポジションを崩してもこういう位置でボールに関わるとゴールに結びつくのだ。

アセンシオでもモドリッチでも、ベンゼマがトップにいるならば、近い位置に誰かがかかわることが、ベンゼマの強みを生かすことになる。

 

 更に言えば、マリアーノもそうした存在になり得るだろう。

まだ併用の機会はないが、彼らが2トップで近い位置にいれば、互いの長所を発揮できそう。

また、どちらかがサイドに出て行ってもどちらかが中央に残れるというメリットも大きい。この試合のように、ベイルかベンゼマどちらかしか中央にいないというのではなく、エリア内で2枚確保できれば、クロスの脅威も増すことになる。

今後、機会を捉えてベンゼマ、マリアーノの併用パターンも見てみたいと思う。

 

■先制してやりやすく

繰り返し述べているように、リードすれば今のマドリーの強みは大きくなる。

ビハインドになったローマが出てきたことで、マドリーも速い攻めを狙えるようになった。

こうした攻めの形の変化に対応できるのがマドリーの良さ。スタイルに固執することなく、やり方を変えられるし、それに適したプレーヤーもいる。

 

前半よりも攻め合う展開となって、58分、モドリッチのパスからベイルが決めて2-0とし、ほぼ勝負はついた。

ベイルは前半散々ふかしたシュートを帳消しにするゴール。抜け出してからゴールに向かうファーストタッチはさすが。これで相手の前に入れることが決まった。

 

オープンな試合になったものの、ローマは時間経過とともに出て行けなくなった。

 前半から考えると、攻撃の開始位置がちょっと低すぎたのかもしれない。前半こそ良い場面を何度か作れていたが、そこで得点できず、2点差となるとどうしても苦しくなる。

マドリーのミドルシュートが枠外遠くへ飛んでいくのを確認すればよかった前半とは違い、守備に奔走せざるを得ない後半となった。

 

■交代

ロペテギはアセンシオ、マリアーノ、セバージョスを投入。

今回はルーカス・バスケスを使わずに他のメンバーを出した。リーガとは微妙にやり方を変えていくつもりなのかもしれない。

中盤、前線の組み合わせが多いに越したことはないので、シーズン序盤のうちに想定外の化学反応が見られれば面白い。

 

2点差となって以降はローマに主導権をほぼ取らせない落ち着いた試合に。

無失点で終えられたのは、チームにとって、特にケイラー・ナバスにとってもいいニュース。

 

締めにマリアーノがゴラッソ。

こういうシュートができるプレーヤーはそう多くはないだろう。

1点を争う試合ではなくなっていたので、リラックスして蹴れた部分はあるだろうが、独力で得点できるところは示してくれた。

短い時間ながらも、ベルナベウに帰還の挨拶となるゴールが決められたことで、マリアーノがやりやすくなれば。

 

■最後に

じりじりした1点を争う試合となるかとも思ったが、後半に2点を挙げて3点差での勝利となった。

 

前半と後半の違う試合展開でも、対応してゴールに結び付けられたのがマドリーらしい。

できれば先制点をもっと効果的に取れればと思うが、バランスを取りながら、この時期としては順当に攻めきったとも言える。

シーズンが深まるにつれて、序盤の攻めで点が取れる形が見えてくればと思う。

 

週末のリーガはエスパニョールと対戦。

さらにミッドウィークもリーガ、セビージャと厳しいアウェイでの試合が控えている。