近年ホームで苦戦が続いていたベティスとの第4節。
今シーズンもやはり苦しんだが、粘り勝って開幕から4連勝とした。
■マドリーの先発メンバー
GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ
MF:チュアメニ;モドリッチ、カマビンガ
63分:カマビンガ→バルベルデ、80分:モドリッチ→クロース、セバージョス→ロドリゴ、89分:カルバハル→リュディガー
ロドリゴが今シーズン初先発。今節はカマビンガがインテリオールに入った。
■ベティスの先発メンバー
GK:ルイ・シルバ
DF:サバリ、ルイス・フェリペ、エドガル・ゴンサレス、メレーノ
MF:ギド・ロドリゲス、グアルダード;カナレス、フェキル、フアンミ
FW:ボルハ・イグレシアス
11分:フェキル→ルイス・エンリケ、71分:グアルダード→ホアキン、フアンミ→ウィリアン・ジョゼ、サバリ→ルイバル
ここまで3連勝。前線の層は厚い。
ビニシウス、進化中
9分、早々に先制に成功する。
ベンゼマが下りてポストに入ろうとしたタイミングで、できたディフェンスラインのギャップにビニシウスが走り込む。
裏を取って、冷静にループシュートを決めた。
裏抜けは昨シーズンも何度か得点に繋がっていた形。
ただし、ベンゼマの動きに合わせて縦関係になって出ていく連携がより洗練されてきている印象だ。
一発で成功しなくても、大外ではなくゴールに直結する位置で裏狙いがあることを示せればラインとの駆け引きで先手を取れる。
ベンゼマにセントラルがついていくのを躊躇してくれれば、彼が余裕を持って基点になることができるので、そこから次の展開を作りやすくなっていく。
分かっていても止めづらいスピードがあって、しかも守備に選択を迫れるプレーができれば鬼に金棒である。
相性が悪い…
ベティスは11分にフェキルを負傷で失ったが、依然としてボールを持っての攻めが効果的。
彼らの低い位置でのポゼッションに対し、カマビンガが入っている中盤の強みを生かしてプレスに出るも、かわされてスペースを使われてしまう流れが何度もあった。
昨シーズンの序盤での対戦でも同じような展開になっていて、マドリーのプレス未整備によるように書いていた。
守備強度が高くないイスコとベイルがいた昨シーズンと違い、今回はメンバー的には前からいける。
それでも外されたのだから、ベティスの得意な形に持ち込まれやすいという方が正しいのかもしれない。
昨シーズン後半を踏襲
守備ではなかなかうまくいかなかったものの、スペースを空けて攻め合う時間が長い試合では、走れる中盤の組み合わせは強さを発揮した。
速攻の場面で前線任せにならず厚みを持たせてくれるし、そこから戻ってくれることも計算が立つ。
新加入のチュアメニに注目してしまうが、1シーズン先にやってきたカマビンガは堂々たるプレーぶり。「速くてうまい」がレベルアップしている。
彼が万全なら、インテリオールはかなり余裕をもってベテラン勢を休ませることができるだろう。
こうして攻め合っていれば、失点のリスクはあるがマドリーが得点できる可能性も同様に高まる。
ピンチは少ないがチャンスも少なくなってしまうリトリートしてからのカウンター狙いの形から脱却を図った、昨シーズン後半の流れを汲む試合展開になったと言えるだろう。
そこで信頼のおけるバルベルデを投入。直後の65分、右サイドを崩して最後はバルベルデのパスからロドリゴ。先発起用に応えて結果を出した。
層を生かして
初先発だったロドリゴに替えてバルベルデとせず、これまで出場のあったカマビンガと替えたところに、ローテーションをしようというアンチェロッティの意図を感じる。
交代が当たってマドリーがリードを得た。
リードしてしまえばクロース、セバージョスとポゼッションを安定させられるメンバーで試合を落ち着かせにかかる。
中盤の選択肢の多さと、使うプレーヤーによって試合展開を都合のいい方に導ける柔軟性は素晴らしい。
今のところ、アンチェロッティは中盤の層の厚さを効果的に使えている。
CMKに頼りすぎて自滅してしまった前回の反省を生かしたものといえ、今のところ前回の二の舞となる恐れはないように思える。
最後に
失点はあるものの、ここまでは良いところが目立っている。
CLが始まって本格的に過密日程となっていくと、負傷者も出てくるだろう。そうした時に、ここまで見られている用兵が生きてくれば。
ミッドウィークはセルティックとCLグループステージ第1節。