バランのマンチェスターU.への移籍が近づいてきている。
個人合意はすでになされており、クラブ間合意を待つのみと報じられている状態だ。
バーゲン価格だが・・・
マドリーでの600万ユーロの倍額1200万ユーロという年俸もあるだろうが、バランがマドリーからの退団を考慮していた話は数年来何度も報じられてきたことである。
ジダンの復帰によってマドリーでのキャリアは少し延びたが、契約延長とまではならなかった。
彼よりも売りたいプレーヤーがいるのは明らかだし、セルヒオ・ラモス移籍もあったので残ってくれれば良かったのだが、マドリーとしてはせっかくなら移籍金が欲しい。
よって、契約が残り1年となった今オフでの移籍が決定的となっている情勢だ。
まだ28歳だがマドリーでのキャリアは既に10年となっている。
ぺぺ以後のセルヒオ・ラモスの相方のファーストチョイスは間違いなくバランであった。
これまでの功績を考えれば、報じられる5000万ユーロ程度の移籍金はバーゲン価格だ。
とはいえ、この数年、大きな試合でチームを引っ張れないように見受けられるようになってきてもいたのも確か。
前々シーズンのCLでのマンチェスターC.戦のような致命的なミスが悪い意味で記憶に残るようになってしまっていた。
バランがラモス不在時に株を下げた一方、ナチョ、ミリタンはラモスを欠いた昨シーズンに守備を束ねて評価を高めていたし、今にして思えば、その時点で上層部はラモス抜きでの新シーズンを想定していたのだ。残留していても序列は2番手ではなく、3番手以降になっていたであろう。
そうした評価を加味して考えると、コロナ禍が続く状態で彼を売却でき、5000万ユーロを手にできるのは悪い話ではない。
移籍金を得たマドリーの動き
この移籍金を手にしてマドリーが向かうのはエンバぺだ。
エンバぺはPSGにとって不可欠なプレーヤーであると同時に、カタールにとっては彼とネイマールはW杯に向けた大きな広告塔である。
単なるクラブの思惑を超えたポイントであるから、マドリーにとっては非常に難しい。
それでも、彼の契約年数も残り1年。
一般的に安く移籍を成立させられるタイミングであるから、今オフにチャレンジするのは妥当だ。
ラモス、バランが抜けてセンターバックはアラバ、ミリタン、ナチョ、バジェホという陣容になる。
レンタル先でなかなかぱっとしないバジェホが心もとないが、それよりもベンゼマ以外に頼れる人がいない前線の迫力を増やす方が、優先度が高い。
しかもそれがエンバぺとなれば、新時代を迎える象徴的な契約ともなり、クラブに与える影響は計り知れない。
ぎりぎりまで交渉を試みる価値はある。
もちろん、エンバぺを狙うことと、最終ラインを含めた他のポジションの補強を考えることは両立する。
エンバぺとの契約が不可能で、かつ他のポジションに不安が見られるなら、バランの移籍金をそちらに充てることが可能となるからだ。
とりかかる順序は良いので、今考えるべきは余剰戦力の整理と、エンバぺから切り替えるタイミング。
予想されていた通り、どのクラブも財布の紐が固く、とにかく売れないオフとなっている。やることは固まっているから、ここに集中するべきだ。