レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント準々決勝第2戦 vリバプール

ギリギリの陣容ながら、必要な結果は出した。

スコアレスで準決勝への進出を決め、重要な1週間を素晴らしい成果をあげて終えることができた。

 

結果としてはうまく終えられたが、内容としては守備にスポットが当たる試合となった。

そのへんをこんなメニューで。

 

 

 

■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:バルベルデ、ミリタン、ナチョ、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:アセンシオ、ベンゼマ、ビニシウス

 

72分:クロース→オドリオソラ、ビニシウス→ロドリゴ、82分:アセンシオ→イスコ

 

バルベルデが何とか間に合って、右サイドバックで先発することに。

 

リバプールの先発メンバー

GK:アリソン

DF:アレクサンダー・アーノルド、フィリップス、カバク、ロバートソン

MF:ファビーニョミルナー、ワイナルドゥム

FW:サラー、フィルミーノ、マネ

 

60分:カバク→ジョタ、ミルナーチアゴ・アルカンタラ、82分:フィルミーノ→シャキリ、マネ→チェンバレン

 

第1戦はケイタだったところにミルナーが入った。

 

裏狙いを見せられず・・・

2点を追うリバプールが出てくるの当然。

個人的にはボールを持つことを前提にチアゴ・アルカンタラを先発起用するかと思っていた。守るマドリーに対し、中盤でアイデアを出せ、変化をつけられる存在を求めるかと考えたからだ。

ところが、実際にはミルナーが先発となった。

ボールを持ってアタッキングサードを攻略するというよりは、マドリーの組み立てを阻害し、できればショートカウンターで攻め切ってしまおうという狙いが見える。

 

実際、第1戦と比べると高い位置での守備は改善した。

失点の場面のようにクロースを自由にしてくれる場面は少なくなったし、最終ラインでのボールを逃がすサイドチェンジも苦しいプレーとなることが多かった。

 

サイドバックが不慣れなバルベルデだったことは、守備面はともかく組み立てには多少なりとも影を落とした。

持ち上がるプレーでは良いところがあったものの、プレスを外すパスに関してはカルバハルやバスケスのようにはいかず、無理をしないプレーを選択せざるを得なかった印象だ。

 

マドリーにとって一番の失敗は、第1戦のような裏狙いを見せられなかったこと。

4-1-2-3では、両翼のビニシウスとアセンシオが中盤に下がって4-1-4で守ることになる。ここまでは良いのだが、そうして受けた後に裏を取る格好を示せなかったことによって、リバプールに想定通りのライン取りを許したのだ。

 

多少あいまいなボールであってもクルトワやクロースから長いパスが出れば、アウェイゴールが生まれると勝負が決まってしまうリバプールに選択を迫ることができた。

そうした意図を見せられなければ、ビニシウスがいるメリットは薄れる。普通の形で受けに回ったために、ミルナーを先発に入れたリバプールの狙い通りの試合展開となったのだった。

 

センターバックコンビの本来業務

第1戦では、マドリー最終ラインの組み立ての良さが目立った。

この第2戦では、本来の仕事である守備のプレーが多くなったが、こうした形でも失点しなかったという結果も相まって、守備でも高いレベルにあることをよく示した。

 

ミリタンとナチョのコンビは、わかりやすくない。

チャレンジするセルヒオ・ラモス、そのカバーをするバランというような役割がはっきりしたコンビではないのだ。

また、出場機会が少なく、この2人で組むこともほとんどなかったから、こういうコンビだというイメージが持ちづらいということもある。

それが逆に相手がプレーを想定しづらくなっているという効果を生んでいるようである。

 

後ろに控えているタイプかと思いきや、ナチョが意外と前に出て行ってチャレンジするし、ミリタンはハイボールの処理をクリーンにでき、相手に起点を作らせない。

もちろんスカウティングはされているのだろうが、実際プレーしてみると「あれ、こんな感じなの?」とか「思ったより手強いな」となる部分も多いのではないだろうか。

 

第1戦を踏まえて準備してきたリバプールも、最後まで彼らを攻略できなかった。

組織としても個人としても、名のある3トップに最終的なところはやらせなかった彼らの功績は非常に大きい。

 

最後の砦クルトワ

しかも、最後の最後にはクルトワがいる。

この試合のセーブ数は4。

サラーによるシュートを止めた序盤から非常に安定しており、隙がなかった。

 

移籍当初は股下の弱さを指摘されていたが、最近はそれもない。

そうしたシーンになる前に守備陣と連携してコースを消せるようになったように見え、良いところにポジションを取ることで、来るボールを処理できているように見受けられる。

 

彼の良さはハイボールに対する強さで、それはこの試合でもよく発揮されていた。

とにかくゴール前のシーンを作りたいと思って入れてきても安定してキャッチできるから、事故が起きない。

そうなると、手数をかけて攻めなければならなくなって、より守りやすくなることになっていく。

 

終盤になるにしたがって、こうした能力による相手への影響は大きくなる。

パワープレーにも動じずに対応し、「もしかしたら」と思わせるきっかけも与えなかった。

 

狙い通りでなくても

こうした守備陣の奮闘を背景に、マドリーはうまくいかないながらもスコアレスで試合を進めた。

上述の通り、攻撃の可能性を見せて牽制しつつという流れにはならなかったので、想定よりは厳しい内容ではあった。

狙い通りに試合をつまらなくしたという評価は正しくなく、やりたいことをより多く実現できたのはリバプールの方で、それでも得点には結び付けさせなかったという印象。

 

ジョタを入れてリバプールがシステムを変えてきたあたりからカウンターのチャンスが出てきていたが、仕留めにいける確信が持てる形ではなく、計算してやれるものではなかった。

それでもビニシウスが決めてしまっていたら、彼の評価はものすごいことになっていただろう。

 

もし攻撃の狙いがよく機能していれば、もう少し早くクロースを下げることができていたかもしれない。

リバプールの最終ラインを及び腰にさせられたら、アウェイゴールはなくてもクロースとビニシウスのミッションは半分以上達成だ。そうならなかったことで、攻撃の芽を残すためにクロースを70分まで残すことになった。

彼を下げるということは、正確なロングボールの砲台がなくなることを意味する。最終的に守りに入るのは予定通りだったとしても、せっかくならクロースがいるうちに第1千土曜に面倒だというイメージを与えたかったところだ。

 

ただ、バルベルデが90分を通してプレーできたことで、オドリオソラを入れてバルベルデを中盤に戻せたのは幸いだった。

彼がいなかったら、もしくはフル稼働できなかったら、この選択肢は生まれていない。

中盤の強度を保ちつつ、交代により運動量を回復させることができた。

 

選択肢がない中でも強度を保つ交代で終盤を過ごせたのは、ジダンのやりくりによるところが大きい。

短くてもこうした試合で出場機会を得るプレーヤーは意気に感じるだろうし、今後にも資するものになるだろう。

 

準決勝へ

準決勝進出は、正直期待していなかった。それほどの戦力ではないと思っていた。

リーガでもCLでも、この時期まで興味をつなげる結果を出したチームに、お見逸れしましたと脱帽するほかない。

 

準決勝はチェルシーとの対戦となる。

うまくリアクションする試合展開に持ち込み、強みを生かして勝負したいところだ。

 

リーガはヘタフェと対戦。

ナチョ、カゼミロが出場停止、メンディが負傷とさらに試練が続く。