ホームで恥ずべき内容。リーガで立て直したかに思われたが、その流れをすべて失うことになった。
■マドリーの先発メンバー
GK:クルトワ
DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、ナチョ
MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース
46分:クルトワ→アレオラ、ナチョ→マルセロ、67分:ルーカス・バスケス→ビニシウス
モドリッチが先発に復帰。
■ブルージュの先発メンバー
GK:ミニョレ
DF:クリントン・マタ、ミシェル、シモン・デリ、ソボル
MF:リッツ;バナケン、フォルマー
FW:ディアッタ、デニス、タウ
71分:デニス→オペンダ、87分:オペンダ→コールス、89分:タウ→シュライバース
国内では負けなしで好調とのこと。
■どうせやるなら最初から
ピッチに立つ以上は、プレーの責任はまずプレーヤーにある。
最終的に解任されるのは監督だが、それはことあるごとにプレーヤーを切っていてはチームが成り立たなくなるからだ。
パリで力のなさを突き付けられ、アトレティコ戦では現実的な内容の試合を実現させるために十分な強度を保てたチームである。その数日後に弛んだプレーになる理由を見付ける方が難しいはずだ。
戦術的な問題で困難が生まれていたのであれば、そのように考えることもなかった。
しかし最初の45分に見せられたのは、個々人の問題ばかりだ。
走らず、出足は遅く、パスがずれる。この強度と精度はマドリーにふさわしいものではなかった。
後半にねじを巻き直したといっても、本来あるべき地点に戻っただけ。
戻ったとはいっても、既に2失点しているからプラスマイナスゼロとはならない。まともになった時に、ようやく自分たちの失ったものに気づいたということでしかないのだ。
午睡したまま試合に臨んでも何とかなっていた頃のことは、いい加減忘れなければならない。
今シーズンのマドリーは、リーグで3位、CLベスト16で敗退した時点からやり直したクラブで、挑戦する側だ。一矢報いようと向かってくる相手をいなして一瞬で点を取り試合を決めるような、横綱相撲はできない。
どうせ必死になるなら、最初からそうすべきだ。それができないわけはない。
■ジダン
ジダンは選んだプレーヤーを信じる質の監督だ。
マドリーにいる以上これくらいのことはできるだろう、と認めてメンバーを選んでいる。だから実力者に信頼され、素晴らしい実績を残した。
だが、何回やってもうまくいかないのであれば、問題があることを認めなければならない。課題があるのに放置することは、誠実な対応ではない。
例えばルーカス・バスケス。
彼のボールを持った時のプレーの酷さはツイッターでトレンドにもなっていたほどだが、最近見始めた方のために言うと、これは今に始まったことではない。
守備の貢献がある時は良いものの、マドリーに戻ってきて以来ボールを持てばほぼずっとこの調子なのだ。
実現できないプレーを繰り返す彼の責任は重い。そして、その彼をこうした試合に先発できる地位に安住させているジダンの責任も同様に重い。
ビニシウスやロドリゴを矢面に立たせたくないという方針はわかる。だが、その代わりにバスケスをウイングにおいても、生み出せるものは何もないのだ。
ロナウドの守備負担を請け負うという役割はもうなくなっている。それよりも今は攻撃で圧力をかけられるプレーヤーがいてほしい。そうしたバランス感覚がジダンにないはずがないのに、序列上位から並べるのは理解しがたい。
序列だけではなく、構成やポジションにふさわしい起用法にシフトしなければ、誰も幸せにプレーできなくなってしまうだろう。
4-4-2にして、ヨビッチとベンゼマ、あるいはアザールをもトップとして計算して攻撃に専念させ、サイドハーフはクロス供給と守備バランスの維持を図るのもひとつの考え方だ。
そうすれば、中央も2つのポジションを4人から5人(カゼミロ、クロース、バルベルデ、モドリッチ、イスコ)で競うことになるので、カゼミロを擦り減るほどプレーさせる必要はなくなる。
もちろん、素人でも思いつくような案を、ジダンや彼のスタッフがテーブルに並べていないはずはない。逆に言えば、そうした変化よりも現状がより良いと評価していることになる。
なんとも保守的な選択というほかない。
ジダンの姿勢を変えるきっかけになれば、この敗戦も少しは意味のあるものになる。
そうなってくれれば。
■最後に
週末はグラナダをベルナベウに迎える。
せっかくのベルナベウでの連戦だ。ミッドウィークの恥を雪ぎ、目の前のマドリディスタを納得させる強度を示してほしい。