プレミアリーグの移籍期限も近づく中、ようやく動きが。
時間はかかったが、懸案のひとつがようやく決着を迎えることになった。
■コバチッチ
まずコバチッチ。
マドリーでの出場機会の少なさから、W杯期間中の段階で移籍希望を明確にしていたコバチッチだったが、マドリーとしてはベテランのモドリッチ、30歳代に差し掛かるクロースの後継として手放す意思はなく、取り扱いが難しくなっていた。
ここで完全移籍で解決を図るのではなく、レンタルで1シーズン間を空けることを選択し、チェルシーにそれを飲ませたマドリーのフロントの判断と交渉は見事。
報じられるとおりであれば買い取りオプションもなく、うまく出場機会の問題を処理した。
出場機会の面では、コバチッチ自身としては不満が多かったのだろうが、カゼミロ、クロース、モドリッチの誰とでもレベルを保って入れ替えができる彼は貴重な戦力だった。
遠くない将来に必要となる世代交代にむけて、彼と同じレベルのプレーヤーを安価に確保することは難しいことから、帰還後は今以上に重要な存在となりうる。
チェルシーで、怪我なく活躍してくれることに期待。
■クルトワ
コバチッチの交渉成立から間もなく、クルトワの完全移籍が決定。
移籍金は3500万ユーロ、6年契約と報じられている。
一番の候補であったデヘアについて早々に撤退した後、可能性が高いといわれたアリソンはリバプール行きとなって、GKは選択肢が限られていた。
ましてクルトワは先のW杯でゴールデングローブ賞を受賞、残り契約が1年とはいえ、状況から言えばこの金額での獲得はバーゲンだ。
今のところナバスに移籍の意思はなく、「1番」の座をどちらが取るかはは競争に委ねられることになりそう。
彼がGKとして勝ち取ったタイトルにはもちろん敬意を持った上で言うと、ナバスに時折あったポカがなくなれば、クルトワと契約した意味が出てくる。
残念な失点が年間で何点か減れば良いし、特にトーナメントで安定感を示してくれることに期待をしたい。
ここで残留を選択しそうなナバスの判断も、並大抵のことではない。彼の人格が見て取れる。
ルニンも含め、GKをどのように整理するのかには注目しておきたい。
■テオ
テオはレアル・ソシエダに1年のレンタル移籍となった。
マルセロの壁は高かった。昨シーズンはそれに尽きる。
スキルがあって組み立ての中心となれるマルセロが左サイドにいることを前提としたチームの動きになっていたので、テオが時折起用される時は、連携の面で難しいところが多かった。
左サイドは長らくマルセロの時代が続いているので、なかなか食い込んでいけなかったという印象だ。
また、アトレティコからの移籍ということで、ハードルが上がってしまった面もあり、彼にとってはやりづらかったのではないかと想像する。
マルセロも30代で、そろそろ世代交代も見据えたいところ。とはいえ、健康であれば出場機会は限られるので、レンタルでの出場時間確保は妥当な判断。
アラベスで頭角を現したシーズンのような勢いが出てくれば。