レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第23節 vバレンシア

試合を支配し、きちんと崩したチャンスを作って2得点。

前節に続いてクリーンシートも達成し勝ち点3を積み上げた。

 

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前半から試合をコントロールできた要因について、次のメニューで振り返る。

 

 

 

■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、ナチョ、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:アセンシオ、ベンゼマ、ビニシウス

 

28分:カルバハル→ルーカス・バスケス、71分:アセンシオ→アリーバス、79分:ベンゼマ→マリアーノ、モドリッチ→イスコ

 

普段通りの4-3-3に戻った。カルバハル、クロースが先発に。

 

バレンシアの先発メンバー

GK:ジャウメ

DF:コレイア、ガブリエウ、フェロ、ガヤ

MF:ラチッチ、ソレール;ゲデス、バス

FW:バジェホ、マクシ・ゴメス

 

46分:バジェホ→ガメイロ、ゲデス→ムサ、64分:ソレール→オリバ、バス→イ、83分:マクシ・ゴメス→クトローネ

 

ピッチ外の騒動が収まらないバレンシア。根本的な解決は遠いようである。

 

右サイドが牽引

4-1-2-3への回帰は予想通りであった。

マルセロも離脱し、攻撃にメリットがある3バックをそもそも組めないという事情はあったにせよ、やはりこれが落ち着く形なのだろう。

 

これまでより良かったのは右サイドでの崩し。

誰かがボールを持てば一人が追い越し、パスが出れば別の一人が更に追い越していく。カルバハル、アセンシオ、モドリッチの3人は、こうした動きを毎回実行していた。

動きとしては単純だが、中から斜めに走ることもあるし、外から追い越す形もあってバリエーションが多い。

 

マドリーにはあまりないが、ラインが乱れた時にゴール前で裏抜けがあるかもしれず、かといってこうしたフリーランを野放しにすると、自由にクロスを上げられることになる。

まして2人ではなく3人で動くので、守備側は対応が難しいし、どこまでついていくかの判断を迫られる。

 

これにより右サイドは深い位置までえぐることが何度もでき、右サイドのプレーによって、マドリーは前半から主導権を握ることに成功したのだった。

 

一方、左で追い越す動きをするのはメンディのみである。

ビニシウスも追い越しはするが、深い位置まで行ききらないで止まることが多い。パスが出なければすぐにボールより後ろのポジションに戻っていくパターンだ。

よって、深い位置をとれるのはメンディか、ビニシウスがドリブルで勝負できた場合ということになる。

左サイドの内容と比べると右サイドのプレーの効果がわかりやすくなるのではないだろうか。

 

カルバハル再離脱、救世主バスケス

残念だったのは復帰戦だったカルバハルの再負傷である。

アセンシオの状態が上がってきたようで、いい関係が作れそうだというところだったから、よりダメージが大きい。

 

同じく復帰してきたルーカス・バスケスがそつなく穴を埋めてくれたことで、この試合はもちろん、今後についても救いがあった。

少し良いプレーをしてもそれが長続きしないのがバスケスの大きな問題で、これまで何度かそういう波を見てきた。

しかし、今回は違った。負傷前と変わらずサイドバックで十分なプレー。アセンシオ、モドリッチとのプレーもカルバハルがいた時間帯と大きく変わらなかった。

彼の控えが負傷でいない問題はあるにせよ、バスケスがいればカルバハルの復帰を急がなくても済みそうだ。

 

バレンシア、形が見えず

マドリーが右サイドで攻め筋を見いだせたのと裏腹に、バレンシアは糸口を見つけられなかった。

 

4-4のブロックで守り、2トップがほとんど守備参加しないことも気になったが、この点についていえば、出来の悪いマドリーならサイドを崩せずサイドチェンジを繰り返すことになり、4-4でも苦労していたかもしれないと思われる。

より大きな問題は、どう攻めたいのかよくわからなかったことの方ではなかろうか。

 

2トップが残っていることを考えると、彼らを起点にして早く攻めるのが定石だろう。

楔を入れて、落としたところからゲデスや・がサイドのスペースを使って侵入し、2トップと状況によって中盤のプレーヤーもエリアに入ってフィニッシュするような形だ。

ところが、ボールを回収してから速い展開を意図している様子がなかった。また、サイドバック不在のスペースを積極的に使おうというふうでもなかった。

 

ゲデスは頻繁に中央に現れており、攻める幅も狭かった。

カゼミロが待ち構えているエリアで、マドリーとしては別段ケアが必要な場所ではない。

攻撃のスピードや場所に怖さがなかったことによって、両サイドは安心して出ていくことができるようになったのだった。

 

2点で十分

ベンゼマの先制点は、速さとコースを突くシュートのうまさが光った。

アウトサイドで持ち出してファーに蹴りこむのは彼でなくてもお馴染みのコース。守備側も当然足を出してくる。

その足がコースを消すより僅かに早く、ボールが通り抜けていった。持ち出してからシュートまでの速さによって勝った形だ。

足に当たりづらい高さに浮かせているのも見事。個人の質でもたらされたゴールだった。

 

2点目は前述の右サイドの崩しから。縦へパスを出してえぐった後で、バスケスがマイナスのラストパス。

走りこんだクロースが、彼らしい抑えたシュートをゴール右下へ決めた。

ここでは、エリア内でゴール前に詰めていた前線による黒子の働きが。彼らが入ったことで後方にスペースができ、クロースが入り込むことができたのだった。

ボールが来ず、直接ゴールに関与しなくても、こういうところにきちんといるプレーは評価したい。

 

バレンシアの攻撃に覇気がなく、この2ゴールで十分な雰囲気。

後半こそさすがに盛り返されたものの、ピンチらしいピンチはほとんどなし。クルトワには余裕のある週末を過ごしてもらえたことだろう。

さすがだったベンゼマモドリッチにも珍しく明確に休みといえる交代があり、安心して見ていられる試合であった。

 

もう1点2点取れていておかしくない試合だったし、特に控えの面々には個人をアピールする必要もあるから、狙える場面があればと思っていたが、十分な得点差があれば無理せず試合を終わらせるのが今のマドリー。

大人といえば大人。ガツガツしていないといえばそういう風にも見える。

負傷者が多い状況であるので、チームとしては無用のリスクを避けたいところ。最低限のリスクで必要な結果を得られたといった試合になった。

 

最後に

週末はアウェイでバジャドリーと対戦。

 

来週はいよいよCL。カルバハルが間に合わないことが確定してしまったが、この試合で見られたようなバスケスやアセンシオの関係で、良いイメージを保っていってほしい。