驚く要素がない敗戦。何も出せずに90分が終わってしまった。
■マドリーの先発メンバー
GK:クルトワ
DF:オドリオソラ、ミリタン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:ハメス・ロドリゲス、カゼミロ、イスコ、ビニシウス
FW:ベンゼマ、ヨビッチ
66分:ヨビッチ→バルベルデ、イスコ→ロドリゴ、82分:ビニシウス→ブライム
CLも控えているため、ローテーションしつつのメンバー。形は4-4-2。
■マジョルカの先発メンバー
GK:マノロ・レイナ
DF:サストレ、バリエント、ライージョ、ガメス
MF:イドリス・ババ、サルバ・セビージャ;ダニ・ロドリゲス、フェバス、ラゴ
FW:ブディミル
46分:サストレ→ルモール、59分:フェバス→久保、81分:ラゴ→トライコフスキ
現在は下位で苦しんでいる。まずは残留を目指す立場。
■自ら難しくして失敗
攻撃を自分たちで難しくしてしまっているのがすべてだ。
代表戦明けの良くないコンディションで、多くのサポートが必要な連動をするのは無理がある。
4-4-2にしたのだから、2トップを目指してクロスを上げることをメインの手段にして、跳ね返されたところをイスコが関わるくらいのシンプルさで良い。
その方が面白くなかろうが、得点の可能性は高まる。
ところが、ハメス、ビニシウスが利き足の反対サイドの配置なので、縦に抜けてのクロスは難しい。そうではなく、カットインして彼らも得点を狙ってほしいという意図が見える。
それも一つのやり方ではあろう。サイドバックが一番外のスペースを担い、その内側でウイングがプレーする形も間違いではない。
ただ、その場合、エリアの幅に多くの味方が配置されることになるから、狭いスペースでのプレーが多くなり、そこを打開するだけのサポート、運動量が必要になる。
この試合のタイミングとしても、チーム状態としても、それを第一に求めることはできないから、この配置は時期に合ったものとは言えない。
ジダンは、前回指揮したチームにいなかった戦力や、かつて使わなかった戦力を組み込んで、違うやり方を模索しているようである。
その考え方自体は支持したいが、イスコ中心のシステムでリーガで失敗したシーズンのように、前半戦を棒に振ることを繰り返せる余裕はない。
前回は直前にCL制覇があったからまだ飲み込めたが、今回は状況が異なる。現実的な対応にシフトすべきだ。
■またしても序盤に
立ち上がりの失点については、またしても、と言うほかない。
ジダンの考え方に課題はあるが、ピッチに立った以上その先の責任はプレーヤーが負うべきもの。
今シーズンだけでも、序盤の失敗で何度も試合を難しくしているが、それを経てなお同じ過ちを繰り返されたことには、言うべき言葉もない。
このメンバーがプランBかというと、それほどではなく、AとBの間くらいだろう。
Aの面々はチームを引っ張り、Bの面々にはAを食うような意欲を見せてほしいのに、そのどちらもなかった。
結果、序盤に思い通りの速攻で決められ、その後エンジンがかかってももう遅い、というお決まりの流れに。
少し前なら、CLでは違うと言えたが、ここまでの結果だとそれも心もとない。いつもハンデを負ってからの試合スタートになってしまうことに、まずプレーヤーが危機感を持たなければならない。
■最後に
ミッドウィークのガラタサライ戦は結果こそすべてになる。勝ちぬけに向けては引き分けも許されない試合だ。
アウェイでもあり、この試合のような中途半端な考え方では一気にやられる恐れもある。ねじを巻き直して戦ってほしい。