アウェイで歴史に残る激闘。
120分を凌ぎきってペナルティ戦で準決勝進出を決めた。
- 背景
- 先制するも…
- メッシ的存在の有無
- 1点でしのぐ
- PK、最後に
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セルヒオ・ラモスがベルナベウに帰ってくる。
時間が経つのは早いもので、彼がマドリーを去ってからもう3年余りとなる。
パリでのキャリアを経てセビージャへ戻る決断をした彼を、マドリディスタはかつてのカピタンとして暖かく迎えることになるだろう。
2010年代のマドリーを俯瞰して見ると、歴代最多得点のロナウド、彼の良き相棒でありながらも彼の移籍後には主役となったベンゼマ、そしてベイルのBBCが大きな場所を占めている。
長所の組み合わせと相互理解の高さによって比類なきユニットとなったカゼミロ、クロース、モドリッチのトリオもまた、欠かすことのできない重要な要素として見える。
しかし、当時のマドリーが持っていた熱量について、セルヒオ・ラモスの存在を抜きに振り返ることは誰にもできないはずだ。
落ち着いた対応よりも前に出て相手を抑え込むのが彼のプレーの特徴で、であるがゆえにカードをもらう機会、退場してしまう場面が多かった。
また、セットプレーだけでなく流れの中でも点を取りに行くような奔放さもあって、こうした彼のプレースタイルは、当時のマドリーに色濃く反映されていた。
バルセロナに追いつき追い越すため尖りまくっていたモウリーニョ期から比べ、はるかに落ち着いたアンチェロッティ期になっても、セルヒオ・ラモスだけは勢いとその裏返しとしての慌ただしさを維持していた。
重く動かない試合で相手ともめるようなプレーをしてしまったり、最後の最後にゴールを決めたりする。
良くも悪くも試合を劇的なものにし、92分48秒のゴールを筆頭に「マドリーは決して諦めない」を体現するのもずっと彼の役回りだった。
モドリッチは「僕たちは過ぎゆく存在で、マドリーだけが永遠だ」と言った。
その通りだと思う。
けれど、付け加えるならば、永遠の存在は過ぎゆく者が残していくものの積み重ねで成り立っていくとも言えるのではなかろうか。
今は過ぎ去ったセルヒオ・ラモスの帰還をきっかけに、永遠たるマドリーに多くのマドリディスタが様々な思いを馳せることができる、良い週末になりそうだ。
代表期間中にビニシウスを失い、ただでさえ厳しい代表期間明けの試合に悪いニュースが増えたが、試合内容としては堅実に勝利した。
脇役が頑張り、主役が主役たる存在感を発揮する、期待以上の試合となった。
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