レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ラ・リーガ第15節 vセビージャ

上位対決を制して首位をキープ。

試合全体としてはセビージャが優勢だったが、マドリーらしくものにした。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:アセンシオ、ベンゼマ、ビニシウス

 

73分:アセンシオ→バルベルデモドリッチ→カマビンガ、89分:ビニシウス→ナチョ、カルバハル→ルーカス・バスケス

 

アラバは欠場が噂されていたが結局先発となった。

 

■セビージャの先発メンバー

GK:ブヌ

DF:モンティエル、クンデ、ジエゴ・カルロス、アクーニャ

MF:フェルナンド;ジョルダンラキティッチ

FW:オカンポス、ラファ・ミル、パプ・ゴメス

 

718分:ラキティッチ→デラネイ、81分:パプ・ゴメス→オリベル・トーレスジョルダン→オスカル、89分:モンティエル→ムニル、オカンポス→イドリシ

 

CLは十分に狙える位置につけている。

クンデは移籍に絡んでいろいろあるようだが先発していた。

 

セビージャがコントロール

マドリーの守備は前節同様。3トップにインテリオール1枚が加わって前から圧力をかけていた。

ボールを回収したら、守備時は底にいるカゼミロが少し上がって、クロースとモドリッチが低い位置に降りて組み立てを担う中盤の変形もお馴染みのものである。

 

対するセビージャ。

ロペテギのチームというとショートパスとかポゼッションといったようなイメージになってしまっていたが、今のセビージャはそんな偏りはなかった。もちろん細かい繋ぎもあるのだが、オカンポスに加えてラファ・ミルも入ったことによりロングボールから一気にいける可能性を持つことができている。

GKがボールを持った場面が象徴的で、ブヌにはセントラルに渡す選択肢もオカンポスとラファ・ミルを狙う選択肢もあって、マドリーの出方を見て対応していた。

 

カンポスはメンディと互角以上の競り合いを続けていて、収まればドリブルもあるのだから、対応しづらい。

中盤やサイドバックの攻撃参加も早く、プレスに行くつもりが裏返される展開が何度もあった。

 

うまく攻めていたセビージャは悪いボールの失い方が少なく、マドリーは速攻の形を作れず。

ボールの出所であるクロースは、組み立て時に下がりボールが進んだら前に出ていく動きをしていたが、常に監視されていた。

低い位置で苦しくなるほどではなかったが、彼から変化をつけられる余裕もあまりなく、サイドに振るとか、とりあえずキープするとかといったプレーをせざるを得ない場面が多く、結果として攻めのスピードは上がらなかったという印象。

 

12分にコーナーからラファ・ミルがフリーのヘディングを決めてセビージャがリードしたことで、こうした流れは強化されることに。

主導権を握り選択肢が多いセビージャに対し、マドリーは難しい守備を強いられていたことで攻撃の選択肢を奪われる厳しい試合展開となった。

 

珍しくミドルを選択

引いている相手に出てきてもらうためにミドルシュートというのはよく言われることだが、しばしば引きこもられるマドリーではあまり見ない。

得点の可能性が高くなく基本的には相手ボールになるプレーなので、それよりは他の選択肢を探った方がましという判断なのだろう。

 

基本はこうなのだけれども、今節はずいぶんとシュートの意識が強かった。

普段とこれが違うのでシュートが多かったという明確な差はないように思えたが、強いて挙げればサイドからもいまいち可能性が感じられなかったことだろうか。

 

ビニシウスはモンティエルとオカンポスに封じられていて、ドリブルで打開する期待感がなく、ズレを作れそうもなかった。

サイドに振ってもブロックの外をなでるだけになる雰囲気があったので、セントラルがある程度の高さまで持ち込めた時にそのまま狙いに行く形になったように見える。

 

こうした流れでのミリタンのシュートからブヌの処理ミスを逃さずベンゼマが詰めて同点。

クロースやアセンシオもミドルを狙っており試行回数が増えていたことはあるにせよ、確率の高くないプレーから運が転がってきたようなゴールだった。

 

耐えつつやっと五分に

クロースにアイデアを生み出す時間を与えてもらえず、ボールの行き先として大きな役割があるビニシウスも消されていた。

失点はセビージャにとっては不運だったが、ちょっとした運と自分たちのミスだけだったとも言える。

その後も試合を掌握していたのがセビージャだったことは疑いなかった。

 

ただ、ビニシウスが消されていた分、右のアセンシオが積極的なプレーをしていたのは救いだった。

中央に入ってきてのシュートがいくつもあり、少し前ならそれだけでも喜んでしまうような内容だったが、右でも良い流れでプレーに絡んでいるのが最近の状況なので、彼の能力を考えれば決めるべき場面だったと評しておきたい。

 

アセンシオの右にめどが立てば、ロドリゴバスケスの4枚でローテーションするめどが立つ。この態勢が整えば、アザールとベイルにゆっくり過ごしてもらうことができるだろう。

 

攻めたいけれどセビージャの脅威も十分にある展開で、交代で流れを変えようとすると不安があるのも確かだ。

ロドリゴが不在で前線は期待できる駒がそもそもおらず、阿吽の呼吸でやっている中盤も替えがたい。

結局アンチェロッティが選択したのは、バルベルデとカマビンガを右のエストレーモとインテリオールに入れることだった。守備のレベルを下げずに済み、運動量で相手を上回れる可能性がある二人である。バランスを変えない穏当な選択肢を選んだと言えよう。

 

セビージャの運動量が落ちてきてからは、カウンターのチャンスができてはいた。

計画通りに進めたセビージャに対し、同点の場面同様ワンチャンスをものにできるかどうかというところまで持ってきた。これでやっと五分になったという印象だ。

セビージャは危険なボールロストをしなかったので、速攻でも長い距離を走るプレーにならざるを得ず、最後まで楽をさせてもらえなかった。

 

ビニシウス!

決め手を欠いてドロー決着かと思っていたら、ビニシウスのゴラッソ。

ミリタンの左サイドへのフィードを大きめにトラップして、戻ってきたオカンポスの逆を取りカットインし、ファーへ蹴りこんだ。

 

うまく抑え込まれていた中で、初めてトラップで変化して前を向けるスペースを得た場面だった。

縦に行かれないよう戻ったオカンポスの判断は良かった。しかし、その後カットインするドリブルに寄せる間合いに誰も入れず。ビニシウスはラインの間を切り裂いた。

 

カウンターの場面で遥か彼方へ外していたこともあって、以前のビニシウスかなという雰囲気も出ていたのだが、ドリブルでリズムが悪かったことも含めてすべてが伏線だったかのようなクライマックスであった。

 

ロナウドのゴールと比較する向きがあるので、流行に乗ってそういう触れ方をすると、ロナウドは少し巻いてGKの届かない位置から枠をとらえているのに対し、ビニシウスのボールはほとんどまっすぐで、ブヌの手は届いていた。

ボールスピードでブヌを破ったから良いものの、単純に比較した時の精度としてはロナウドの勝ち。

 

重要な試合で重要なゴールを決めてくれたのに、意地の悪い言い方になってしまったが、目指してほしいレベルはそこである。

決めるべきところで決められるようになったのだから、フィニッシュにおけるディテールを詰めていってもらいたい。

 

最後に

負けておかしくない試合で勝ち点3を得られたこと、なぜか負けないという雰囲気があることは良いことだ。

最初に書いたように、この試合では幸運もあったものの、無から得点を生み出せるのもマドリーらしい。

年内はこのままいって、少しローテーションできる余裕が作れればベスト。

 

今週のミッドウィークはリーガ。アスレティックと対戦する。