来シーズンからの監督はアンチェロッティと公式に発表された。
エバートンとの契約を解除し、マドリーと3年契約。
思うところを少し。
アンチェロッティは大恩人である。
彼が率いるチームが達成したラ・デシマは、マドリディスタにとって絶対に忘れられない歴史だ。
しかも、アシスタントとしてベンチに置いたジダンがその後、3つのCLタイトルをもたらしている。
近年のマドリーの土台となるチームと人材を形作ったのはアンチェロッティであることに疑いの余地はない。
その彼がマドリーへと戻ってきた。
ロナウドは去りベイルの去就も不透明で、看板だったBBCは既に過去のものとなっているが、当時を知るカルバハル、モドリッチ、ベンゼマらは健在だ。
与えられた戦力をやりくりして結果を出すことに長けた監督であるし、プレーヤーの特徴を熟知しているアンチェロッティにとっては、仕事がしやすい環境だろう。
彼の就任により懸念されるのは、良く知るメンバーを重用する流れになってしまうこと。
世代交代の時計の針を元に戻すことは、この数年何とか進めてきたもののまだプロセス途中である作業をなかったことにするに等しい。
そうならないためには、ある程度インパクトがあって、チームのバランスを変えざるを得ないような補強があることが望ましい。
既にアラバとの契約が発表されているが、もう何人か入れ替えて変化を促していくべきではないだろうか。
そうした方針で進んでいければ、ビニシウス、ロドリゴのような若手や、ジダン体制では出番がなかったヨビッチ、エーデゴーア、セバージョスといった面々が伸びてくれることに期待も持てる。
ディマリアのインテリオール起用のように、違う役割を与えることで一気に変わるプレーヤーもいるかもしれない。
問題だった層の薄さは改善され、前線の迫力不足も過去のものにできる可能性があるのだ。
やっぱり大恩人のアンチェロッティだ。
そう言える新シーズンとなってほしい。