リーガエスパニョーラ第12節、レアルマドリードvマジョルカ。
CBでカンナバーロの相方になるのはメッツェルダーがペペか、と思ったが、蓋を開けてみればエインセ。
実際、伏線としてCLでのオリンピアコス戦でメッツェルダーではなくエインセを選択していたのだから、
現段階においてペペが使えない場合はメッツェルダーよりもエインセという発想だったのだろう。
そして、このことでわかるのは、シュスターが頑なにマルセロを使おうとしているということ。
どう考えてもメッツェルダーをCBに、エインセを左に置いた方が安定感では勝ると思うのだが、敢えてそれを選択しないということはどういうことだろうか。
可能性として考えられるのは、マルセロを本気で育てようとしていること。
他には同じくブラジル人のロビーニョとのセットでプレーさせた方がいいと考えていることも考えられる。
どちらも考慮してのことかもしれないが、ここのところ左サイドバックをマルセロで固定していることは注目だと思う。
さて、試合。
11分の先制点は、二つ目の可能性で触れたような、マルセロとロビーニョの組み合わせが生きた場面。
マルセロにヒールで流したロビーニョが最終的にゴール前まで走りこんで決めた積極性、動きの質は素晴らしいゴールだった。
と思ったら、また得点が動いた後の集中力欠如病が発生。イバガサからバレーラへのロングボールがつながり、カシージャスが飛び出したものの及ばず同点。
最終的にはマルセロがクリアを失敗した形になったが、その前の、イバガサがボールを持った段階でボールに対するチェックが甘く、良いボールを上げさせる余裕を持たせてしまったこと。
また、ディフェンスのラインが割と高めで、かつ右サイドに意識が行き過ぎているために、パスが通った段階で簡単な状況をつくらせてしまった。
16分頃、スナイデルからラウール、相手ディフェンダーに当たってロビーニョに渡ったところをダイレクトでシュートし、ネットを揺らした。
オフサイドを見逃してもらったゴール。
ただ、こうして、スナイデルがゴールに近いところでボールを持って前を向いてプレーしている点は良かった。ここがグティとの決定的な違いだと思う。
18分頃、コーナーキックからヌネスがフリーでシュートするもバーへ。マーカーはたぶんガゴだと思うがスリップして「ど」フリーで侵入された。
スリップは仕方ないが、点が入った直後にこういうことが立て続けに起こるのはなんでだろう・・・
この試合での攻防は、セビージャ戦ほどに厳しくはなかった。というよりも、お互いが相手のプレスをかわす余裕をもっていたために、割とアタッキングサードへの侵入が容易だった。
効果的なプレスができないのは、マドリーに関して言えば、相手司令塔イバガサを開けがちだったためと、ラインとの連係具合だと思う。
イバガサは予想より狭いスペースでいい仕事をしていたが、それを修正して行けなかった印象。
さらに、人数をかけて中盤がプレスしているのに、ラインが同調しないとバイタルエリアが開く。
2回目の同点シーンはそういう状況だった。確かにあの位置からシュートを打った思い切り、いいシュートだったことは褒めざるを得ないだろう。
が、狭い範囲に4人選手がいながら、位置取りがあいまいで、バレーラがボールを受けに行ったところへ簡単に通させ、マルセロが遅れたことがそもそもの原因だろう。
人数がいるのに機能しないポジション、広々と与えるスペースでは、ある意味失点は必然。
2-2で後半へ。アタッキングサードへ侵入はできているので、セビージャ戦よりは多分いいイメージで入れたと思う。
またロビーニョのドリブルをマジョルカが止められないので、この試合は彼に任せればチャンスが作れそうと思った。
後半からカンナバーロに変わりペペ。フィジカルに問題があったようだ・・・
トーレス、ペペ、エインセ、マルセロという、初の組み合わせでチャレンジ。
57分にするするっとエリア付近に侵入され、カットしたボールがグイサへ渡りゴール。
62分に左サイドでボールを持ったロビーニョがドリブル、一人かわしての折り返しをラウールが流し込んで同点。
このほかにもお互いチャンスはあったが、どれもエリア付近へ侵入が簡単なためにリズム良く攻められたことが要因だと思う。
72分、ラウールにボールが入り、その後ろからニステルが走り込み、相手ラインにギャップを作った。ニステルはいいトラップから相手を背負いながらゴール右にシュート。ルクスが触ったもののゴール。
確かCLブレーメン戦でも同じような形があった。練習通りなのかもしれない。
終盤はマジョルカがパワープレー気味に押し込んできて、マドリーはカウンターで応戦。お互い攻め合うも、最後はなんとか守り合って、このまま4-3で終了した。
この試合、攻撃面ではもちろんロビーニョの貢献が大きい。オフサイド見逃しとはいえ2点、1アシストは立派。スペースを与えてリズムに乗って仕掛ければ抜けた。これからも狭い所でごにょごにょしないほうがいい。
守備面は3失点と崩壊した印象。誰か一人の責任ではなく、トーレスやペペといった久々だった選手を責めることはできない。むしろチームとしてどうするの?といった感じ。
この試合では、カペッロから教えてもらったことを忘れてしまったかのようだった。
守備面に関して、彼のレッスンは得難いものだったのだから、忘れずにやってほしいと思う。
次の週末は代表戦でリーガは中断です。
それぞれの代表での活躍を祈ります。