レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第24節 vジローナ

勢いがついていたところだったが、ベルナベウで痛い敗戦。リーガはかなり遠のいた。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:オドリオソラ、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;クロース、セバージョス

FW:ルーカス・バスケスベンゼマ、アセンシオ

 

58分:ルーカス・バスケス→ビニシウス、66分:アセンシオ→ベイル、74分:セバージョス→ベイル

 

オドリオソラ、マルセロ、セバージョス、アセンシオが先発。マリアーノはベンチで、ベンゼマは連戦。

 

■ジローナの先発メンバー

GK:ボノ

DF:ラマーリョ、アルカラ、フアンペ

MF:グラネル;ポーロ、ドウグラス・ルイス、ポンス、ラウール・ガルシア

FW:ポルトゥ、ストゥアニ

 

46分:ポーロ→ロサーノ、ポンス→アレイチュ・ガルシア、84分:ポルトゥ→バレリ・フェルナンデス

 

残留争いに加わってしまいそうな位置のジローナ。昨シーズンは躍進したが、今シーズンは勝ち点を挙げるのに苦労している。

 

■機能せず

マドリーは低調な攻撃が続き、相手に圧力がかからないまま時間ばかりが経過することになった。

 

原因のひとつはコンディションの悪さ。

西院の3試合は、ベンゼマが中盤に下りての仕事と、エリア内でのフィニッシュの両方をこなしていたので、良い形が多く作れていた。それに対し、この試合ではバイタルエリアでボールを触る機会が少なく、エリア内で単独で待つか、かなり低い位置まで降りるかの両極端なプレーとなって、中央で有効にプレーできなかった。

 

アセンシオ、オドリオソラ、マルセロとローテーションして臨んだものの、中央が良くないとサイドも生きない。

単純にサイドに振るだけでは効果的に崩せないのは、先日アトレティコ戦でマドリーが守る側で見た形。今回は自分たちがその立場になって、苦しい攻撃を続けることになった。

 

結果論ではあるが、ベンゼマのコンディションを無駄に消耗することになった感が否めない。少なくとも、後半の早い段階でマリアーノの投入を考えるべき状態だったと考える。

その意味では、前半のうちにリードしたことで返って動きづらいことになったとも言えよう。うまくいっていなかった前半でもリードして終われたことで、ハーフタイムで交代するといったような大胆な動きを取るような状況ではなくなった。そのため、後半も上手くいかない攻撃を引き続き続けることになってしまったからだ。

 

どんな展開にせよ、ローテーションする節としたのだから、リードを得てもあっさり交代させる普段のような判断があればと悔やまれる。

 

原因の二つ目はバランスの問題。

中央に基点がないままでサイドを使っても良い形を作れないので、そこに人数と手数をかけることになって、ゴールを決めるポジションに1人しかいないといったちぐはぐなバランスになっていた。

顕著だったのが左サイドで、アセンシオ、マルセロ、クロース、ベンゼマが一度に顔を出していることもあった。

パスでボールを動かしているものの、打開するプレーがないまま攻撃が続くのは、ロペテギ期に似た雰囲気であった。

 

こういう攻撃を見ると、仕掛けられるビニシウスのありがたさが際立つ。

開いた位置で受ける彼にスペースを与えないようにするため、ディフェンスにスライドを強いることができ、スペースやポジショニングミスが期待できるからだ。ビニシウスがいることで、左サイドの攻撃が機能し、中央にも枚数が確保できてエリア内で決定機を作れる、好循環が生まれることになる。

 

この試合のようなボールの持ち方では、サイドに行かれる分には怖くないから、ディフェンスの対応は楽になる。まして中央に人が足りないなら尚更だ。

せっかく技術のあるアセンシオ、マルセロが揃ってのプレーだったのに、宝の持ち腐れになってしまった。

 

■両サイドバック

とにもかくにも、セットプレーの流れからカゼミロが決めたゴールでリードして後半に入り、ジローナは2枚替えで修正。両サイドバックの裏を的確に狙ってきた。

彼らからすれば、セットプレーでやられただけで、流れの中では問題はあまり抱えていないという認識だったように見受けられる。

マルセロの裏を取り、オドリオソラのところで勝負するようなイメージを持って攻撃を作っていた。

 

マルセロについては、攻撃面での貢献があまりなく、守備での問題が改めて露呈することになってしまった。

1点のリードは幸運なもので、攻撃の厚みを持たせるよりは守備の安定を図るべきだった後半に、緩いプレーになってしまっていたことが、彼のコンディションを物語っている。

良い時の彼であれば、終盤まで我慢して、カウンターで止めを刺すような判断ができていたはずだ。

 

ビニシウスとの関係で、狭いスペースで絡んでいける可能性について以前触れた。

だがそれは、そういう距離での崩しを許容できるバランスと、その後の守備の強度があってのもの。

中央が足りなくなりがちだった中で、早いタイミングで仕掛けられるビニシウスが台頭し、彼に任せることでサイドの手数を減らしベンゼマが中央にいられる形に落ち着いた現状を考えると、ビニシウスの前や後ろを縦に抜けられ、しっかりポジションに戻ってくれる、サイドバックらしいサイドバックであるレギロンがファーストチョイスとなるのは納得できる。

 

これはマルセロの能力自体ではなく、組み合わせの問題だ。

サイドで手数をかける組み合わせにすると、この試合のように、ゴールという本来の目的の手段であるためのサイド攻略が目的化してしまう。

 

オドリオソラは、相手の攻撃に対面するときというより、マルセロサイドをやられた後の絞り方などのポジショニングに粗さが見える。

サイドバックが上がることが基本のチームなので、戻りながら守備をすることもしばしばあるが、そこでリスクを下げるにはどうするかという判断もカルバハルに比べるとまだ怖い。

バスケスと右サイドバックのセットで右サイドをきっちり抑えることが前提で、その上で左で勝負するという設計を考えると、彼もまた現状ではファーストチョイスにならないのはやむを得ないだろう。

 

後半にねじを巻きなおしたジローナにやられ2失点。攻撃の枚数を増やしたが解決には至らず、1-2で敗れた。

 

■最後に

勝つためには粘る必要がある試合だったが、リードを守りきる強さを見せられずに終わった。

バルセロナアトレティコアヤックスとの試合で見せた我慢と勝負強さをこの試合では発揮することができず。ローテーションしたことで厳しくなりそうなタイミングで、案の定不安定な戦いとなり、控えの面々はアピールできず、ベンゼマやクロースを下げる機会も失った。

 

こういう試合を落とさない力が、リーガのタイトルを目指すには不可欠なのだが、マドリーがそうした継続性を手に入れるのはかなり難しいと感じてしまう。ハメス、コバチッチ、モラタなどがおり、層が今より厚かったと言える時でさえリーガを安定して取れていないということだから、この悪い特徴を塗り替えるには時間がかかるだろう。

 

今シーズンは、CLのようなトーナメントで勝てる「最大瞬間風速の強さ」を発揮する、いつものマドリーの方向を目指すしかない。

トーナメントを勝ち抜く計算など立つわけもなく、タイトル獲得という意味では茨の道だが、せっかく建て直して良いところまでもってきたソラーリ体制を無駄にしないためにも、どちらかのタイトルを手にできれば。

 

今週はミッドウィークの試合はなし。週末はレバンテとアウェイで対戦する。