レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント1回戦第2戦 vリバプール

昨シーズンの轍は踏まず。

しっかりと試合をコントロールしてリバプールに主導権を握らせることなく、勝ち抜けを決めた。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、ミリタン、リュディガー、ナチョ

MF:カマビンガ;モドリッチ、クロース

FW:バルベルデベンゼマ、ビニシウス

 

82分:モドリッチ→セバージョス、ベンゼマロドリゴ、84分:ビニシウス→アセンシオ、クロース→チュアメニ、86分:カルバハル→ルーカス・バスケス

 

カマビンガがピボーテ。チュアメニは週末に復帰していたが、内容も含めて万全ではなかったという判断だろうか。

 

リバプールの先発メンバー

GK:アリソン

DF:アレクサンダー・アーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン

MF:ファビーニョ;ガクポ、ミルナー

FW:サラー、ジョタ、ヌニェス

 

57分:ヌニェス→フィルミーノ、ジョタ→エリオット、73分:ミルナーオックスレイド・チェンバレン、89分:ロバートソン→ツィミカス、ガクポ→カルバーリョ

 

3点以上が必要なリバプール。中盤から前は攻撃的なメンバーが並んだ。

 

リュディガーとナチョで左はばっちり

左セントラルをリュディガー、ラテラルはナチョとし、最終ラインはまずしっかり守る布陣。一方で、組み立てにはやや不安が残る組み合わせでもあった。

序盤に失点してしまうと一気にやられる恐れがあるから、考え方は妥当。

第1戦のように前から来られた場合の怖さは、クロースとモドリッチの差配で何とかしてもらえるだろうという中盤への信頼もあっての構成と思われた。

 

こういう時のリュディガーのプレーは非常に信頼がおける。

ほぼ競り負けないし、クロスやシュートに対しても確実にコースを消してくれるから、周りのプレーヤーが守りやすい。

ラ・リーガでは攻撃面での難点が出てしまう試合もあるのだが、「ここは守る」という試合、場面でスイッチを入れてくれる人である。

 

1点2点の差なら、マドリーにボールを持たせておいて奪って速攻の形を狙えたかもしれない。

しかし、3回もそれをできるとは思えないので、リバプールは自分たちでボールを持つ形で試合を支配する狙いを選択。

後方での保持に不安があるマドリーにとっては好都合で、がっちり守って裏を狙うプレーを徹底することができる展開となった。

 

ビニシウスで陣地回復

こういう試合のビニシウスは最高の武器。

一人で持っていってくれるから、バランスを崩してまで枚数をかけることなくカウンターを成立させられる。

スタートのところで奪われなければ、あとは自由にやってくれればいい。

 

まして対面するのはアレクサンダー・アーノルドで、守備に長所があるプレーヤーではないから、ボールを持っていくだけで最低でも陣地を回復することができていたし、多くの場合彼をはがして2人目を引き付けることにも成功していた。

 

彼らの対決では攻めた方が有利になることはわかっているのだから、どちらがボールを持って勝負できるかがカギ。

下がって守り、バランスを崩さない程度の枚数でカウンターに出ていけばいいマドリーは望む形での勝負をリバプールに強いた。

 

リバプールは逆にアレクサンダー・アーノルドの長所を生かせず。

サラーも含めたユニットとして見ても、ナチョとヘルプにやってくるリュディガーが完全に抑え込んだと言って良い。

ビニシウスまで下がらせて出ていけない試合展開となれば、マドリーは逼塞してしまうことになったはずだが、そうならなかった。

 

このマドリー左サイドの対決でマドリーが陣地を回復できるようになったことで、リバプールが攻め立てる試合にはならなくなった。

行ったり来たりの試合になって、カウンターを出しているうちに時間が過ぎていくし、マドリーが得点する可能性も高まる。

 

よほどのことがない限り、序盤から失点を重ねるような試合にはならなくなったのだった。

 

カマビンガの冴えとベテラン2人の存在感

不安だったのはピボーテに入ったカマビンガの存在。

パスがうまいのは確かなのだが、自分でボールを持つことでリズムを作っていくプレーヤーに見え、狭いところでも自分で運ぼうとする特徴がある。

 

これはリバプールにとっては狙いどころ。

ピボーテの位置で運ぶプレーが多いと、ショートカウンターのリスクが高くなる。また、モドリッチとクロースに入ってしまう前にボールを奪いたいということを考えあわせても、消去法として狙うのは彼のところであるから、不用意なプレーがあると怖い。

 

しかし、この日のカマビンガは冴えていた。

無理に前に運ばないプレーも多く、何人か引き付けてボールを下げるパスも。

前に出て行った後のパスの成績に注目が集まっているが、このように低い位置でリスクを取らない判断が継続できていたことの方がうれしい。

 

リードを得ている状態だから選択はこれで良く、リバプールはターゲットを失うことに。

点を取るため、前に出く必要があるファーストレグやリーガでどう振舞えるかは別の問題としてあるのだが、周囲のサポートを活用できる組み合わせなら良いという印象であった。

インテリオールがセバージョスやバルベルデだと、また違う対応を求められることになり、バランスを崩す恐れがあるので、万全を期して正解である。

 

裏を返すと、モドリッチとクロースのこのあたりのサポート能力が素晴らしいということになる。

チュアメニでもカマビンガでも、彼らの長所を引き出しつつ中盤のユニットに組み込めているのは、ベテラン2人がいろいろと融通してくれているから。

そして、前述の通り彼らにボールを渡せば、ボールロストする心配は大幅に減る。

 

彼らの働きによって、中盤のもう1名が憂いなくプレーしやすい環境ができていて、カマビンガもうまくそこに入ることができていた。

 

シンプルに

守備が固い最終ラインを中心に守って、ビニシウスに陣地を回復してもらい、ボールを持ったら信頼の厚い中盤がボールを動かして守備をいなす。

なかなか点が入らなかったが、下手に試合が動き出す展開になるよりはずっといい。

負傷によってあまり選択の余地がなかったこともあるにせよ、昨シーズンの教訓を踏まえて、無難に終わらせる試合運びができていたのは好材料である。

 

昨シーズンは劇的な試合をすべて制したが、そんなことはそう何度も起きるものではない。

ファーストレグがホームでもアウェイでもリードしてセカンドレグはリアクションで戦う。

アウェイゴールがなくなったので点差計算などせず、このようにシンプルにやることをやれるように進歩していってほしい。

 

準々決勝の相手はチェルシーと決定し、週末はバルセロナと対戦。

カンプノウで勝てないと、リーガは事実上終戦となってしまう。追う側の気迫を見せてくれれば。