レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第6節 vインテル

映像が乱れてほとんど見えない試合なんていつぶりだろうか。

放送の調子とは裏腹にマドリーの調子は安定しており、インテルに主導権を持たれながらも勝負には勝った。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ロドリゴ、ヨビッチ、ビニシウス

 

71分:カゼミロ→カマビンガ、78分:ロドリゴ→アセンシオ、クロース→バルベルデ、ヨビッチ→マリアーノ、81分:ビニシウス→アザール

 

右はロドリゴ。週末に結果を残しベンゼマの穴を埋めたヨビッチが引き続き9番。

 

インテルの先発メンバー

GK:ハンダノビッチ

DF:ドゥンフリース、ダンブロージオ、シュクリニアル、バストーニ、ペリシッチ

MF:ブロゾビッチ、チャルハノール、バレッラ

FW:ジェコ、ラウタロ・マルティネス

 

46分:ドゥンフリース→ディマルコ、60分:チャルハノール→ベシーノ、ブロゾビッチ→ビダル、ジェコ→アレクシス・サンチェス、66分:ラウタロ・マルティネス→ガリアルディーニ

 

インテルもGS突破は決めている。最終節は1位通過をかけての試合。

 

リーガとの違い~自分たちの形を提示したインテル

リーガの試合では、モドリッチとクロースを中心としたマドリーの組み立てに相手がどう対処するかが大きなポイントとなっているように感じていた。

 

彼らは組み立て時に低い位置に下がってプレーする。

そこに寄せてもほとんどボールが取れないということはずいぶん前から認知されていたと思うが、昨シーズンまでは多少なりともやりようがあった。

すなわち、中心である彼らにボールを持たせず、不安のあるバラン、ミリタン、ルーカス・バスケスやカゼミロに渡るように仕向ければ、危険な展開となる確率は下げられるという考え方である。

 

ところが、今シーズンは違う。

アラバは正確なボールを蹴れるし、ミリタンも自信をつけて精度を高めた。両サイドバックも安定しており危ない失い方はほとんどない。危なっかしいのはカゼミロくらいとなったのだ。

そのカゼミロは、組み立て時は高い位置に移ることでスペースを空け、流れを邪魔しないような形を取っている。

さらにビニシウスの成長によって、受け手側の問題も解決に向かいつつある。

これによって、対戦相手は組み立ての核であるモドリッチとクロースとどう付き合うかを考え直さなければならなくなった。

 

直近の対戦相手であるセビージャ、ラ・レアルはこの課題にうまく対処しており、剥がされない程度に制限をかけることと、受け手のビニシウスに自由を与えないことの両立を実現していたように見受けられた。

 

ただ、こうしたやり方は「マドリーの形の試合となることを受け入れている」とも言える。言い換えれば、マドリーはどういう試合とするかの選択権までは奪われていなかったのである。

 

インテルはそうではなかった。

彼らは3-5-2で両ウイングバックを高く押し出すことで、サイドの制圧をもくろんでいた。

この形の大きなメリットの一つは、マドリーのエストレーモを下げさせられることにある。

ビニシウスとロドリゴは守備参加をさぼるタイプではないことを利用し、彼らを低い位置に誘導できれば、マドリーの長所を奪える。一石二鳥だ。

 

インテルは自分たちのやり方を主とする試合の形を提示することで、マドリーの良さを消すことを狙っていた。

こうした選択をしてくる相手がいるのがCLである。マドリーの形を作られるのは許容しつつ、それを消そうとしてくるリーガとは違う。

週末とは違った取り組み方がなされていることが、途切れがちな放送でも良く見えた。

 

マドリーの抵抗

試合の全体としてはインテルの狙い通りに進んでいて、クロスから良いチャンスを作られていた印象。

特に前半はシュート数で7対13。ゴール期待値もマドリー0.78に対しインテル0.68だったようであるが、やりたいことをやれているのはインテルだったように見受けられた。

 

しかし、マドリーの抵抗も見ることができた。

守備参加はきっちりしつつ、速攻時はウイングバックの裏を欠かさず使ってくれる両エストレーモの存在は大きい。

下げられてはいたものの、インテルの意図通りに逼塞させられることがなかったのは彼らのおかげだ。

1枚では難しく、不用意に距離を詰めるとやられるビニシウスのところは、彼が持つだけでディフェンスをずるずる下げさせる効果があって、インテルは「主導権を持っているので安心」という雰囲気になれずにいた。

 

意外だったのがヨビッチ。

これまでのマドリーでのプレーでは、ボックスストライカーとして運用した方が良いかと思っていたが、ポストプレーで速攻の起点となっていた。

 

元々こういうこともできたのかもしれないが、昨シーズンまではビニシウスがここまで輝いておらず、ポストで貢献できる形が見えていなかった。

ベンゼマは良い落としをできていたけれども、彼の超絶技巧があってこそのプレーがしばしばあって、普通の人が真似できるようなものではなかったのである。

しかもヨビッチはそもそもあまり出場時間がなかったのだから、本人にしてみればようやく日の目を見たという気持ちかもしれない。

 

出し手の安定と受け手のレベルアップによって速攻の形が確立したことにより、ヨビッチもうまく見えるようになった。

ベンゼマの離脱期間にもう少しチャンスがあれば、彼の立場は大きく変わるかもしれない。その期待感が持てるプレーであった。

 

リード後、インテル謎の交代、退場

マドリーの先制点はクロース。

この1か月ほどよく見られるようになったミドルシュートによるゴールだった。

 

優先順位が高い選択ではないのだろうと思うが、それでもこれだけ枠に飛び、かつ決まっているのだから文句なし。

相手が警戒してくれればスペースもでき、次の手も打ちやすくなる。良いイメージで蹴れているうちは効果を生かしていきたい。

インテルにとっては残念な失点だった。ミドルを狙ってくる傾向は最近あったわけだから、もう少しコースを制限できれば良かったのだが、クロースにとっては正確なキックに十分な時間が与えられた。

 

ビハインドになったとはいえ良い形で戦えていたインテルの3枚の交代は謎。

インテリスタの方でも意図がわからないのだから、マドリディスタの私としてはお手上げである。

 

 

指摘されているように、サイドの優位を生かしたクロスの多用ならジェコは残しておいて良かったはず。

ビダルが入ったことを考えると、ウイングバックの裏を使われていたことへの対応と考えることはできるが、1点を追う展開でここまで大がかりに守備に手を入れるべきとシモーネ・インザーギが考えたかどうか。

私としてはそうしたバランス調整と捉えておくが、そのすぐ後にバレッラが退場したため、実際にどう機能するはずだったのかは謎のままで終わってしまった。

 

バレッラはトーナメントの初戦にももちろん出られないし、一人少なくなってからのインテルにもチャンスがあったことを考えると、余計な行為は高くついたように思う。

 

終盤は余裕があり、アセンシオのゴラッソで勝負あり。

累積警告で出場停止のリスクがあったカゼミロを下げ、クロースも休ませ、最後にはアザールをも調整出場させる余裕をもって試合を終えた。

 

最後に

マドリーはこの勝利により首位通過。

2位通過となったクラブを見ると、何となくだがPSGやチェルシーと当たる予感がする。

セルヒオ・ラモスが移籍したPSGとの顔合わせと予想しておこう。

 

週末のアトレティコとのデルビーで過密日程はひとまず終了。

ここまで頑張って、年内の残り試合は連続出場しているモドリッチを休ませるなどして時間調整できれば。