レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第30節 vバルセロナ

嵐の中、前半のリードを何とか守り切って勝利。

大きな3連戦、ここまでは結果を出している。

 

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今回はこんなメニューで。

 

 

 

■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ルーカス・バスケス、ミリタン、ナチョ、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:バルベルデベンゼマ、ビニシウス

 

43分:ルーカス・バスケス→オドリオソラ、61分:バルベルデ→アセンシオ、72分:クロース→イスコ、ビニシウス→マルセロ、ベンゼマ→マリアーノ

 

この試合は4バック。バルベルデが右のウイングに入った。

 

バルセロナの先発メンバー

GK:シュテーゲン

DF:ミンゲサ、アラウホ、ラングレ

MF:ブスケツ;アルバ、ペドリ、デ・ヨング、デスト

FW:メッシ、デンベレ

 

46分:デスト→グリースマン、64分:ブスケツ→セルジ・ロベルト、72分:アラウホ→モリバ、81分:デンベレ→ブライトバイテ、ペドリ→トリンカオ

 

バルセロナは戦前の予想通り3バック。

デ・ヨングは最終ラインではなく中盤に入った。

 

 いかにリアクションに持ち込むか

リバプール戦がうまくいったのは、ボールを取りに来る相手を中盤より後ろで外し、前線に置いたビニシウスを走らせるやり方がはまったからだ。リアクションでプレーできる状況になったことで、速さが生きる展開となったといえる。

 

これは普段のリーガでもそうで、ボールを持たされると格下でも手こずることが多い。

押し込むと縦に速い面々の長所が生きないし、ターゲットが少なくクロス多用も困難となって、ブロックの外側でボールを動かす時間が増える流れは、しばしばみられるものだ。

ロースコアの試合になれば、格下のクラブでも少ないチャンスで決めれば勝ち点を得られる可能性が出てくることになる。

 

同等以上の相手だとそこまで露骨にボールを放棄することはないが、ポゼッションする側に巧妙にされてしまうと、バランスを欠いて危険な場面をより多く迎えることになるのは想像がつくだろう。

自らの長所を生かすために、いかにしてリアクションに徹するかがポイントとなっているのである。

 

バルベルデの配置による効果

その点においてバルセロナ戦は不安があった。

前線にメッシとデンベレを置く3-5-2の形で安定しているように見える彼らもまた、縦に速いスタイルの実現のためにポゼッションを好まないのではないかと思われたからだ。

もしそうなれば、ボールを持たされカウンターで鋭くやられる展開を強いられることになり、非常に分が悪い。

 

右のエストレーモとして配置されたバルベルデが最終ラインに組み込まれたのは、アルバのケアのためだというのはその通りだろう。

ただ、リアクションのプレーを目指すという観点においては、4-1-2-3よりも重心が下がる5バックにすることで、バルセロナに出てきてもらう効果もあったと考えられる。

 

結果として、バルセロナは60%以上の支配率となった。

ボールを持つのは彼ら本来のスタイルではあるが、布陣との相性は良くない。実際、前線のデンベレに効果的なプレーをさせなかった。

ついに居場所を得たといわれたデンベレに仕事をさせず攻撃をとん挫させる一方、マドリーはビニシウスの長所を生かす形で試合を進めることに成功したのであった。

 

幸運、だけではない

バスケスバルベルデと負傷者が出る前にリードを得られたのは幸運だった。

バルベルデの推進力なくして先制点はなかっただろうし、彼らの交代によって右サイドは出場機会が少なく不安の多いオドリオソラが担うことになったから、守備により注意を払わなければならなくなったからだ。

 

また、風雨が試合途中から勢いを増したことで、プレーそのものも難しくなった。

スコアレスで、この状態で点を取りに行かなければならなくなっていたとしたら、かなり難しいミッションになっていただろう。

前半にうまく試合を進めリードを得たことで、コンディションの悪くなった後半になってからバルセロナに選択を迫ることができたのだ。

 

天候も負傷も運でしかない。

それはその通りだが、それにしてもジダンのチームはここぞという試合で、結果としてよかった、正解だった、というものをよく引き当てる。

もちろんジダンがただの強運の持ち主なのではなく、外からは見えづらいものの、偶然によって左右される状況に対応できるよう、よく準備しているからこその成果なのだろう。

負傷者が続いた今シーズンをここまで生き抜いてきたことで、こうした対応力がさらに磨かれ、引き出しが増えたように見受けられる。

 

今節を踏まえてリバプール戦展望

さて、これらを踏まえて、ここからは予想も含めたことを少し。

「後半の受け方はリバプールとの第2戦に向けて参考になるのだろうか」という点である。

出場できるメンバーは同じだが、バルベルデがどの程度回復しているかで考え方は変わってくる。

 

前提

第1戦で行えたような、サイドバックと前線のかかわりを断つ形を維持していくことが、守備の安定につながる。

ただ受けるだけではこのような形にならないことから、攻撃面で脅威を与えられる形を考える必要がある。

 

バルベルデが先発可能な場合

サイドバックバルベルデを使えれば、4バックでもバルセロナ戦のやり方を再現できる。

その場合は、右エストレーモには守備参加の計算が立つプレーヤーが望ましく、マルビンの抜擢などが考えられるが、そこまでいじることはせず、アセンシオに対応してもらうことになるだろう。

この形で後半途中までスコアレス以上の結果であれば、残り30分程度はオドリオソラ、マルセロを使ってバルセロナ戦同様の5バック化により逃げ切ることは想定できる。

 

オドリオソラを右サイドバックで先発させる形を考えると、後半途中からオドリオソラとマルビンまたはアセンシオという組み合わせの右サイドとなり、守備が少し心もとない。

また、攻撃面の脅威という点でもあまり効果的とは言えないだろう。

 

それよりは、推進力が期待でき、守備でも計算できるバルベルデを不慣れなポジションでも置いて、リバプールが出てくることにリスクを負わせたい。

 

バルベルデが起用できない場合

バルベルデがいなければ自動的にオドリオソラが先発となるので、彼に無理な負担をかけないようウイングバックでの起用を考えるべきだ。

3バックで、オドリオソラとマルセロの両ウイングバックの形であれば、この試合の後半のような苦しい展開は多少なりとも減らせるのではないだろうか。

 

もちろんこの場合は、バルベルデありの場合よりも守備に重点を置かざるを得ない。

人数をかけてスペースを消すこと、致命的な位置でボールロストをしないよう、危なければ明確に蹴り出すすことを徹底する必要があるだろう。

 

攻撃面では両サイドの押し上げは弱くなり、ビニシウスの裏狙いが大きな(もしかしたら唯一の)柱になるので、これが効果的に機能するかどうかで試合の様子はかなり変わることになると思われる。

この形でビニシウスが牽引できれば、マドリーで確固たる立場を築く契機となるかもしれない。

 

バルセロナ戦の終盤は、苦しかったがゆえにCLに向けてのテストとしては格好の材料となった。

これを生かせれば、不運な負傷も飲み込める心情になるのだが、どうなるだろうか。

 

最後にー次節もやっぱりファイナルー

週末のヘタフェ戦は、負傷者に加えてカゼミロとナチョが出場停止。更に厳しい陣容となることが決定している。

 

勝ち点を落としては、そうした代償を払った意味を失ってしまう。形は問わず、起用可能な戦力で勝ち点3をもぎ取ってほしい。

今節の勝利で余裕ができるかというとそうではない。追う立場だから仕方ないのだが、またもファイナル扱いで何とかするしかないのだ。